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ダレカA

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2022年4月の記事一覧

おまじない-バイバイサンキュー/BUMP OF CHICKEN(A)

おまじない-バイバイサンキュー/BUMP OF CHICKEN(A)

 4月といえばクラス替え、入学、就職、引っ越し...etc、新生活の始まる時期。自分がそれまでいた環境から、殆ど何も分からない新しい環境に飛び込む時というのは、いつまでたっても慣れない。一番の原因は、”この先どうなってしまうのか?”、”一人ぼっちで寂しい”など、ネガティブな感情が頭の中を駆けめぐることで膨らんでしまう不安感。
 この楽曲は、そんな不安感を優しい音色で包み込むように広がっていく。そし

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新時代-天体観測/BUMP OF CHICKEN(A)

新時代-天体観測/BUMP OF CHICKEN(A)

 20世紀から21世紀に変わる時。TVがこぞって、世界中の人たちが新しい時代の幕開けに胸を高鳴らせ、光に満ちている様子を映し出していたのを覚えている。
 だけど思い返せば、当時も変わらず世界はゴタついていたから、暗い空気も入り混ざって、行く先は混沌としていたのだと思う。
 そんな、21世紀の最初の年にリリースされた楽曲は、ナイーブな空気感が漂うけれど力強く響き、否が応でも昂揚感が漲る。それは、まる

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礎-Ending/BUMP OF CHICKEN(A)

礎-Ending/BUMP OF CHICKEN(A)

 AL『THE LIVING DEAD』の「Ending」。言うまでもないけれど「Opening」とセットの楽曲。どちらも言葉にメロディが付いているので歌であることは間違いない。だけど、気の抜けたようなユルユルとした声と、簡単な単語だけを使った喋り言葉みたいな詩は、小さい子をあやすためにお喋りしているみたい。

 この10年後に産み出される「魔法の料理~君から君へ~」も、おんなじような雰囲気を纏っ

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グイグイ-ラフ・メイカー/BUMP OF CHICKEN(A)

グイグイ-ラフ・メイカー/BUMP OF CHICKEN(A)

 哀愁が漂う空気の中から、勢いよく飛び出す音、オーバー気味なコミカルな表現。まるで、悲劇を無理くりにでも喜劇として塗りつぶそうとして跳ね回っているみたい。

 一緒に収録された表題曲「ダイヤモンド」では彼らの歩みを唄い、コチラでは彼らのスタンスを唄っているように思う。

 というのも、近年の彼ら、特にフロントマンである藤原基央が頻繁に口にしていることの中に、"自分たちの楽曲は、見つけてくれた貴方の

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最硬の4人-ダイヤモンド/BUMP OF CHICKEN(A)

最硬の4人-ダイヤモンド/BUMP OF CHICKEN(A)

 彼らが新たなステージに上がり、初めてリリースした曲は、着飾らない真っ直ぐなモノ。深い所から発せられる声に揺らぎは無く、堂々とした面持ちで響く。辿ってきた自分たちの道程を肯定し、明日を見据えていることが伺える。
 けれども、当時の彼らを考えれば、これから4人がどこまで続いていくのか。一抹の不安があったことは想像に難くない。だからこそ、4つの点が結びつく図形の意味を持ち、最硬の鉱物である「ダイヤモン

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始まりのカーテンコール-グロリアスレボリューション/BUMP OF CHICKEN(A)

始まりのカーテンコール-グロリアスレボリューション/BUMP OF CHICKEN(A)

 26年間。彼らが産み出してきた数多くの楽曲の中で、最もパワフルで荒々しく感じるタイトル(次点で「グングニル」)。

 収録されているALは8編の物語を主軸に構成されており、この楽曲は最後の物語。その間に語られる7編の物語は、何れも少なからず悲しみや悩みを抱えており、悲劇めいた陰が差し込んでいた。

 そんな物語達を肯定しながらも、結末をひっくり返して、すべからくグッドなエンドへと導くために。呪縛

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