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2022年2月の記事一覧
わたしの頭の上のグジャグジャについて
なんだかもやもやとして、気の晴れない日が続いた。確かに天気の良くない日も続いたけれど、たぶん原因はそれだけじゃない。とにかく、それ以上に気分が晴れない。鬱々として、いつもため息ばかり。そうすると、何もかもが上手くいかない。仕事は失敗ばかり、上司には叱責され、同僚には呆れられる。友人関係も上手くいかない。ちょっとしたすれ違いで喧嘩になって、結局疎遠になってしまう。それでまた気分が落ち込み、悪循環。
もっとみる君を傷つけるのは誰?
「全部君のためだったんだ」と、男は言った。「君を傷つけるもの全て消してしまいたかったんだ」
女は呆然と立ち尽くしていた。ふたりの周りにはなにも無かった。いかなる景色も、空間も無かった。一切のものが存在しなかった。無いということすらも存在しなかった。茫漠とした空間、空間ですらない。その空間でない空間が見渡す限り続いている。
「あんたは狂ってるわ」女は言った。
「そうかもしれない」男は言った。
「な
こなごなに砕け散ったぼくを
ぼくは粉々に砕け散った。完全に粉々、ぼくのどんな部分も、それがそれとわかるような形を留めなかった。
ぼくの破片はいたるところの散らばった。自分で言うのもなんだけれど、かなり大規模で派手な破砕だったのだ。大爆発と言ってもいい。これほどの規模の爆発ができる人間はそうはいないだろう。自分で言うのもなんだけど。それに、それはまごうことなき爆発であり、その結果として、ぼくは粉々に砕け散ってしまったのだ。
透明よりももっと透明
わたしは彼女が嫌いだった。
あのころのわたしと彼女を知る人がこれを聞いたら、意外に思うかもしれない。なにしろ、わたしと彼女は四六時中一緒にいたからだ。まるでお互いがお互いの影みたいに、わたしと彼女はいつだって一緒だった。
事実だけを考えれば、学生生活のほぼすべてを、わたしと彼女は一緒に過ごしたのだ。食事をするのも、登下校も、いつもふたり一緒だった。どちらが言い出すわけでもなく合流し、一緒に行