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(会期終了)とうきょうげんだいまとめ A01~06

とっくに会期終了(2023.7/7~7/9)しているが、せっかく金を払って遠出したので概要についてまとめとこう!と思った

あんまり書いてる人もいないのでまあ行かなかった人向けである


「東京現代」とかいう怪しい日本語の正体

極度乾燥的な波動を感じるワードだが、公式によるとこんな感じのイベント(フェア)の名前である

30年ぶりに東京エリアで誕生した国際アートフェア Tokyo Gendai の第一回目は、2023年7月7日 – 9日、パシフィコ横浜にて開催されました。

世界各地から、国際的に評価の高い73の現代アートギャラリーを紹介しました。

Toyko Gendai は現代アートの売買をはじめ、トークプログラムやイベントなど充実したラインナップを通じて、カルチャーやインスピレーションの交流が広がるプラットフォームの確立を目指します。

https://tokyogendai.com/ja/

いろいろ書いてあるが、要は「現代美術品の展示販売会」
「出版社しか出てないコミケ」みたいなもんだろう

そんなんデパートの上の方でよくやってんじゃん、という突っ込みは当然あるが「世界各地から、国際的に評価の高い73の現代アートギャラリーを紹介」なのが肝っぽい(主催者的には)

まあ確かに世界各国の同人作家が一堂に介した「東京同人」とかあったら「おっ」と思うおっさんもいるとは思う

保税地域での開催

詳しくないのでよくわからんのだけど、今回のこの催しが画期的なのは

日本で初めて保税資格を取得した世界水準のアートフェア「Tokyo Gendai」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000103225.html

ということらしい
日本では美術品に関税は(見た限り)掛からないが

輸入したら消費税が掛かる
なので、何も考えないと高額の美術品をもってきただけで10%の税金が輸入時に発生する

が、そんなアホな話はないので、税関と話を通すと「国内なんだけどまだ輸入してない扱い」の地域というのを設定でき、それを保税地域と呼ぶらしい

今回は(いろいろ法改正があって)初めてその保税地域内で開催されるアートフェアである、という点が画期的らしいっすよ

だとすると横浜でやるのもわからんではない

4000円の壁

ろくにしらべもせずにパシフィコ横浜に行ったが、(※会期終了&メジャーな会場なので道中の紹介はなし)あちこちにQRコードのボードもった兄ちゃんたちが立っていた

何なんだろうと思ったらこれが当日入場券の購入サイトへのリンクで、この東京現代は入場料で4000円とられるイベントだった

アートフェアとか行ったことないので、もしかすると「激安」な値付けの可能性もあるが、正直この瞬間は帰る側に傾いた

まあでもそのうち公開されるハヤオの新作見て文句言ってメシくったらどうせ4000円飛ぶと思ったら憎しみは消えたので素直に払った
※とか思ってたが記事を書いている時点でみてないしその動機もない

当日の観覧方針と以下の紹介について

めちゃくちゃ広かったので早々に以下の方針に
なお、それでも3時間くらいは会場をうろついた

  • どうせじっくりみてもわかんないので、あきらめる

  • 全体を眺める

という感じである
ありがたいことに公式も総括を(ありていに言うと「○×でいくらうれました~」的な報告だが)出してくれてるので、そこで触れられている件があれば絡めて、あとは個人的になんか知っていた、みたいな作品があったりしたらそれについても触れたい

以下、文中敬称略

マップ

こんな感じ

超こまかいので見たい人は拡大

機能面のメモを入れると以下

なお、TSUTAYAと車(レンジローバー)には特に機能はなく宣伝

マップの色は?

公式によると以下
業界構造の図式として参考になる

  • 白:Galleries
    ギャラリーを代表する作家による、クオリティの高い展示

  • 青:Hana ‘Flower’
    新人または中堅のアーティストの作品を展示

  • 緑:Eda ‘Branch’
    著名な、または歴史的に重要なアーティスト、もしくはテーマに基づいて構成された展示

  • 黄:Tane ‘Seed’
    デジタルメディアを中心とした展示
    (NFT 、アニメーション、映画、AR、VR等)

で、公式にはここまでしかない(と思う)んだけど、もういっこ女性作家専用の場所が会場にはあって(マップでは「さけ」の右横)それが

TSUBOMIってのがちょっと・・・

ツイッターでも言ってる人がいたが、アレだ
女!若手!=つぼみ みたいな脊髄反射を感じる

なんか前置きだけでおわりそうなんで巻きで

入口の光景

例のマップ、スポンサー一覧

すぽんさー

そして大平龍一のインスタレーション
写真忘れたので先達のツイッターへのリンクで(右下の写真)
こどもがわらわらしていた

A01:Polígrafa Obra Gráfica

Barcelona

右の作品は DABSMYLA Double Dream, 2022 のはず

以下、GPT4君によるまとめ(200字以内というレギュレーション)

Polígrafa Obra Gráficaは、1964年に設立され、300以上の著名なアーティストとのエディションを発行してきたアートギャラリーです。バルセロナにワークショップを持ち、エッチング、リトグラフ、木版画などの伝統的な印刷技術を用いています。アーティストは作品の制作のために一定期間バルセロナに滞在し、その作品は世界中の主要なアートフェアで展示されます。また、スペインのアーティストの海外でのプロモーションにも注力しています。

引用元: Polígrafa Obra Gráfica

なのでかなりの老舗っぽい
以下の面子が参加していたそうだ

Tokyo Gendai 2023
Polígrafa was present at Tokyo Gendai in Tokyo 2023, showing pieces by Leiko Ikemura, DABSMYLA, Christo, Atsushi Kaga, Yuko Murata, Liliana Porter, Nelson Leirner, Jaume Plensa and Jorge Macchi.

http://www.poligrafa.net/artfairs.php

A02:Johyun Gallery

Busan

画面左奥の作品は 이 배 Lee Bae によるもの
右手の作品は 박서보 Park Seo Bo によるもの

Johyun Galleryは1989年に設立され、韓国のアートの現在と未来を、グローバルな現代アートの批判的・歴史的な枠組みの中で定義することを目指す著名な展示プログラムを提供しています。ギャラリーは年間10回の展示を行い、そのうち2回は釜山の別々の場所で開催されます。2022年には、主要な場所が大幅に拡張され、展示スペースが400平方メートル以上に増え、東海の壮大な景色を最大限に活用することができるようになりました。

引用元: Johyun Gallery

公式で情報みつけられんかったのでアートバーゼル

なんで釜山なんだろうという気持ちもあるが、アートバーゼルの紹介によるとここはすげえギャラリーだ

「韓国のアートの現在と未来を、グローバルな現代アートの批判的・歴史的な枠組みの中で定義することを目指す」とGPT君がまとめているが展示作品を見ると確かにそういう意図を感じられる

なんで釜山なんだろうともおもったが(2度目)、確かに土地はありそう
(いや、盆地のソウルが狭すぎるだけじゃね感もあるが
あとそもそも国内市場全無視で戦うなら別にソウルだろうが東京だろうが関係ねぇというのも正しい気がする

この手の国内市場壊滅系産業は韓国めちゃつよブースト傾向ある

A03:Each Modern

Taipei

正面左 曾建穎 Tseng ChienYing 
左端 ユアサ エボシ 
右の壁面 趙剛 Zhao Gang
あとこの写真には入ってないが鈴木展 Hiraku Suzukiの作品もあったと公式にある

Each Modernは、旅欧アーティストの李元佳、日本の「挑発」代表の写真家中平卓馬と森山大道、日本の女性写真家石内都、旅米写真リアリズムアーティスト陳昭宏、台湾の戦後の写真家鄧南光などの作品を展示しています。これらのマスターの生命の脈絡を再構築し、彼らの現代市場での位置を強調しています。同時に、台湾の重要な現代アーティスト侯俊明、旅巴西アーティスト林亦軒、台湾の若手アーティスト張碩尹、曾建穎、吳美琪、中国の現代アーティスト趙剛、許炯、徐渠、日本のもの派の大師菅木志雄などの作品も展示しています。

引用元: Each Modern

テクニカルターム「もの派」が「物派」になったのでそこだけ執筆者が修正
ほかもちょくちょく怪しい表現あるが・・・

バルセロナ、釜山、台北といい感じのバランスの出だし3つだな!と思う
ちゃんとアジアに目を配ってますぜ感がある
韓国に比べるとそこまでとがってないが安定感ある

そしていきなり台北からのユアサエボシ!
人気だな!おい!って感じだ

曾建穎、仏画的っていうか京劇の隈どりっていうか、なんかわかんないんだけど東洋的な力強さを感じる人物画が迫力ある

A04:Josh Lilley

London

いずれも Spencer Lewis の作品
ここはこの人の新作5点だけで勝負していた かっけええええ

ギャラリーについては以下

Josh Lilleyは2009年にロンドンのFitzroviaで開設されました。2020年には、90回の展示会を経て、ギャラリーは隣接する施設に拡大し、展示スペース、ビューイングルーム、ストリートファサードを倍増しました。2022-23年のプログラムでは、Iman Raad、Rachel Maclean、Spencer Lewis、Alteronce Gumbyといったアーティストたちがロンドンのソロギャラリーデビューを飾ります。

引用元: Josh Lilley

例によってアートバーゼルの資料である

Spencer Lewisの新作5点だけ出しているわけだが、それについて公式のまとめ(代打GPT3.5君)

東京現代2023でスペンサー・ルイスの新作大型絵画5点が発表される。2メートル以上の高さで、密集した表現主義の探求と形式的な実践の証を持つ。マークの層が視聴者を引きつけ、隠された形を暗示する。鉛筆が厚塗りの絵の具の層に取り付けられており、可動性がある。ルイスの視覚的スタイルと概念的な探求により、中世紀抽象のカノンに敬意を表しつつも挑戦し、新たな生命を与える。スペンサー・ルイスは、ロードアイランドデザインスクールでBFAを取得し、カリフォルニア大学ロサンゼルス校でMFAを取得。最近の展示には、ジョシュ・リリー・ロンドンやヴィト・シュナーベル・ギャラリーでの個展がある。

https://joshlilleygallery.com/fairs/tokyo-gendai-2023

なるべく個別の作品の写真はとらんようにしてたんだけど、このルイスの絵はなんかよかったのか写真とっていた
(確かにすげえよく見える

なんで斜めってるかというと質感を見せたかったらしい
キャプションはこちら

A05:タカイシイ・ギャラリー

Tokyo, Hong Kong

来たーーーー! 俺たちのタカイシイ!!!
(まあ、1回しか行ったことないけどいちおう同胞だし

立体造形物は Leonor Antunes の作品
右壁面は忘れてしまった・・・ が、人影のあたりのは 山田康平 の作品だったはず

0723追記:
右壁面忘れたと書いてたが先達がツイートしてたので判明!
これっす! これ

またアートバーゼルのであれだがまとめは以下

Taka Ishii Galleryは1994年に開設され、日本国内で国際的な現代アーティストを紹介し、新進の日本人アーティストや現代のマスターたちにとっての国際的なプラットフォームとして機能することを目指して、展示プログラムを維持・発展させてきました。ギャラリーの美学は写真に根ざしていますが、プログラムは現代的で、代表されるアーティストたちはさまざまなメディアで作品を制作しています。

引用元: Taka Ishii Gallery

この序列・・・ 日本現代美術界でいちばん偉いのはやっぱりタカイシイなだぜ!という気もする
入口の真横だし、向いはSCAI THE BATHHOUSEだ

そもそもこの、入口近く(赤丸内)が一番序列的に高いんじゃね?説ある

などがある
いちおう ANOMALYTomio Koyama Galleryもギリ円内だ
(ペロタンとかは壁サーなのでより上位説

ここに入ってるギャラリーがごいすーな可能性高い

ちなみに展示風景は上の写真の通りだが、A01~04を通り過ぎたあとにみるといまいちパワーがなかった

A06:Almine Rech

Paris, Brussels, London, New York, Shanghai

くっそ さすがに人大杉
左手前壁面の赤いの Vivian Springford Untitled, 1974
正面やや右の壁 Tom Wesselmann Black Bra and Green Shoes, 1981
一番右端で見切れてるの Oliver Beer Resonance Painting (Oceans), 2023

どんだけ店あんねんっていうギャラリー
「アルミーヌ・レッシュ」とGPT3.5君は読んでた(GPT4君は「アルミン・レック」説だったが・・・

※追記:正解は「アルミーヌ・レック」だった模様

※追記ここまで

Almine Rechは1989年にパリのMaraisで最初のギャラリーを開設し、以来、ミニマルアート、知覚芸術、概念芸術を軸にしたプログラムを展開してきました。1995年以降、Almine Rechがギャラリーの唯一のディレクターとして活動しています。ギャラリーはアートが表現の自由の空間であると信じており、その自由を享受し、現代の創造性に貢献する人々と常に接触することが最も好きな仕事です。そのため、新進のアーティストをプログラムに組み込むことがギャラリーの使命となっています。年々、ギャラリーはヨーロッパ、イギリス、アメリカ、アジアに拡大してきました。

引用元: Almine Rech

ちなギャラリストであるアルミーヌ氏はこんな人↓

いかにも現代アート!って感じの押し出しの強い展示
とくにセンターにあったTom Wesselmann
(上の写真はあれなので↓でみて

あとVivian Springfordのも古い作品がなんか琥珀とかそういう石の断面みたいな味わいがある(同上)

総じて戦闘力高いギャラリーだった

A07:思文閣

Kyoto

まあ当然のように「出版社」だと思っていたわけだが

右壁面 Takeshi Honda 本田 健 Walking in the Mountains: March, 1994
正面壁 Jane Lee In You, In Me, 2015
左壁面 これも本田 健だと思うけどおぼえてない

思文閣は日本の文化を商う企業で、日本の美術や文物の粋を伝えることを使命としています。美術品や古典籍の販売、出版事業を通じて、日本の優れた美と英知を共有し、価値あるものを後世に伝えています。また、専門スタッフによる調査・研究を行い、日本美術に触れる機会を増やし、日本で育まれた素晴らしい文化を世界に発信しています。さらに、新鋭作家の創作活動を支援し、日本文化の伝播や伝承を担う人材を育てることにも力を入れています。

引用元: 思文閣

まとめ読むと「ん、なんかほかと違くね?」感あるかもしれないが、ぶっちゃけた話がけっこう浮いてた(個人の感想です)

↑の展示風景に写ってる本田健の作品は一千万から
藝大の先生のでかい絵はふだん600くらいの印象(個人の印象です)なのでちょい高めではあるがやたらでかいし相場なのかもしれない

B編に続く!!!!

Aをぜんぶ消化したところでもう疲れたので分割
続きはB01から(やるきがのこってれば


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