一階にあるペロタンに行ったら、ほかでもちょうど「この日から」な展示が2つあったのでそれを中心に
ついでにこのピラミデビルにあるほかのギャラリーについてもざっと
ぺろたんでみたものは以下っす
以下、文中敬称略
森本啓太 個展 「A Little Closer」@KOTARO NUKAGA
ばりばり開催中!!
日・月休廊のデフォ運営、特に気を付けないでいいのも助かる
行ったらちょうどオープニングで来客がわいわいしており、関係ない自分もサンペレグリノをごちそうになったっす! 感謝!!
▼作家について
「古典的な技術を現代に持ち込み」って、そもそも絵を描くことがそれ(古典的な技術)じゃね?と突っ込んでしまうが、それは置いといてじゃあカメラ・オブスキュラとか使うんかとかバカなこと思ってたら当たらずも遠からずだった(いや、やっぱ遠いかも
会場がにぎわってたのであんまりぱちぱち写真とる気にもなれかんったのであんま画像はない
▼展示風景とか感想とか
エッッッッモ!!!
別にこの作品だけじゃなく、どれもそういう印象ある
なんていうか、ちょっとまえのドット絵(? なんじゃそりゃ)に似た「あったかみのあるドット絵」みたいな感覚
クロノトリガーからグランディアくらいのドット絵
(あったかみは色調の話だから、あんま適当ではないかもしんない
なので自分は、これはレンブラントやエドワード・ホッパーから来てるっていうより、ドット絵文脈のエモさ表現を絵画に持ち込みつつある時代の何かなんじゃないか、と
もちろん遠縁の親戚にはレンブラントもいるんだろうけど、圧倒的に豊井のほうが近所
植物も菌類もどっちも人間と関係するが、しいて言えば菌類の方が人間に近い、程度の話だ(君たちはどうたとえるか
※個人の解釈です
▼ステートメントはなんと言っているのか
↑にあるステートメントから抜粋してみていってみる
冒頭のセグメントは割愛(あんま関係なかった)して2段落目から
正直ここちょっとよくわかんねえんだけど、とりあえず先へ
作家の意図は、自由は何気ない日常を特別なものとする、その自由は奪われることはない、ということを絵によって体現することにあり、つまり逆にいうと、「何気ない日常が自由によって特別になってる」瞬間が描かれている、ということになる(のかもしんない
缶ジュースのんでるとか、冷蔵庫を開いたときとかの絵だから、確かに一貫してそう
つぎのセンテンスでなぜかポエムが始まったのでそこは飛ばした(↑のリンク先で鑑賞してくれ!!
ここは重要なことが書いてあって、「森本の写真を元に構成し描かれた絵画」ってことはつまり写生じゃない
「古典的な技法」の1つはこれなんじゃないか、と思った
この先は態度として「エンパシー」(共感)の作家である、というようなことが書かれてるが、実際どうかは本人にしかわからんのでスルー
で、むすびになるわけだが
いきなり始まる「ブルシット・ジョブ」&社会批評!!
ただアングル的に別に作家の思想、って感じではなく、これを書いてる人の思いだと思うので混乱する
そもそもこの作品は社会問題にエンゲージする意図があるのかどうか、そういうナラティブとの距離感が謎(→なのでこの段落が唐突
ちょうど下のペロタンやってる展示では、「いや、この作家はノンナラティブっす」と宣言してたくらいなので、無理にこういうアングルつくらないでもいいんじゃないかと思うし、それの方が昨今だと勇気ある態度なんじゃないか
アルフレド・ジャー「終³」@SCAI PIRAMIDE
日・月・火・水・祝日 休廊!!!!
やってる日書いてくれた方がはやい!!(木・金・土しかやってない
ぺろたんが1F、いっこ上に書いたKOTAROが2F、でここSCAIは3Fになる
(ちなピラミデビルは4Fまである
ちな「ドアしまってる」&「なか一切見えない」のコンボで、最初まえ通ったときふつうに「休み」判定立ててたが、たまたま中からオープニングパーティ中のおねえさんがバァンと出てきてくれたおかげでやってることに気づいた
とりあえずここもはじまったばっかり! まだぜんぜん間に合う!!
以下、文中敬称略
▼作家について
めちゃめちゃ社会派 現代美術の王道って感じだ
(公式ではおもに今回の展示にまつわる感じの紹介だったので、もっと違うとからの引用
今回は「第11回ヒロシマ賞の受賞記念展」および「写真家 森山大道とのコラボレーション作品」があるってことだすな
広島市現代美術館でも同作家の展示をしており、そっちの文脈とあわせてみるとより理解できるんじゃないか説だが自分はちょっといけない
▼展示風景とか感想とか
って説明されるとそのまんまなんだけど、いきなり見ると原爆ドームであることがわからんかったので、そこがまじかよってポイント
あと原爆の視点というのも、「どっちの立場から描くか」問題を回避したフラットな目線としてありだと思った
(エノラ・ゲイ視点と原爆視点は違う、と解釈してる
で、そのおくに見える赤い光が何かっていうと・・・
で、それを中心に写真暗室を模した部屋全体が森山大道の写真作品とのインスタレーションになってる
で、もう一部屋あって、そっちには《The End of the World》(2023年)という、コンセプチュアルアートそのものみたいな作品もあったんだけど人が多かったためパチパチはしてない
ちなみにこの作品のために地質学者の先生が書いた各鉱物についての分厚い説明書が現場(の、バーカウンターみたいなところ)にあった(ちゃんと日本語)
リサーチ系の作品は作品の中で説明しようとするあまり文字情報爆発して、インスタレーションみてんだかでかくて読みにくい新聞読んでんだかわかんなくなることあるので、こうして分離して意味を伝えようとしてくれるのは助かる!
写真家本人が現像した直後はこんな色で写真みてたんかな、みたいなことを思いながらみた
あ、ペリエごちそうさまでした
(久々に飲んだら激うまだったわ
クリス・ヒュン・シンカン 個展「A Day in the Life」@"柱がいい"オオタファインアーツ
入った瞬間、芳名帳(でいいのか不明)もったおねえさんがダッシュで近づいて記名を求めてくるやる気に満ちたギャラリー
会期とかは以下 ばりばり開催中!!!
ちなみにオオタファインアーツは「7CHOME」というのもあるので注意
▼作家について
▼展示風景とか感想とか
素朴な味わいのある筆致という感じだった
ちょうど都現美でホックニー展をやってるが、似たような問題意識というか、人の注視点が意外と狭い問題を、絵の中で拡張してぜんたいに焦点あたってるような、そんな表現をしたいのかなと思ったりもした
↑の作家の紹介にも「「見る」という行為を通して人はどのように物事を理解するのかに焦点を当ててきました」とあるので、そんなにこの感想は作家の意図から外れてないと思われ
どれも写真の印象よりずっとデカイので、興味わいたら現地でみてもらいたい
以下ステートメントもいちおう転載
あと、ぜんぜん関係ねえ話でアレなんだけど、ギャラリーの中に立ってる柱
こいつがいい味出してる!
ほんと、マジでいい柱なんで見てくれよな!!
リー・マキシー、楊博 「Between」@YKG
二人展!!
あんまりちゃんと見れてないので詳細は割愛
この作品、いいやん!みたいに思ったんだけど、左端のところにサイコロが何個か止められてて、「これなんすか?」みたいなアホみたいなことを聞いてしまったわけだが、いま作家は絵画作品にこういう既製品的なものを組み合わせる試みをしている(うろおぼえ)、というようなことを言われた
サイコロで出目が作品名にも書いてあるということは、何かしら日常での偶然性とかそういうことを含意しているんではないかという気もするが、勘違いの可能性はある
(会期終了)片山博文 個展「羊をつくる」@TARO NASU
これ! すげえよかった(個人の感想です)ので、終わってから書いてんのがくやまれる・・・
ちな↑の公式読まないで展示風景の写真から見てもらった方がおもろいので、いったん↑はスルー推奨
▼展示風景とか感想とか
ちなみに自分も前情報いっさい見ないで行った
入るとこんな感じで
手前に「本のページかな?」みたいなものがならび、正面奥は木の写真っぽい
この時点で「はは~ん、これは写真展やな」みたいに思っている
で、本のページには何が書いてあるん?と思ってみたのがこれ
あんまりみえないかもしれないが、じっさいよく見ても何が書いてあるのか判読不能
ここですぐ意見を修正した
「版画やん」
版をずらして印刷とかしたらこんな感じになりそうだから、きっとテーマは情報の複写におけるエラーの発生、そしてそれが進化の源になっていることへつなげるって感じやろ!などと妄想
そんで次は木の方に行ってみる
よるとこんな感じで、別に「ふつうの木の写真やん」になる
おまえ5秒前は「版画」いうてたろ、って感じだが、メディウムを固定化しないことは現代の作家にとって必須の条件、などと言い訳はできる
まあ、写真もプリントの時にエラーが起きないともいえないし、あるいは(版画=印刷も含めて)大量複製の中におけるエラーにより個性の発生、とかのテーマだったのかもしんない、などと思いなおし、ひいてはそっから大量消費社会と資本主義体制による個の抹殺という社会批評へつなげて〆や!最後ははやりの本を引用してな!まで方針転換(どっかのステートメントでみた)
で、角を曲がってみると、最後に出てくるのは「羊」
これもまあ、写真っぽい
ちょい時代おくれでヤングにとっては初耳だろうが、羊といえば「クローンの象徴」!そしてディックの「アンドロイドは電気羊~」の暗喩!となるとやっぱりテーマは「(人工的な)複製とエラーと個性の関係性」じゃい!と自信を深める
というところまで行った最後にステートメントのチラシがおいてあって、ここでネタバラシ(いや、最初から展示概要読んどけば最初にわかるんだけど)
そう、今見てきたのは版画でも写真でもなくて、AI生成イメージだったのだ!!
そういえば木の写真の背景とか、羊の毛のおくのほうとか、なんかあやしいモヤり方してたじゃねーかと思うがあとの祭りだ
電気羊はあってた!(いやそういうゲームじゃねえから
このステートメントはそんなに長くないんだけど、ちゃんと「~と語る」と作家の言葉を引き出して載せてるのでそこは大変すばらしい
(お気持ちを忖度しないで、直接聞いてほしい
展示構成も、本→木→羊と誘導して、最後にチラシを置くあたり、楽しませようと考えられてる
(脳死でやったら入口にチラシおきそう・・・
という感じで個人的にめっちゃ楽しめたんだが、もう終わってるという
次は余裕をもっていきたいです(お気持ち)
という感じのピラミデビル
でした
今回まわったとこは以下
(ぺろたんは別記事なんでそっちみて
ちな、ピラミデビルの屋上からは最高の六本木ヒルズ撮れる説
そもそもピラミデビルがかっけえ説もある
下の写真の左下のやつとかなんだよ、BLAME!か