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【読書メモ】日本人の9割が知らない遺伝の真実

お疲れ様!
今日は「日本人の9割が知らない遺伝の真実」について。
現代は、「環境や努力によって、誰にでもチャンスがある!」と信じ込ませるような雰囲気がある。なんでも遺伝だよ…なんてちょっといいにくいよね。
とは言え、私たちは感覚的にある程度遺伝があることを認めてはいる。それを科学的な根拠をもとに解説してくれている本でした。

1一卵性双生児を使った実験


この著者がどのようにして、遺伝の影響を分析したかというと、一卵性双生児と、二卵性双生児を比べる実験をしたの。
一卵性双生児は、遺伝子が全く同じ、いわば天然のクローンみたいな双子。二卵性双生児は、遺伝子が同じではない。この両者の行動の差異を分析して、行動が遺伝によるものなのかどうかみたいなことを実験していたそうです。詳しくは統計学分野なのでスルー笑

その結果、いろいろな形質について、どの程度遺伝によるかがわかってくる。例えば、体重や身長はなんと90%が遺伝。あと性格も50%位、そして学業も50%位。音楽とかスポーツに関してはなんと、80.90%が遺伝によるらしい。他にも、病気とか、問題行動とか、物質依存とか…そんなものも、遺伝で説明できてしまうそうです。
正直、超びっくり!とまではならないけど、自分がなんとなく感覚的に思っていたことが、こうやって科学で裏付けされてるんだーっていうの知っておいてもいいのかなと思う。

2遺伝子検査で何でもわかる未来が来たらどうする?


正直、本書は、どんな形質も遺伝が影響してるっていう、当たり前のことを述べた本だと思うのね。
でも、今のところ、自分にまだ見えていない才能を見つける、みたいな段階では無いのよ。例えば赤ん坊を見て、この子は〇〇の才能があるとか、生まれる前からこれから生まれる子にはこんな才能があります、みたいな事はわからないわけ。
今わかるのは、例えばIQがすごく高い子供がいたとして、その影響が親からの遺伝の可能性もあるだろうねぇ位の話。結果論言われてもなぁ…とも思っちゃうんだよね。

問題は、これからの医学科学の進歩によって、人間の才能とか形質が、生まれる前とかまだ幼い頃にわかる未来が来るかもしれない、その時どうする?ということ。
もちろん、自分の才能が初めから分かってるなんて、なんて効率が良いんだろうとは思う。そこに対してがんばってればいいんだしね。
でも、それって本当に幸せだろうか…と思っちゃった。
仮に、「まるにはすごくオペラの才能がある」(あるわけないが笑)と赤ちゃんのときに検査結果がでたとする。
それで、親が必死にオペラを私に勉強させたとして、でも私はオペラがあまり好きじゃなかったとする。
本当は、作家になりたいのに、作家の才能は遺伝子検査で全くないということがわかっていて、親がそれをやらせてくれない。こんな状況だとしたら、本当に幸せだろうか?
もし遺伝子検査がなかったら、才能がないながらも作家になろうと頑張って、才能がないと気付いて別の仕事に転向したかもしれない。そうやって、あーでもないこーでもないって回り道することが人生なんじゃないか、なんて思ったり。

この遺伝子検査が、自分の才能に気づく手段だ!みたいな感じで広まって、それがさらに世の中をどんどん効率化する方向に進んでいったら…と思うとちょっと怖くなりました。悪用厳禁!
もちろん、自分の才能とか能力をできるだけ正確に把握するって大切なことなんだけど、才能とか能力に関係なく、自分がやりたいって思うこととか、好きだなぁって思うこととか、そういうものに時間をかけられるって幸せだよね。
自分には教師が向いているんだろうか?なんてまた悩み始めちゃったけど、もはや向いてなくてもいっかなって(笑)
とは言え、人生は短い。自分の親とか自分のおじいちゃんおばあちゃんとかの人生を見て、自分が好きで、遺伝的に向いてることってなんだろうって考えるのももちろん大切だと思う!

まとまりないですがーではでは!まる

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