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東京マラソン2023 : スタートラインまで

コロナで中止になった東京マラソン2020。
当時の出場権が、東京マラソン2023の機会をもたらしてくれた。
走ることを辞めた時期を経て、より走ることを楽しめるようになるまで。

身体づくり

今の状態に見合った、負荷が掛かり過ぎないトレーニングをする
コントロールできる範囲で、少しずつ練習計画のスパンを長くする
想定外の出来事が多くなったら、目標を修正し、今やることに集中し直す

22年当初:東京マラソンまであと1年 

走る機会がうまく作れず、結果、身体も重く、お腹もぶよぶよしているような状態が、もう1年以上。長かった。何とかしたい、このままでは良くないと思いながら、走りたいけど走れない、という時期がだいぶ続いていた。
コロナ前に当選し、参加権利を確保していた東京マラソンがあったことは、本当に幸運だった。
走る機会=目標がある、というのは、きっかけとしてとても大切。半年くらいに一回、しっかりとした「ハレの舞台」を設定する方が、自分は本当に大切なことを劣後させずに済みそう。
また走り出せるようになったのは、少しだけ変えたことが良かったと思う。「少しだけ」とは、5分間歩くこと。毎日それだけだけど、やったら、しっかり感謝する。「ちゃんと今日も運動した。嬉しい。」あと、無理をしないこと。週に一回くらい5km弱を走る。これくらいで良い。これを確か、3ヶ月位続けた気がする。アイドリング期間が必要だった。

4月~10月:トレーニング再始動

仕事の役割が変わるタイミングで、また走り出すことを自分に約束した。人生二度目の海外事業担当になり、出張をものともしないよう身体を鍛えたいという目的ができた。加えて、この頃から「メンタルで何とかする」ということを極力辞めたいという価値観が強くなっていた。やる気なんていらない。好きなら、やり続けられる。この感覚が大切。このあたりの心境は、別のnoteに書いたのでそちらで。

とはいえ、それまで歩いていただけから、すぐに走り出さない。
4月にダニエルズのトレーニングをはじめた。走る感覚を失っていたので、自分で考えるよりも、基本に忠実であろうとしてた。当時、週間走行距離は曖昧にしていたが、初心者用のプログラムで、週2回のQセッション(高強度トレーニング)は続けた。トレーニングのVDOTも無理にあげず、当時Garminが教えてくれた数値に従った。
このQセッションが、おそらく自分のレベルに合っており、肩透かしを食らうほど、簡単で、負荷の低いと感じられるものだった。でも、4月、5月は月間50Km程度でしかなかったが、6月は月間120kmまで伸びた。2ヶ月間の地味なQセッションの継続が、脚を強くしてくれていた。負荷が適切で、故障も、心理的なネガティブさ(辛いな、走りたくないな)もまったくなかった。結果、無理なく走る頻度が増えていった。6月の自然な120㎞走破を経て、「今後も月間100kmを維持しよてみよう」と素直に自分と約束ができた。

いきなり初めから、「もう一度走るぞ!月間走行距離100kmに戻そう!」とするのではなく、「今」自分ができることに集中するようにしたのが良かった。
当時はまだ、どの程度走れる体力があるかはわからないから、まずは、ダニエルの練習スケジュールに従う。(初心者スケジュールでは、「リターンランナー」用のプログラムがあった。リターンランナーとは、走るのを辞めて、また戻ってくる人用。)
そして、今日走った脚の調子や気持ちを振り返って、強度を確認する。そして、明日走るか決める。さらに、1週間程度先まで自分の走力・体力が見えるようになってから、来週のことを考える。それが更に伸びたら、やっと月間計画を立てる、というような流れ。この手順が自分にはとても重要。様子が見通せる期間を見極めながら、徐々に計画する期間を伸ばしていく。自分が見通せる期間内でのみ、自分との約束をつくる。そうすると何も無理する必要がなくなる。

海外出張も多く走る環境や時間確保は苦労したが、ここでひねり出したのが「Youtuberに挑戦してみよう」という新しい企み。「出張中だからこそ走る時間を捻出しよう!」とする意識が高まり、続けられることができた。

11月~2月 目標見直し・骨折

3月5日に東京マラソンが迫る中、11月、12月に長い海外出張が続き、特にインターバル走ができず、走力が上げきれないな、と感じていた。もともとは、なんとなくサブ3.5を目指していたので、過去の自分だと、無理やりなんとかしようと高強度の練習詰め込んだり、走る距離を無理やり増やそうとしていたが、そのとき狙えるタイムを目標にした。(厳密には、そのときのVo2MAXでの推定タイム3:45を目標タイムにした。つまり、今の練習をしっかり続けることを約束し、意図的に強度を変更しないことにした。
ただ、走る時間を確保することはできてきていたので、1月は距離を伸ばし、週64kmにしてみた。これはこれで、十分に継続性を持って取り組めていたが、高尾山で高負荷トレーニングを足したのが良くなかった。転倒し、手首を骨折してしまった。原因は、①自分の未知な状態で、②余計な負荷をかけたから。分解すると、①「月間300キロ近くになっており、自分でも過去体験したことないくらいの身体の状態で、知らずのうちに身体のキレが悪かったこと。」、②「高尾陣馬ピストンで、4:30を切るというタイムを狙ったこと。」。幸い、1週間の安静で走っていいとお医者さんに言っていただいた事なきを得たが、下手したら東京マラソンは出られないどころか、大怪我をするところだった。自分が想定できない状態にいる時は、自覚的にその状態では慎重になったほうが良い。
走れている身体が嬉しく、意図しないチャレンジをしてしまったが、走っている目的は楽しむこと、なので、無茶はしないようにしたい。


より良くマラソンを走るために

脚への衝撃を和らげるために、良いフォームを習得し、テーピングとインソールでそのフォームを補助する

前置き

手首を骨折した期間に、やることがなくYoutubeで筋力トレーニング方法を探した。過去お世話になったトレーナーに「お尻を使う」ことを指導してもらったので、そのテーマでいくつか見漁っていたところ、さらに「地面を押す」「裏腿を使う」「骨盤を適切に保つ」など、どんどん気になる観点が出てきた。
さらに、手首骨折を見ていただいていた先生に、黒爪になることを相談してみたら、「横アーチをつくりなさい」と言われ、「インソール」まで気になりだした。ただし、インソールを変更するのは、走り方が変わって、意図しない影響が出ることが怖いので、すぐには変えないようにした。

いくつかのYoutubeや、整形の先生の話を踏まえ、今回は脚への衝撃をどれだけ和らげられるかに、焦点を当てて走ってみようという考えに至った。

良いフォーム

フォームは、平地、坂道で異なる。自分がわかりやすかったのは、「大人のRUNトレちゃんねる」さんで、いくつもの動画を見漁った

  • 全体

    • もも裏・お尻の筋肉を使う

    • 地面を押して、反発をもらう

    • 肩甲骨を寄せる(背筋も伸びる)

  • 坂道(東京マラソンは、最初6kmが下り坂)

    • 下り坂:身体を前傾し、地面と垂直に。感覚は重心を後ろにしながらも、前傾はキープ。膝を曲げすぎない。

    • 登り坂:骨盤を前傾し、地面を押し込む。

インソール・テーピング

インソールは、「Formthotics」。だいぶすり減りつつあるけど、東京マラソンまではこちらを使用する。直前でインソールを変えると、今までの体のバランスが崩れそうで怖い。

加えて、整形の先生に言われた横アーチ対策。
ダイソーで買ったジェルパッドを試して24Km Eランしてみたら、いい感じに脚前部の衝撃をうまく和らげてくれた感じがあったので、これは使ってみることにした。
→ 足の甲・親指の付け根に痛みが出始めたので、利用中止。やっぱり直前に、身体に影響が出る要因をバタバタと変更するのは良くなかった。

ジェルパッド(つま先ポイント用)

テーピングは、Epaceランニングで特に疲れが溜まりがちな足首、膝に貼ることにした。あと、心配なふくらはぎの攣り防止。張り方は、以下のYouTubeを参考にした。


ウエア・装備

インナー、Tシャツ、ネックウォーマー、カーフ、アームカバー、ランニングパンツ、パンツ、ソックス、シューズ、ランニングベルト
マラソンの装備は、走ることのみに集中できるようにすることが大切。

インナー

ミレー ドライナミックメッシュ 
汗冷えを防ぎ、体力の消耗を避けられる。トレランで使って以来、手放せなくなった。冷えない身体の「持ち」は体感できるほどの違いがある。

Tシャツ

デザインが好きなので、東京マラソン2020(中止)のときに配布されたTシャツにする。生地が厚めで汗がたまるのが心配だが、インナーがあるので大丈夫かと判断している。

ネックウォーマー

Missionのネックウォーマー。薄くて、動かしやすい。顔に覆い被せても、生地を透けて外の景色が見える点も、着装の位置を直すときのメリット。暑くなってきたら、帽子と変えて髪を束ねるのもいい。(天気が曇りのため、帽子はなしに。)

ランニングタイツ

Asicsのミドルを着用。アウトレットでなんとはなく手にしたAsicsロングタイツ。LSDで使ってみたら、あまりにも脚の負担を軽減してくれることに感動した。今回マラソンでも、レース仕様を着用する。ロングでの出場も検討したが、サブ4以上だと後半ストレスになる記述が多かった。今回は、ミドルで出ることにした。

カーフ・アームカバー

C3fitを利用。ふくらはぎの血流を良くしたい。防寒にもなるかな。

パンツ

ノースフェイスのエンデュリスレーシングショーツ(メンズ)ポケットが多く、適度な引き締めで落ちる心配もない。

ランニングベルト

Ultimate Direction UTILITY BELT スタート時に活躍するウインドブレーカーとレインパンツ、レース中必携ルールとなっているスマホを持ち運びを考えると、パンツのポケットだけでは足らない。なので、いつもつかっているランニングベルトも付けて走ることに。いつも使っているので、何をどれだけ入れられるかの強度も、入れるときの手の動きも慣れていて安心。走っているときに、余計な心配はしたくないので。

シューズ

練習に使っている「Gel Kayano28」で出ようかと思っていたが、さっそうと街を走る感覚を味わいたく「Magic SPEED 2」をチョイス。EKIDEN カラーをGETできて嬉しい。


レース(前・中・後)の段取り確認

当日のストレスを減らし、走ることに集中するために、段取りは重要。
装備は必ず事前にすべて着用し、想定外がないかを確認する。スタート地点の確認、参加ガイドを熟読し、レースペースと補給食計画など、入念にシミュレーションする。

装備の確認

レース前週、同じくらいの時間帯に、防寒シートを羽織ってみた。脚がめっちゃ寒い。これじゃだめだ。ということで、レインパンツも履くことに。
補給食などもすべて携行して走ってみるが特に問題はなさそう。レインパンツの大きさをしっかり確認しておけば、パンツとランニングベルトの収容力で携行品一式は何とかなりそう。
さらに、防寒シートはスタート前に畳むと嵩張るので、昔仲間にもらったパタゴニアのフーディニにすることにした。落とさないようにしないと。

現地確認

ちょうど新宿に用事があったので、家族とスタート前のGATEと荷物預け位置、仮設トイレを確認。一度場所を確認しておくと、いちいち迷わなくて、余計なストレスにならなくて安心。スタート待機場所はある程度広い場所で、日が差さないと吹き曝しで寒そう。

補給食

ベースは、7KmごとにMag-on(糖質・マグネシウム=足攣り帽子・元気=カフェイン)を補給。味が好き。加えて、節目にVESPA HYPER(覚醒)を投下する。これは、スタート前と、21Km、35Kmの3つで。トドメにMEDARIST 9000(最後の粘り:アミノ酸)を28㎞で粉のまま飲み込み、30Km地点の給水所で流し込む。
これらは、Youtubeを参考にしました。”タイミング”・”何を摂るか” 
塩飴のエイドはあるようなので、持参はしない。電解質、塩分はスポドリを中心に取る予定。

レースペース・マインド

最後の最後まで目標タイムを悩んでしまったのが、自分らしい。
仕上がりに手応えがありすぎて、3:45という目標をもっと上げたくなる。「あわよくば自己ベスト(3:36)を超えられるのでは、、、」とすら思ってしまう。でも、これは過去の私の悪い癖。
ただ、レース翌週からまた、海外出張が2週間近くあるので、ここでもしっかりパフォーマンス出したい。当然、過度なダメージ残す訳にはいかない。また、いくら仕上がりが良いとはいえ、距離を踏めているのは数ヶ月でしかない。
あくまでもランニングの目的は、健康な身体を維持することと、走ることそのものを楽しむこと。特に今回はこんな都会のど真ん中を走れるまたとない機会。そうそう。一歩一歩、今に集中して堪能する!!
なので、3:45目標は変えず、さらにGarminのPacePROで地形に応じた無理のないペースを設計し、これに従う。ただし、最後の35Km地点を過ぎたら、”自分の今の身体を最大限味わうため”に、オーバーペースも許容する。40Km以降は最大限走ってみる。これでいく。
35㎞以降、キロ5:00まで上げると、ゴールタイムが目標より2分20秒早まる。35㎞までに予定タイムより3分貯金があれば、トータルで3:40を切るくらいのイメージ。ただ、そこまでに3分の貯金があるということは、蓄積疲労も大きいので、スピード上げるリスクも高いが、ギリギリいけるくらいか。このあたりが、当日の目安。
35㎞で家族みんなが応援してくれている予定なので、ここでさっそうと走っていたい。そして、人混みの中から家族をちゃんと見つけないと。
走行中のことを考えておくと、走り切るための脚の強度は、ペースさえ守れば絶対に大丈夫な自信がある。あり得るトラブルは、糖質や電解質の補給不足で起こる、あの何とも言えない捻られるような脚の苦しさくらい。ただしこれも、補給計画は十分なので、栄養が行き渡れば終わる。走り続ければ、必ず苦しい時間は終わりを迎え、また脚は復活する。この意識を大切にする。

Garmin(腕時計)設定

「PacePro」機能を使うと、目標タイムに加え、コースの起伏に合わせてペースを自動設計してくれる。そこを自分の好みでチューニングして設計完了。コースは検索すると誰かが作成してくれている。

ランニング中に多様な情報をその画面で確認できるGarmin。画面パターンも複数プリセットできる。今回、ラン中にGarminで確認する情報は以下に絞った。

<35㎞までの画面>
二分割:「目標スプリットペース」と「スプリットペース」
この画面の目的は、今の1㎞(スプリット)のペースに集中し切る。余計な情報入れない。後先考えず、今のペースに集中する。

<35㎞からの画面>
三分割:PaceProゲージ (以下画像:画像はGarmin HPより
この画面の目的は、35㎞以降にオーバーペースを許容する際の自分の状態を把握するため、3:45設定でペースを設計しているので、「先行/遅効」の数字を見ればゴール予測タイムがわかる。
先行/遅効で、自分がここまでどれくらいダメージ受けているか、この先、どのくらいのパワーでどこまでのタイムに行けるかを把握できる。(このために、レースペースイメージを頭に叩き込んでおく)
ここを見た上で、最大限のスピードを出して走っていく。(予定)

PaceProゲージ

<念のための画面>
三分割:「経過時間」「距離」「心肺」
この画面は、脚、心肺に不調を感じたときに、原因を掴むために。

荷物

預け入れは必須。預入荷物のサイズがあるので、極力荷物は少なく。
基本的には、楽ちんなシューズ、汗を拭き取るペーパータオル、着替え一式。あとは、回復のための「プロテインドリンク」と「アミノ酸」。

事前受付(Expo2023)

受付は、東京マラソンExpo2023というイベント!東京ビックサイトまで足を運ぶ。
9時半着で受付は10時スタートだったが、すでに長蛇の列。ここでも、スタート前に寒空の下で待機。予行演習。隣に並んでいた男性と談笑。NYからお越しとのことで、ベルリン・マラソン、ロンドン・マラソンに出場済。2020年から走るのを待ちわびていたとのこと。
Sixstar Runnarには、憧れる。ロンドン、ボストン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク、東京のマラソン大会完走者(このnoteのトップ画像は、Expoに掲示されていたメダルたち)。

その後、スムーズにビブスなどをもらい、念のために会場外で内容チェック。出展ブースは特に購入はしなかったが、各種チェックにトライし(ランニングフォーム、足裏形状、指先の血流など)、いくつか物販を見て、楽しい時間。それでも2時間もあれば十分すぎる感じ。次回は、見て回るのは90分もあれば良さそう。補給ジェルは値引きされ、豊富に揃っていた。アマゾンで買えなければ、こちらで間に合うかな。

当日朝

迷わないように、時間を決めておく。

12時間前  :   8時間睡眠を確保(前日21時には寝る)
4時間前 : 5:00 起床 → 白湯を飲んで、少しストレッチ 着替え
               キネシオテープ貼りに以外と時間が掛かる
3時間前 : 6:00 ごはん (ジャンボ蒸しパンと嫁のおにぎり)
1時間半前: 7:30 カステラをさらに食べる
        7:50 受付到着  給水・トイレ
30分前   : 8:30 エナジージェル・ベスパを注入!

着替えのときに、ランニングポッドを特に忘れずに!
音楽聴きながら移動:アマゾンミュージックでプレイリスト作成済!


あとは走るのみ。本当に楽しみです。
もちろん、振り返りもアップします!

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