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「つながるカレー」

加藤文俊(他) 「つながるカレー」 (フィルムアート)

タイトルと帯をみて、ピンときました。

これは面白い本・・・面白い取り組みだと。

カレーキャラバン。

本自体は7年前のものですが、活動は潰えてはいないようです。

地域、人を繋ぐ”場”づくり。

ウチは自宅の一部を住み開いて場とする試みをしていますが、代表的なのはカフェですね。

その他ランドリー+カフェ・・・なんてカタチも多いですね。スゴイ人気。塩尻で自分が参加しているプロジェクト・・・の向かいにもそんな場所が。


ただいずれにせよ、特定の場所が必要になってしまう。

が。

このカレーキャラバン・・・どこかへ出かけて行って、少しだけ地域を巻き込んでカレーをつくってふるまう・・・だと、特定の場所は必要ない。

これがいいですね。場を持たないものでも活動できる。逆に「場がないから・・・」ってエクスキューズは通用しない。身軽。動ける。

小諸・上田・北杜・・・・わが近隣での実績も。

主催者的には各地でやればやるほど、蓄積できるものが大きいことは明白。

なるほどなるほど。

また、カレーってチョイスがまた絶妙なんでしょうね。

誰もが食べたくなる、カレー。

簡単にも複雑にもできる、カレー。

宣伝しなくたって香りが宣伝になる、カレー。

食べに集まってきたみんなで話が盛り上がる。いや、黙ってかきこんじゃう感じもあり得るか。でも”悪い空気”は、ありえなさそう。そんな共通項、カレー。

「みんなで、みんなが美味いものを食べる。」

このコミュニケーション、最強ですよね。

思えば自分にとってもメシ作る・ふるまう・・・は一番の”とっかかり”ではなかったか?むしろ仲良くなりたい人を招いてメシをつくる。それくらいしか自分で出来ることは思いつかなかったなぁ。

・・・。

今”例の騒ぎ”の影響で外食では”黙食”だそうですね。

「黙食」

なんて寂しい言葉でしょう。

いや、自分だって一人で黙って本読みながら食うメシは最高に好きなんですよ?

でもそれは強要されてのものではない。コミュニケーションありき、の食事が大前提ではじめて愉しい。

むしろ食事中の会話は奨励されてしかるべき類のものでしょう。

人間だれしも、食わずに生きてはいけない。

だったらそれを愉しみたい。

そこで生じる共通の話題は一番身近なコミュニケーションツールなわけです。

(”例の騒ぎ”的にもそこで行われる穏やかな免疫交換こそ、最大のカギではないか?もちろん”過度”は、禁物としても。)

それを、禁じられる。ツラい状況です。

そんな今こそ・・・まさに今、は無理でも・・・カレーキャラバンのような活動の意義が見直されます。

一緒にメシを食う、それだけで何が生まれるか?

そうそう、話は逸れますがこんな本だって。

本と食、本に関する食。食に関する本の話、食とヒトと本に関する・・・なんてやってると一冊の面白い本になってしまう。

このエネルギーは、何かいいことをおこすに相応しいと思うワケです。

ダメ、ダメで眠らせてしまうにはもったいないと思うワケです。
(繰り返しますが”過度”は禁物としても。)

適切に、適度に。

活かせないものでしょうかね?

今だからこそ光る、本たちでした。


http://www.coldmountainstudy.com/

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coldmountainstudy  店主:鳥越将路

 

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