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coldmountainstudy~ピックアップ2023.8.

新刊少なめ・・・イコール気になってた過去作多めの8月です。

群ようこはひと月に何冊買う? 毎月の本代は? 着物本からプロレス本まで、膨大な本に囲まれ、猫と暮らす、のほほん読書エッセイ。

本好きの人の読書日記、それだけで面白いですよね。

イタリア往還40年余の著者が描く心揺さぶる傑作エッセイ集。

サルデーニャ島でローマ時代から続く養蜂家一族の知られざる生活を描く表題作をはじめ、夏の本祭りでにぎわう山奥の小村で出会った老婦人の過去に想いを馳せる『壁の中の海』、ミラノの富裕族夫妻の暮らしとその屋敷で見た驚きの光景を描く『迷える庭園美術館』、海を見下ろす国境付近の山中で、孤高の一軒家に住む一家とのふれあいと秘伝の「味」を描く『満月に照らされて』、船上暮らしの中で久しぶりに再会した旧友の半生から、海と陸との関係性を考える『波酔い』、クリスマスを境に大きく変わってしまった老婦人の境遇を描く『寡婦』、ルネサンス時代から続く港町で、ペストの時代の感染との闘いの歴史に想いを巡らす『リヴォルノの幻』ほか全15編。

これまた大定番、内田洋子さんのイタリア・エッセイ。
どうでもいいけどヨーロッパへの航空券、高いですね。いろいろ要因はあるようですが。
今はその時でないのかなぁ。またポルトガル~スペイン、行きたいのだけれど。

 「ああ、これかも!」 

ちいさな組織で「おもしろい」をつづけるために――
今、感じている「危機」をどうのり超えていけばよいのか?
ある出版社の代表がぼろぼろになりながら辿り着いた、「一般論」の向こう側。
5年にわたり書きつづけた自身のテキストを読み返し、会社を運営する喜び、痛み、気づき、反省、実感…を赤裸々に綴る。

いまの時代を生きる、すべてのちいさな責任者へ。

ミシマ社代表・三島邦弘さんの運営日記ですね。これも本屋として面白くないわけがない。

初めまして、ダイスケです。

本書は、私が2022年に歩いたアメリカのロングトレイル:パシフィック・クレスト・トレイル(Pacific Crest Trail(以下、PCT))について書いたものです。PCTとは、アメリカ三大トレイルの一つで、総距離は約4,260kmにわたります。
トレイルはアメリカ西海岸に位置しており、カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州の三州に跨っていますメキシコ国境をスタート地点とし、砂漠や山岳、森林などの厳しい環境を通過し、ゴール地点のカナダ国境まで歩いていきます。

このPCTを、私は150日かけて歩きました。大半が自然の中での生活なので、荷物はテントや寝袋、衣類、食料、水などを詰め込んだバックパックとウエストポーチだけです。

食料は基本的に立ち寄った町で調達します。食料を切らしたら、近くの町で再び食料を調達します。その繰り返しで歩き進みます。水に関しては、山水、川、沢、湖、池などから確保します。基本的に浄水器を使って水を飲みます。
よろしくお願いします。

前項「旅本!」でも取り上げたPCT踏破本。アメリカ3大トレイルはアパラチア以外の情報が少ないので、貴重な旅本です。

「揚げ文学」ここに誕生。
油揚げ愛が溢れすぎる、史上初「油揚げのこと」ばっかりを書いた29編

豆腐を薄く切って油で揚げた「油揚げ」。
いつも冷蔵庫にあって「出しゃばらないのに頼もしい」という存在は理想の男性像のようでもあり。煮てよし、焼いてよし、そのうえ安い! と、いうことなし。ごはんのおかずやつまみにもなる万能ぶり。

日本独特のこの健康食に異常な愛を見せる平松洋子がおくる、史上初の油揚げ本。家族との思い出話、友人の打ち明け話、内田百閒の油揚げ、松山あげ、伊東のお稲荷さん、江戸時代の油揚げ、ミナミのきざみうどん、ショーケンから織田作之助まで。あふれる「揚げ愛」と食欲に満ちた偏愛本の極致、ここに。

油揚げにまつわるエッセイ、旅する油揚げエッセイ、油揚げ対談、日々の料理(お手軽レシピ)など29編(うち26編は書き下ろし)。

自分も油揚げ大好き。地元には上手い豆腐屋があるので油揚げも優秀なのが手に入るのが嬉しい。しかしまぁ、よくもここまで・・・な一冊です。

日常に生起する感慨を描きながら、生命の動的平衡と利他性のつながりを表す。
福岡ハカセの細やかな観察眼と美しい文章を堪能できるエッセイ集。
朝日新聞連載「福岡伸一の動的平衡」待望の書籍化!

「手渡されつつ、手渡す。これは利他性に他ならない。手渡されつつ、一瞬、自らの生命をともし、また他者に手渡す行為、すべての生命はこの流れの中にある。これが動的平衡である」

福岡ハカセの未読のエッセイ集を。例の疫病下、一番ピンときた考え・表現がこの”動的平衡”でした。

食いしん坊が結集! 食べる・飲む・料理にまつわるQ&Aに共感必至!!

南インド料理店「エリックサウス」総料理長、飲食店プロデューサー、大ヒット料理書も多数手がける…!飲食界きってのエンタテイナーがさまざまなお悩みやギモンに答えます。

エッセイを読むように楽しめる、粋な名回答64連発。

〈相談の例〉

冷たい食べ物/じゃがいものベストソリューション/納豆を混ぜない/パスタの具が余る/半熟卵問題/から揚げはご飯に合う?/ラーメンにナルトは要る?/絶対に怒られる蕎麦/毎日の料理が想定内にしかならない/自分の作るご飯が楽しめない/フードサイコパスの婚活/昔の味が恋しい/イナダさんにとって「おいしい」とはなんだと思いますか??…etc

四六時中食べ物のことばかり考えているイナダさんが、どんなお悩みにもブンブン頷き、想像の斜め上行くアンサーをひねり出す!

飲食のプロの鋭い観察眼と、食いしん坊ならではの探究力を余すところなく発揮した、名文&面白エピソード多数。今日から使える画期的なアイデアも満載。

「おいしいものについてあれこれ考える時間は、おいしいものを食べるのに匹敵する、充実したひとときです。」

食べる人・飲む人・作る人、みんながああでもないこうでもないと話し合い、現代の食の楽しみを探し当てる、至高の一冊です。

書店でチラ読みしてあまりの面白さにそのまましばらく読み続け、これは持ってなきゃ・・・と連れて帰った一冊。すべての食いしん坊頷きまくりの名作(?)です。

希望は自分のなかにある

自然の不思議、社会のゆくえ、人生の真実。養老先生が、本をひらいて考えた――

「『本当の自分』など、わかりはしない。それを昔から希望と呼んだのである」。養老先生からいまを生きる人びとへのメッセージが詰まった、究極の読書ガイド。

〈本書に登場する書籍(一部)〉
『完訳 ファーブル昆虫記』ジャン=アンリ・ファーブル、『建築する動物たち』マイク・ハンセル、『理不尽な進化』吉川浩満、『チョウはなぜ飛ぶか』日高敏隆、『奇跡の脳』=ジル・ボルト・テイラー、『リハビリの夜』熊谷晋一郎、『「私」は脳ではない』マルクス・ガブリエル、『文明崩壊』ジャレド・ダイアモンド、『ルポ 貧困大国アメリカ』堤未果、『場所原論』隈研吾、『なめらかな社会とその敵』鈴木健、『渋谷の農家』小倉崇、『父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない』橋本治、『人生があなたを待っている』H・クリングバーグ・ジュニア、『医者、用水路を拓く』中村哲、『天地明察』冲方丁、『道程 オリヴァー・サックス自伝』オリヴァー・サックス、『私のイラストレーション史』南伸坊......


目次
1 「見る目」が変われば世界が変わる 〈自然〉
2 知れば知るほど自由になる 〈科学〉
3 希望は自分のなかにある 〈社会〉
4 人生は一つの作品である 〈人間〉

これも読書ガイドですね。しかも養老先生のは読んだことがなかったはず。パラパラやるとさすがに興味深い本が多い。愉しみです。

「滝沢カレンは谷崎潤一郎だった!」─故きを温ねて、新しきを知れば世界が違って見えてくる。話題作の「ツボ」がわかる痛快エッセイ!

ジツはあまり読んだことがないんですよ。高橋源一郎さん。
対談くらいか?
そういったら是非に、と本屋仲間の強い勧めで。

最後は続けて2冊。

本書で身につく技術は、たとえば――
◎文章技術 ◎企画力 ◎時間・自己管理術 ◎読書術 ◎資料整理術 ◎思考法

読者対象は、書くことに苦手意識を持つ人から、これからなにかを表現してみたい初心者、そして、プロのライターや記者まで。「読者は、あなたに興味がない(謙虚たれ)」という冷厳な現実を見つめるところからスタートし、「いい文章」とはなにかを考え、そういうものが書けるレベルを目指す。文章術の実用書らしく、つかみ(冒頭)の三行、起承転結、常套句が害悪な理由、一人称、文体、リズム、といった必要十分なテクニックを網羅するが、単なる方法論にはとどまらず、なぜそうするのかを、自己や他者の心のありようにフォーカスしながら考える。文学作品から、新聞記事、詩歌、浪曲まで、豊富な例示を取り上げ、具体的に解説していく。

生まれたからには生きてみる。

書くとは、考えること。

書きたく、なる。わたしに〈なる〉ために。

また、同時に、本書は「書くという営為を通じて実存について考える」思想書でもある。読み進めるにしたがい、「私というもの」に向き合わざるを得なくなる。言葉とはなにか? 文章とはなんのためにあるのか? なぜ書くのか? 生きるとは? 思索が深まるほどに、世界の切り取り方が変わり、自分が変わる。

わたしにしか、書けないものは、ある――
・文章は、見えなかったものを見えるようにすること
・文章は、見えていたものを見えなくすること

はじめに
第1章 文章の基本
■第1発:三行で撃つ――書き出しを外すと、次はない。
■第2発:うまい文章――うまくなりたいというけれど。
■第3発:すべる文章――読みやすさはきめ細やかさ。

第2章 禁じ手を知る
■第4発:常套句・「としたもんだ表現」――親のかたきでござります。
■第5発:擬音語・擬態語・流行語――エモいも、ほっこりも、マジ、やばい。
■第6発:起承転結――転を味方につければサバイブできる。
■第7発:共感させる技術――響く文章は、説明しない。

第3章 ライターの心得
■第8発:ライターになる――誰にでもなれるが、なれないのはなぜか。
■第9発:説得する技術――メール上手は幸せな人生を送る。
■第10発:一人称・読者の設定――だれが書くか。だれに書くか。

第4章 書くための四つの道具
■第11発:ライターの道具箱――メンテナンスし、持ち歩く。
■第12発:語彙【道具箱・一段目】――増やすには逆に制限する。
■第13発:文体【道具箱・二段目】――スタイルのない人間は、みじめだ。
■第14発:企画【道具箱・三段目】――なにが、わたしにしか、書けないか。
■第15発:ナラティブ【道具箱・四段目】――有限の物語を無限化する最強の武器。

第5章 読ませるための3感
■第16発:スピード感【3感・其の一】――主語と語尾で走り出す。
■第17発:リズム感【3感・其の二】――静かな文章でも話芸から盗める。
■第18発:グルーヴ感【3感・其の三】――推敲でサウンドチェックする。

第6章 自己管理の技術
■第19発:意見や助言――人の話は、聞いて、聞くな。
■第20発:時間管理・執筆環境――いつ書くか、どこで書くか。
■第21発:書棚整理術――抜き書き帳で脳内を可視化する。

第7章 生まれたからには生きてみる
■第22発:文章、とは――良く生きる、善く生きる、好く生きる。
■第23発:言葉、とは――言葉は道具ではない。
■第24発:書く、とは――わたしは、書かなければならない。
■第25発:痕跡――わたしは書き残す。あなたが読み解く。

おわりに

巷に存在する、あまたの読書法。そのロジックを理解すれば、より深く読める――
◎速読/遅読 ◎批判する/憑依される ◎偏食選書/健康選書 ◎かんたん書物/難解書物 ◎抜き書き/暗唱 他

読書なんて人それぞれ。が、どうせ読むなら本を血肉にし、明日の糧にし、善く生きたい。そうした読者の一助となるノウハウを伝える。目指すのは百冊読書家だ。誰でも買える。誰でも持てる。百冊で耕す。カルティベイトする。ただし注意が必要なのは、「本は百冊読めばいい」ではない、ということだ。自分にとってのカノン(正典)百冊を、自力で選び、深く読み、そして最終的にはその百冊さえも必要なくなるほど、己の一部にする。そのための方法論を11のテーマで解説していく。各テーマは「速読/遅読」など、対立する二律背反で構成されている。速読か、遅読か? ではない。速読も、遅読も。そうした多様な読み方ができれば、本と共に生きていける。一面的ではない、重層的な読書家になる。そのためのコツ、ロジックを一緒に考えていく。

本は百冊あればいい。
この読書法と、筆1本。
それだけで、35年間、書き続けてきた。

また、同時に、本書は「読むという行為について考え抜くことで、新しい己を知る」思想書でもある。読書のご利益とは、結局、何なのか? なぜ、わたしたちは読むのか? 勉強とは? 孤独とは? 愛とは? 幸せとは? 生きるとは? 読むほどに、自分が鍛えられ、豊かになる。その果てに、他者を、世界を愛し、変わった自分を発見する。


わたしにしか、見えない問いが、世界を変える——
読書とは、問いを獲得するための冒険だ。
終着駅ではない。始発駅に立つために、本は読む。

《目次》
はじめに――本は百冊あればいい

第1章 終わりなき論争:速読の技術/遅読の作法
■A面 速読の技術――本を精査するためのスキニング
■B面 遅読の作法――空気を味わうためのテクニック

第2章 本という投資:本を買う/本を借りる
■A面 本を買う――百冊読書家になる
■B面 本を借りる――図書館マスターになる

第3章 読まないくせにというけれど:理想の積ん読/狂気の積ん読
■A面 理想の積ん読――かっこつけると見える景色がある
■B面 狂気の積ん読――愛しすぎると見失う本質がある

第4章 わたしは読めているのか:「分かる」読書/「分からない」読書
■A面 「分かる」読書――〈知る〉と〈分かる〉の違い
■B面 「分からない」読書――分からないとお嘆きのあなたへ

第5章 「論破力」より、深く掘る:批判して読む/憑依されて読む
■A面 批判して読む――ほんとうの「論破力」とは
■B面 憑依されて読む――転生したら作家だった件

第6章 読む本を選ぶということ:わたしが選ぶ/先人が選ぶ
■A面 わたしが選ぶ――はまる贅沢を知る、偏食読書
■B面 先人が選ぶ――「必読リスト」で整う、健康読書

第7章 読書の愉楽:孤独の読書/みんなの読書
■A面 孤独の読書――強さと愛する力を手に入れる
■B面 みんなの読書――ナラティブすれば自分が分かる

第8章 何のために本を読むのか:あわいの娯楽/挑むべき修業
■A面 あわいの娯楽――かんたん読書主義者のすすめ、七カ条
■B面 挑むべき修業――難しい本を読むための訓戒、六カ条

第9章 百冊で耕す:読むことは愛されること/読むことは愛するということ
■A面 読むことは愛されること――もてる読書術
■B面 読むことは愛するということ――不良の読書術

第10章 美しい日本語世界のわたし:母語でじゅうぶん/原書にあたってこそ
■A面 母語でじゅうぶん――日本語訳A、日本語訳B、……日本語訳X
■B面 原書にあたってこそ――英語、第三外国語、そして再び日本語

第11章 Don’t Think Twice:ズレてる方がいい
■A面 抜き書き帳――わたしが、変わる。生きていく
■B面 暗唱カード――百冊の消滅。ひとつに、なる

おわりに――この世界とつながる:はじめにリプライズ
百冊選書
参考・引用文献

普通こういうの読まないんですよ。「~しろ」「~するな」みたいなタイトルはほっとんど読まない。
この2冊も発売時期になってチェックしたことがあるのですがやはり反応しなかった。
それが、「アロハで・・・」シリーズ読んで、そのあとに書店でこの2冊を見てみたら読んでみようかな・・・いや、欲しいな・・・ってなった。
不思議ですね。
タイミングというのもある。
しかし実際近藤さんの本を(まるで違うエッセイですが)読んだことでああ、これは自分に足りないところについて書かれている本かもしれないな、と。
読むのは難しくなさそう。
何度か、読んでみます。

※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。

http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 

coldmountainstudy  店主:鳥越将路


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