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認定医療ソーシャルワーカーが解説するヒューマンエラー減らすたった1つの方法

2024年7月6日更新。
この記事では「ソーシャルワーカーがヒューマンエラーを減らすシステム作り」について解説します。

私は、救命救急センターが設置されている病院で医療ソーシャルワーカー(以下MSW)として働いている社会福祉士7年目です。
社会福祉士取得後、最速で認定医療ソーシャルワーカーと救急認定ソーシャルワーカーを取得しました。

毎月5,000PV以上のソーシャルワーク関連のブログX (フォロワー1,500人以上)などを発信しています。


ヒューマンエラーはシステム理論で解決する

システム理論はソーシャルワークのあらゆる状況に落とし込むことができます。

「人と環境の相互作用」でお馴染みです。

システム理論を活用した実践に馴染みのない方も多いと思うので、下記でわかりやすい例を述べます。

園児を通園バスに置き去りにされ、熱中症で3歳の子どもが亡くなる事件がありました。このような事件は後を絶ちません。

園児がバスに置き去りにされた理由は、職員の確認不足(ヒューマンエラー)です。

人に依存した結果、エラーが起こるのであれば「システム(環境)で解決できないか」を考える必要があります。

この事件はシステム理論を活用すれば簡単に対策ができます。


「ドライバーをしていた園長先生が園児をバスに乗せるときに園児の帽子を回収して、バスから降りるときに帽子を返す。」

帽子が余ったときは車内に園児が残っていることが確定するので、見落としのエラーは無くなります。

たったこれだけのシステムで園児の命を守ることができます。


組織を壊すリーダーをシステム理論で変えていく

組織を壊すのはいつでも古い考えを持って、動かないリーダーです。

組織を構築するのはリーダーの役割ですが、結局その組織を壊すのもまた、リーダーです。

では、そのリーダーをどのように変えていけば良いのでしょうか。


その前にひとつ思い返して欲しいのですが、

みなさんの周りにいる旦那さん、奥さん、恋人、友人、部下、上司、患者さんetc…

周りが不幸になる行動を繰り返す人に対して「こうしてほしい(変わってください)」とお願いして、変わってもらえた経験はありますか?

変わってもらえなかったことのほうが多くないですか?


「人は簡単に変われない」


既に多くのソーシャルワーカーが理解しているはずです。


例に漏れず、リーダーも人です。

誤った判断もするし、考え方も古くなります。

「考えを改めてくださいよ」とリーダーに訴え続けるのは時間の無駄です。


変わろうとしないリーダー本人(人)を責めるのではなく、リーダーに考えを変えようと思わせていないシステム(環境)を責めるべきです。

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