熱くてゆるい筏祭り
一年に一度のニャウンシュエ(インレー)最大の祭り“筏(いかだ)祭り”
今回は、毎年10月に行われるこの祭りの初体験レポートをお届けします。
筏祭りがあった期間は、一体どこからこんなに人が溢れてきたんだってくらいの人たちがニャウンシュエに押し寄せてきたことに、まずビックリ。
私たちのカフェの前でも、いつの間にか野菜を売り始めている村人がいたり、いつもは人気がない通りにも屋台がびっしりと立ち並んでいたり、だだっ広い空き地があったナイトマーケットの敷地内には、移動式遊園地が設置されたりと、町の様子が激変した数日間でした。
筏祭りとは
その名の通り、筏(いかだ)がキーポイントになる祭りです。ニャウンシュエには、インレー湖という大きな湖があり、湖の上に水上住宅や、水上栽培している畑(!)や、大きな寺院があります。その寺院には、金箔が大量に貼り付けられた複数の仏像があります。ミャンマーでは、仏像に金箔を貼って徳を積む習慣があります。(ちなみになぜか男性しか直接金箔を貼ることはできません。。)
そして、筏祭りではその大量の金箔がびっちり貼り付けられた仏像たちを、またしても豪華絢爛な金色の巨大なボートで寺院から運び出し、湖周辺の街を神輿のようなものに乗せて練り歩きます。
↑金箔仏像を運んでいる巨大ボート
↑金箔仏像を乗せる神輿のようなもの
普段寺院に直接行ってお参りしたり、金箔を貼ったりできない人たちのために年に一度このようなイベントがあるそうです。
今年はあのアウンサンスーチーさんもお祭りに駆けつけていて、例年以上に盛り上がりを見せていました。私も初めて生のアウンサンスーチーさんを見ましたが、色白で小顔で、とても70歳を過ぎているとは思えないほどお綺麗でした。
↑白い服を着ているのがアウンサンスーチーさん
ボートレース
インレー湖につながる川で行われる“ボートレース”が祭りのビッグイベントです。
今年は、祭りの最終日に行われたボートレースの決勝戦を見に行くことに。朝の7時からボートに乗り、ボートに揺られて半分寝ながら一時間近くかけて会場へ。
祭りの最終日ということで、金の仏像たちを乗せた巨大なボートが寺院に帰ってくるというイベントからスタート。楽器の生演奏に伝統舞踊、この日のイベントのために大勢のミャンマー人が練習を重ねてきたんだろうな、と思いを馳せているうちにイベントが終了。
ついに、ボートレースが始まる!!
.........と思いきや、何のアナウンスもないまま炎天下にさらされたボートの上で約一時間が経過、、旦那さんに聞くと、
「去年もこんな感じだったよ。This is Myanmar」とのこと。
↑待ちくたびれて寝始める旦那さん
その後に乗る予定だった飛行機の時間も迫っていたし、もう帰ろうかな、、と諦めかけた、そのとき!
どこからか歓声が聞こえてきた!
そして目の前を2つのボートが通り過ぎる!
「.....え、これもしかしてもう始まってる?」
どうやら、何のアナウンスもなくおもむろにボートレース決勝戦が始まっている。それもThis is Myanmarらしい....
一つのボートにはざっと見て、40人近くの男性が乗っていて、大多数がボートを漕ぐ人だけど、ボート内に入り込む水を必死ですくって外に出している役割の人も。多分私がボートレースに出たら間違いなくこの役だな、とかどうでもいいことを考えながら、負けているチームを伝わるわけもない日本語で必死に応援。足でオールを漕ぐチームがたくさんいることに驚き。最後には、番外編で女性チームのレースイベントもあって、老若男女みんなで楽しめるイベントになっていました。
↑女性チームのレース
私から見ると全部同じように見えるボートも、ミャンマー人は当たり前だけど見分けられるようで、自分の応援しているチームが遠くに見えると、悲鳴のような歓声と共に大きな声援を送っていました。普段素朴で、あまり感情を大きく表に出さないというこれまでのミャンマー人の印象が、この祭りで熱い一面を見たことで覆されました。
そんなこんなで、ミャンマーにおける祭りの重要性と、ミャンマー人のゆるくて時に熱い人柄を実感した初めての筏祭りとなったのであります。
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