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睡眠のメカニズムと重要性

こんばんは、
今回は睡眠について書いていきたいと思います。
少し書き方を変えてしまいましたが、
気にせずに読んでもらえればと思います。
僕の個人ブログにもアップしてますので、
そちらもご覧いただければ幸いです。

https://yuto-atc.com

またお問い合わせ欄もありますので、何かありましたらご連絡ください。


睡眠とは、周期的に繰り返す、意識を喪失する生理的な状態のことである.
また、睡眠は身体と脳の両方を休ませる代表的かつ重要な休息状態であり、疲労回復因子である。
そのため、睡眠は疲労回復の置いて、重要な役割をになっている.

睡眠には大きく分けて2種類存在し、睡眠ポリグラフ計測による脳波活動や眼球運動、筋電図から睡眠の種類を測定することができる.
睡眠はレム睡眠(rapid eye movement)とノンレム睡眠(non rapid eye movement)に分けられる.
ノンレム睡眠は主に3段階に分けられ、睡眠が浅いN1 ・N2、深い睡眠であるN3と分けられる.

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Muzur, A., Pace-Schott, E. F., & Hobson, J. A. (2002). The prefrontal cortex in sleep. Trends in cognitive sciences, 6(11), 475-481.

NREM睡眠、特にN3睡眠時には基礎代謝量や心拍数、深部体温の低下などが観測され、身体にとっては重要な休息の睡眠になることが考えられる.
また、徐波睡眠中は脳のグルコース代謝が25-40%低下することが判明している.
Vanらの研究ではREM睡眠が脳の扁桃体で行われる不快記憶や恐怖記憶の処理に大きく関与していることを示唆している.1 
つまり、REM睡眠が正常に行えていなければ、不快記憶などがうまく処理されずにうつ病や不安症のリスクを高めてしまうということである.

次に運動と睡眠の関係性について述べていく.
結論から言うと行うタイミングによって運動は睡眠の好影響と悪影響両方の可能性がある.
まず、午後の運動は睡眠の質を向上させる(徐波睡眠の増加)が、睡眠直前の夜間の運動は睡眠の質を低下させてしまう. 加えて、運動を習慣化させることでの睡眠の質の向上する可能性も示唆されている.

一方で睡眠不足や適切な睡眠が取れていない場合、パフォーマンスに大きく影響を与えると言う内容の研究が数多く存在する.
Skeinらの研究では、睡眠の短縮によって体内のCRP(C反応性タンパク)の濃度が増加したと述べている. このCRPは激しい運動などによって増加する炎症性マーカーであり、疲労回復が遅延する可能性がある. また、睡眠時間の短縮によってパフォーマンス能力も低下するというデータも存在する. 2
ここで言うパフォーマンス能力とは主に認知運動および運動制御機能を示しており、これらの機能低下のよってパフォーマンス能力が低下するということである. 3
反対に睡眠時間を延長することによってパフォーマンス能力が向上したと言うデータもあり、
普段行っている睡眠時間や質の改善は非常に重要になってくると推測される.

ここからは私の考察ではあるが、
睡眠の時間や質を確保することはアスリートだけではなく、一般人でも非常に重要である.
そのためには、
基本的な日常生活を適切に過ごし、睡眠の阻害因子を取り除いていく必要がある.
1. 適切な食生活(肥満はSAS(睡眠時無呼吸症候群)の原因となる)
2. 就寝の直前のアルコール摂取を控える(アルコールは睡眠の質を下げてしまう)
3. 夜間ブルーライトを発する機器の使用を控える
4. ストレスのコントロール(認知行動療法が有効的とされる)
5. 禁煙

参考文献
1.
Van Der Helm, E., Yao, J., Dutt, S., Rao, V., Saletin, J. M., & Walker, M. P. (2011). REM sleep depotentiates amygdala activity to previous emotional experiences. Current Biology, 21(23), 2029-2032.
2.
Skein, M., Duffield, R., Minett, G. M., Snape, A., & Murphy, A. (2013). The effect of overnight sleep deprivation after competitive rugby league matches on postmatch physiological and perceptual recovery. International journal of sports physiology and performance, 8(5), 556-564.
3.
Pilcher, J. J., & Huffcutt, A. I. (1996). Effects of sleep deprivation on performance: a meta-analysis. Sleep, 19(4), 318-326.
4.
平山邦明. 「睡眠」. トレーニングとリカバリーの科学的基礎. 文光堂, 2021, 185-2015.
5.
日本呼吸器学会, 「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)」, https://www.jrs.or.jp/(1/8/2021)

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