かつての詩129「虹」

「虹」

君の想いの大半は僕には届かない
僕の想いの大半も君には届かない
それでも僕らはずっと想いを抱え
同時に僕らはずっともどかしさも抱える

君の願いの大半は神様には伝わらない
僕の願いの大半も神様には伝わらない
それでも僕らはずっと希望を掲げながら
同時に僕らはずっと絶望に怯えている

いつか翼に憧れていた時間はもういらない
僕は走れれば良かった
虹を越えた先に希望があって
虹の裏側には痛みがある
疲れ切った身体じゃ持ち堪えられなくて
眠りにつく頃には遠ざかって行く

人の努力の結果を羨みながら
自分の努力の結果を信じられなくて
それでも諦められずに月を見上げて
現実の温度を測っていた

打ちひしがれた思い出は希望について考えて
今日も眠りにつくだろう
雨上がりの空に虹がなくても
虹を越えた先には青い空だけ
君がそばに居るのに寂しがって
泣き出してしまうのはもう終わりにしよう

あの日、翼に憧れた時間は良い思い出
それを栄養にして花を咲かせよう
だけどその時間はもう僕にはいらないかも
走り出す道さえあれば良い

虹を越えた先に希望があって
ぼんやりと虹を掴もうとして
疲れ切った身体じゃ捉え切れなくて
僕らのこれからもまだまだ続いて行くようだ


Masanao Kata©️ 2008
Anywhere Zero Publication©️ 2022

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