詩131「10と1000」

「10と1000」

十行の詩も千行の詩も
垣間見えるものは必ずあるらしい
それは雑踏の真実よりも深いところで
苦い珈琲が美味いという幻覚を味わうみたいだ

点在する動機を組み合わせれば
地平線に落ちて行く太陽のような
潜在のノスタルジィを味わうのだ

重厚な時も善行な冗談も
相まみえるものは確かにあるらしいが
それは真っ当な嘘よりも酷い新聞記事に
思わず笑ってしまった感覚と似ている
この十行の詩でさえも
あの千行の言葉さえも


Masanao Kata©️ 2022
Anywhere Zero Publication©️ 2022

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