銀色夏生『宵街歩行』

ここでも取り上げた音楽プロデューサー木﨑賢治さんの著書『プロデュースの基本』の中にその名が登場していたので、詩人 銀色夏生の詩集を手に取ってみた。
というのも、木﨑さんがプロデュースした大澤誉志幸「そして僕は途方に暮れる」をはじめ、一時期は作詞家としても活躍されていた銀色夏生。
今なおコンスタントに活動されるが、80~90年代には今なら最果タヒのような一線を牽引するポップな印象が記憶されるけれど、その詩は例えに当てはまらない。
今改めて読んでみても、詩は文学をクドく押し付けることのないスマートな先端っぽさが好くて、この『宵待歩行』(91年)と『すみわたる夜空のような』(05年)は特に気に入っている。
ただ、この方は写真家でもあって写真詩集を出されているが、私的には写真には写真の詩情があり、詩には言葉の詩情がそれぞれあると感じているため(コンクリートポエトリーの北園克衛という存在もあるし、敬愛する田村隆一も写真詩集はやっているけど)、交わらせるべきではないと考える私とは相容れなくて、言葉だけの詩集に限っては今でもすっきりとした潤いが好い。



詩集『宵待歩行』 (角川文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/B00OCF5WSE/ref=cm_sw_r_em_apa_SRE-Fb5GMCHD6

詩集『すみわたる夜空のような』 (角川文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4041673569/ref=cm_sw_r_em_apa_i_wXE-FbX1099TH

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