サキ『サキ短編集』

O・ヘンリーと共に短編小説の名手と名高いサキは、さしずめO・ヘンリーを陽するなら陰と言った対極の存在だろう。
ブラックユーモアに富んだその作風は、ホラー要素有り、ミステリー要素有りと読み応え十分。
取り分け有名な「開かれた窓」は、ホラーでもあり、ミステリーでもあり、短い物語の中で存分に読者を翻弄する。
そして最後にビシッと一言でひっくり返すのだから、「短編小説は作家の技巧を味わうもの」というところを体現させている。
人生そんなに甘くはないよと皮肉を込めて描かれる作品群は、或る意味できちんと人間を観察して来た作者の眼差しの賜物と言えよう。


サキ短編集 (新潮文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4102026010/ref=cm_sw_r_other_apa_i_VRm8EbP87DA10


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