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眠れぬまま明けた夜

都会の中のワンルーム。

いつもよりも早い時間にベッドに入ったのに、そういう日に限って目が冴えて眠れない。眠くなるまで少しスマホを見ていようとすると、負のスパイラルまっしぐら。

ブルーライトにあてられ、余計眠りとは遠ざかってしまう。分かっているのに、ついついスマホに手が伸びてしまう私はきっとスマホ依存症なのだろう。

起きているのか寝ているのかわからない、曖昧な時間を過ごしているといつのまにか太陽が顔を出してきた。

「ああ、またやってしまった……」とベッドの中で悶絶するのだけど、ふと体の力を抜くと窓の外から聞こえる音が空気のように耳に入ってくる。

静寂をきる郵便バイクの「ブロロロロ……ッ」という音。

楽器のギロのような、ざらついたカラスの鳴き声。

もう少ししたら、学校へ行く子供達の声が響くのだろう。

眠れぬまま明けた夜はこれまで何度もあったが、都会だろうが田舎だろうが朝に聞こえる音は同じということを知り、妙に安心感を覚える。

枕元には、大学生の頃から飼っている黒い毛の猫が、私の頭を踏んで空腹の意思表示をしていた。

そろそろ起きなくては……
会社に行ったら昼休憩はお昼寝でもしよう。


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