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保険としてのベッドメイキング 〜暮らしのこと〜

 恥ずかしながら今年に入ってようやく身についた習慣がある。毎朝のベッドメイキングだ。

 独身時代、仕事がめちゃくちゃに立て込んだ一時期、ベッドメイキングにハマったことがある。打合せ開始の30分前に起きてノソノソと出発(意外と間に合う)するような生活だったので、ベッドメイキングなんて悠長なことは言ってられないのだが。「人が整えてくれたベッドで眠りたい!」と時折爆発したようにホテル泊するような日常を脱出するため、朝のバタバタした時間にベッドメイキングの3分をねじ込んだのだ。

 結果、すごくよかった。どんなに疲れて帰ってきても、酔っ払ってなだれ込んでも、誰彼連れ込んでも、そこにはピッとした大きなベッドが待っている。おかえり、と労わってくれてる、そんな感じ。その忙しい時期を、ベッドがケアしてくれたように思う。

 が、そんな忙しい時期が過ぎてしまえばダラダラとした日々に埋没し、いつの間にかまた起きたままのベッドを放置する毎日に戻ってしまった。

 今年に入ってパートナーと私と二人そろって体調不良が続いてしまったこともあり、なんだか欝々とした日が続いた。そのときにふと思い出してやってみたのがベッドメイキングだ。これが効果テキメンだった。

 疲れて帰って来たおうちのひとが、「わ~おふとんがリセットされてる~」と元気になってベッドへなだれ込んでいく。朝会社へ行かずベッドへ逆戻りしたいようなときも、ベッドメイキングされているのを見るとグッと堪えられるようだ。

 日常の家事のことだから、普通にやれている方からしたら『保健』なんだろうけど、我が家では心が弱っているときのため『保険』になっている。

 わざわざ人をつかまえて話すほどでもないけど、この習慣が本当に血肉になっていることを祈って覚書です。



 




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