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"close-knit" チームを目指して ニット型/布帛型組織考

昨年末の投稿で、私はこんなことを書きました。

私の好きな英語表現に "close-knit" があり、「しっかり結びついた」「結束の強い」のような意味です。ここにも「ニット」、つまり編み物としてハンドメイドが比喩として使われています。
今やまるで悪いことのような「密」ですが、21年はもっともっと "close-knit" で「密」な社会や文化を願い、またそのためにminneチームもニットのように緊密でしなやかな組織を目指します。

minneで買ったものと振り返る2020 ~ "close-knit"な2021へ

ここでは、この "close-knit" をもう少しだけ掘り下げて考えます。

不織布などをのぞいて、代表的な生地の種類はニットと布帛(ふはく)に分けられます。それぞれは編物(knit)、織物(woven)とも言い換えられ、下記のような構造になっています。

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出典:The Ultimate Fabric Guide - 2019 - Fabrics by the Yard

布帛型組織にかかる“バイアス”

ニットはよく伸び縮みするイメージあるかと思いますが、一方で布帛はタテ/ヨコ方向の力に強く、多少引っぱられても安定して状態を維持できます。
ただし布帛にとっても苦手はあり、ナナメに引くと伸びきってしまい戻すのが困難。この歪みを生むナナメの力を「バイアス」、また伸びてしまった状態を「バイアスがかかっている」と表現します。

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出典:Bias (textile) - Simple English Wikipedia, the free encyclopedia

最近では「正常性バイアス」など、社会心理学における「認知バイアス」が話題となることも増えたように思います。ここでの「バイアス」は、非合理的な判断を誘発する、個人や集団による「思い込み、偏見」です。

タテ/ヨコの連携に強い布帛型組織も、例えば部署・職種・役職を越えたナナメの連携をおざなりにすると、いつしか偏見や偏ったマインドが自分たちを硬直化し、動きのとれないチームとなってしまいます。

一人ひとりがより重要なニット型組織

一方でニットは柔軟性に富みバイアスもかかりにくいですが、注意点があります。
布帛は無数のタテ糸とヨコ糸が織り込まれているのに対し、ニットは1本の糸がループ状に編まれて組織を形成しています。
つまり、それぞれの「持ち場」を守る、一人ひとりの力がとても重要です。万が一誰かが絡み合うことをサボると、そこからするすると組織は崩壊してしまいます。

思い込みや現状に縛られず成長求める個々人がタテ/ヨコ/ナナメに信頼を絡み合わせることで、ニット型組織の最大の特長、しなやかで力強いレジリエンスが発揮されるのです。

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