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10.【MSI主要コンセプト8-4】日常生活のやり方が極めて重要

このブログは、MSI(Movement System Impairment)について解説することを目的としています。
MSIについては、こちらをご覧ください。
MSIでは、身体の動きがきっかけで生じた痛みの原因を解明し、改善するプロセスを学ぶことができます。


はじめに

今回は、「日常生活のやり方が極めて重要」についてについてご紹介します。
日常生活において繰り返し行われる動き(反復運動)や、長時間とる姿勢(持続的姿勢)は、
運動病理学的モデルにおける、痛みの出現に大きな影響を与えます。

「日常生活のやり方が極めて重要」とは何か?、日々の臨床に活かすにはどうすればいいか?、解説していきたいと思います。

なぜ「日常生活のやり方が極めて重要」なのか?

ヒトは1日にどの程度、反復運動や持続的を行うのでしょうか?

反復運動

歩行を例に考えてみます。
日本人の1日平均歩数は、約6,000歩と報告されています。
これは香港、中国、ウクライナについで4位で、よく歩く国だと言えます。

厚生労働省では健康のために1日8,000歩を推奨している

持続的姿勢

こちらは座っている時間を例に考えてみます。
日本人の1日平均座位時間は、約7時間と報告されています。
日本はサウジアラビアと同率1位であり、座りすぎの国だと言えます。

座りすぎを防ぐために30-60分に1度立つことが推奨されている

これらの反復動作、持続的姿勢が理想的ではない動きや姿勢で行われていたとしたらどうでしょうか?
歩行は、1日6,000回の不良な反復運動
→ 特定方向への動きすぎ
座位は、1日7時間の不良なストレッチ
→ 伸ばしてはいけない筋肉を伸ばしているこれらが生じていると言えます。

反復動作と持続的姿勢は、相対的柔軟性や硬さに影響を与え、特定方向の過剰可動性につながった結果、動きすぎる関節に症状を引き起こす原因になります。

日々の臨床に活かすにはどうすればいいのか?

反復動作や持続的姿勢が症状に関連していた場合、
それらの動作や姿勢を適切な動きに修正することで症状の改善につながります。
そのためには、患者さんが日々どのような姿勢で動作をするか、どのような生活習慣をしているかを把握する必要があります。

仕事内容:座り仕事?、立ち仕事?、重いものを持つことはある?

重いものを持ったり、屈んだりすることは腰椎への負担を増やす

座り方:足を組む習慣はある?、椅子の高さは?

デスクワーク時の環境も大きな影響がある

寝る時の姿勢:仰向け、横向き、うつ伏せ?

実際行ってもらうととんでもない寝方をしている方も!?

趣味:長時間同じ姿勢をしたりすることはあるか?

音楽家は長時間同じ姿勢をとることが多い

スポーツ:どんなスポーツ?、ポジションは?、競技レベルは?

片側への回旋が多いスポーツは左右差が生じやすくなる

これ以外にも影響するものは多いですが、問診やコミュニケーションの中からこれらの情報を聞き出すことが大切です。
これらの情報を把握することで、症状に関連した反復動作や持続的姿勢を見つけます。
それがなぜ悪いのかを説明し、修正の提案をすることがで症状の改善につながります。

まとめ

今回は、「日常生活のやり方が極めて重要」について解説しました。
反復運動や持続的姿勢は、運動病理学的モデルに基づく症状を理解するために重要な要素です。
患者さん・クライアントさんの日常生活のやり方を詳しく聞くことで、意外な症状の原因が見えてくることがあります。

【9/7-8MSSTOKYO2024】MSIに興味を持った方へ

2024/9/7-8ににMSSTOKYO2024が行われます
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学びを深めたい方に大変オススメです
アップデートされた最新のMSIについて、実技付きで日本で学べる機会は本当に貴重です。
私も参加しますので、一緒に学びを深めていきましょう。


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