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なぜリーダーシップ開発は失敗するのか~企業が苦戦する7つの理由とは

本コラムはリーダー育成が失敗する理由と、前例のない時代に企業が直面するリーダー育成の課題をご紹介します。

1.企業が苦戦する7つの理由 

パンデミックは、我々のスキル開発とリーダーシップ育成のアプローチに大きな変化をもたらしました。企業は、限られた予算と人材開発リソースを使い、テレワークやオフィスワークやハイブリットワークの職場環境に対応する新しい研修プログラムを導入しなければならなくなりました。

さらに、不確実性と変化が常態化する中で、リーダーが組織を導くために必要なスキルセットを再考する必要がありました。そして、4700万人以上の従業員が退職するという状況下で、従業員の維持と新たな人材の獲得についての戦略を見直さなければならなかったのです。

多くの組織は、現在も、限られた人材開発のリソースと増加する従業員数の間でバランスを取るという難題に直面しています。これは、組織が常に変化に対応し、適応し続ける必要があることを示しています。

つまり、リーダー育成に投資せず、職場の変化に対応しないことが、リーダー育成に失敗する理由です。それは、ランニングシューズを持たずにマラソンに参加させるようなものです。何もしないことは、即座に失敗を招くということです。

従業員の能力開発・リーダーシップ開発プログラムを進化させている企業が、この状況下で一歩先を行っていることは明らかです。しかし、常に改善の余地はあります。では、私たちが最もよく見る誤りは何でしょうか。

①集合研修を諦める 

多くのチームがハイブリッドやリモートで長期的に働いているため、企業は学習者を物理的に集合させて研修を行うことが困難になるかもしれません。しかし、人々を実際に集めることができなくても、集合研修形式のトレーニングを止めるべきではありません。

実際、リモートで働く社員は、他のリーダーとのつながりや集合研修で学ぶ機会を増やしたいと考えています。リモートワークが一般的になり、職場がサイロ化し、孤立感も生まれ始めています。そこで、企業は集合研修を放棄する代わりに、バーチャルクラスルームを利用してリーダーたちのつながりを維持することが可能です。バーチャルクラスルームの利用は、従業員の成長と育成に対する組織の継続的な献身を示すものです。そして、バーチャルクラスルームは単なる妥協の産物ではなく、学習に対する投資対効果は対面式の学習と同等であることを理解することが重要です。

②安定感に期待する


新しいリーダーに投資したり、現行のリーダーのスキルを向上させたりするよりも、企業は往々にして既存のメンバーでやっていく傾向があります。

同じグループの信頼性が高いリーダーに依存することは、短期的には利益と成果をもたらすかもしれません。しかし、リーダーシップのパイプライン全体を強化することはほとんどできません。また、優秀な人材が燃え尽きる可能性もあります。これが、長期的なリーダーシップ育成がうまくいかない理由となります。

③「学習コンテンツを作れば学習しに来る」というアプローチを取る

多くの企業は、オンライン学習やその他の自己学習リソースをリーダーに提供し、それで自分たちの役割が終わったと考える傾向があります。

自主的な学習は組織のプログラムの一部であるべきですが、すべての能力開発を自主的に任せるべきではありません。専門的な能力開発を個人の好奇心やチャンスに依存させるのは危険であり、うまくいくことが少ないのです。

その理由を理解するのは難しくありません。DDIの調査によれば、学習者はより自主的な学習を望んでいることが確認されています。しかし、学習者は自分のリーダーシップの役割や成長の領域、課題に対応してカスタマイズされていないコンテンツを受け取ることに困難を感じています。

④「沈むか、泳ぐか」戦略 

絶えず物事を早く終わらせなければならないというプレッシャーから、「自然淘汰」に頼りたくなるものです。しかし、リーダーシップが先天的なものなのか、それとも後天的なものなのかという議論は既に終わりました。リーダーシップは後天的なものであり、時間をかけて育てるべきです。

特定の状況で有利な特性を持つ人もいますが、リーダーシップには集中力と練習が必要です。

そして、特に重要なリーダーシップの移行に際しては、正式な育成が有効であるという証拠があります。リーダーを昇進させるための移行プログラムを導入している企業は、業績が上位20%の組織に入る確率が2倍以上になっています。

⑤学習内容を圧縮して時間短縮 (効率だけを求めてしまう)

私たちは皆、最も効率的な方法を見つけなければならないというプレッシャーを感じており、それは時に近道を求めることを意味します。企業は、トレーニングを含むあらゆる活動にかかる時間を短縮する方法を探しています。

しかし、考えるべきことは、「そのより効率的なやり方が、本当に必要な結果をもたらしてくれるのか?」あるいは、「時間を圧縮しなければならない場合、最も適切な学習に時間を費やしていることをどのように確認すべきか?」という問題です。

⑥一度きりのプログラムを採用する

リーダーシップ研修のために、一回限りのイベントや短期間のプログラムに投資することを選択する企業も存在します。しかし、一度きりのアプローチは、確かに何かを行うことにはなりますが、リーダーが時間をかけて新たな行動や習慣を身につけるという重要な事実を無視することになります。

効果的なリーダーシップの育成は、時間をかけて展開されるラーニングジャーニーとして設計されるべきです。そして、複数の学習オプションや学習手法を取り入れる必要があります。さらに、スキルの練習や実践の機会も提供されなければなりません。

⑦テクノロジーの役割を過大評価 

ラーニング・テクノロジーが注目され、投資が行われているにもかかわらず、それがリーダーシップやビジネスの成果に顕著な影響を及ぼしているとは言えません。また、テクノロジーが正式な学習や開発の課題を凌駕しているわけでもありません。 

テクノロジーを適切に活用することは、リーダーシップの育成を向上させる可能性を秘めていますが、それが常に最良の選択肢とは限りません。重要なのは、投資する前に、テクノロジーが解決すべき問題と、それが満たすべきニーズを理解することです。関連性とキュレーションの両方が重要であることに変わりはありません。 

2.能力開発・リーダーシップ開発を成功させる ためには

能力開発・リーダーシップの育成を適切に行うことは困難です。しかし、リーダーたちは、かつてないほど多くのことを背負っており、適切に行う必要があるのです。なぜなら、リーダーの責任はかつてないほど重くなっているからです。そして、あなたの会社の生命線はリーダーにかかっています。

しかし、このような失敗は避けることができます。リーダーたちは、変化の激しい時代に、ただ乗り切るだけでなく、活気あふれる活躍をするための準備をしましょう。今日をリードし、明日の不確実性に備えるために必要なリーダーシップスキルを確実に身につけるようにしましょう。

■原文はこちら!
■執筆者:ヴェリティ・クリーディ

3.おすすめソリューション

4.会社概要

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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