私たちが信じる「リスキリングの力」のこと -Ms.Engineer代表やまざきひとみ
※この記事は女性のためのフルリモート型プログラミングブートキャンプ「Ms.Engineer」代表やまざきのPodcastを書き起こしたものです。
成長するMs.Engineer 創業から1年半を振り返って
Ms.Engineer、創業して約1年半経ちまして、女性のためのエンジニア育成塾ももう3期目、0期からやっているので計4回開校しています。累計の生徒さんも80名を超えていまして、今現在も、ブートキャンプをはじめ、エンジニアを目指して皆さん勉強されているような状況です。
実際エンジニアに転身した女性も数名出てきており、ありがたいことに反響をいただいて、会社も成長フェーズに入ってきています。8月からメンバーも増えて、会社は3.0くらいまで成長してきました。私もスタートアップ企業をやるのは初めてなんですが、仕事をしている中で、本当に素晴らしいメンバーと一緒に仕事ができているな、どんどん前に進んでいるなという感覚があります。
会社の想いを発信する大切さ
そんな中で、Ms.Engineerという会社は本当にいろいろなことをやろうとしています。メッセージもすごく多いですし、やり遂げたいこと、私たちが本当に社会のためになると思っていることがたくさんありすぎるので、それらをもっと世の中に知ってもらわないといけないと思っていました。
自分たちのチームだけで共感してやっているだけではいけないなと思い、発信を強化しなきゃ、私が発信しなきゃと思っていたのですが、いろいろ忙殺されたり言い訳をしたり、だらだら来てしまっていました。でも今朝、うちのCHROのさよこさんが、note書きますと宣言をしてついに夜noteを更新していたので、それを見て私も、もう一回podcast参加しようと決意しました。社員のみんなに怒られながらもずっとやっていなかったのですが、いよいよ始めようかなと思い録音をしております。
社内定例会で共有した会社のビジョン
うちの会社は毎月月初に、「Ms.Engineer SUMMIT」という、社員と、あとはチームMs.Engineerである生徒さんも交えて、会社の方針や今の会社の状態・事業の状態をシンクロする時間を設けています。その場で、私の方からは会社のビジョンや理念、目指す方向性を最初にお話ししています。
この8月から体制がアップデートされたこともあり、うちの会社のビジョンや理念をもっとシャープに洗練させたので、今日の「Ms.Engineer SUMMIT」ではこれを発表しました。
スキルの掛け合わせで人生が広がるリスキリング
うちの会社は、リスキルの力で世界を押し上げるというビジョンを持っています。今は、日本の女性をハイスキルなエンジニアとして輩出するという事業に全精力を傾けていますが、根本的にやりたいことは、リスキリングです。
私たちの会社はリスキリングというものの力をすごく信じています。今、一度社会に出た社会人女性のデジタルリスキリングをメインにしてやっているように、一度社会で経験を積んだり、もともとスキルを積んでいたりする人たちに、デジタルの力をリスキリングすると、より大きなキャリアチェンジができるようになります。今までのスキルに新しいスキルを掛け合わせることによって、まったく新しい人生、新しい仕事の活躍ができるようになってもらう、ということを大事にしています。
世界と日本が抱える課題とリスキリングの可能性
今世界に、デジタル化・DXの推進による技術的な失業リスク、いわゆるAIに仕事を取って代わられるリスクがある人は約10億人いると言われています。その中でもやっぱり、世界的に見ても女性の割合が多いです。（このPodcastを）聞いている方の中にも、そういうことに危機感を覚える方がいるんじゃないかなと思います。特に日本は、女性の非正規雇用が非常に多く雇用環境が不安定、ジェンダーギャップ指数もずっと主要先進国の中で高い状態にあります。
一方で、日本はデジタル化の推進にまだまだ課題を抱えているので、エンジニア職の人材が必要になっています。今エンジニアは本当に求められていて、大手企業はもちろん、その他の企業もエンジニアの採用が課題で人材をすごく探している状況です。
仕事に困ったり、技術的失業リスクにさらされている人がこれだけ多いにも関わらず、需要がすごく高い職種があるというのは、人材流動性にねじれがあるんじゃないかと思いました。私が創業したとき、事業を通じて解決したい、やるべきと思ったのはこの課題です。
国民を労働力ととらえた時、よりニーズがある方に人が流れたほうが良いに決まっている。じゃあ女性に対して、すでに社会に出ている女性たちに対して、デジタルのリスキリングをすれば全員が幸せになる。人材の数も増えるし、失業リスクにさらされる女性も減るし、ジェンダーギャップも縮小されるし、デジタルやテクノロジーの力も強くなっていく。この事業ってあんまりやらない理由がないんじゃないかと思います。リスキリングには力がある。
これからのリスキリング・レボリューション
世界的にもリスキリングには力があると考えられています。リスキリングが進んでいるアメリカや北欧では、大企業が自分たちの何万人の社員に対するリスキルに数千億投資すると言っていたり、今雇用している人たちをどんどんリスキリングしていこうという動きがあります。ダボス会議でも、リスキリング・レボリューションを起こそう、ということが2018年からアジェンダに入っていまして、これからどんどんどんどん当然に必要になってくる分野なんですね。
私たちはスタートアップなので、まずは日本の女性のデジタルリスキリングを実現します。これは女性たちのためにも国のためにもなるので、私たちが実現することに非常に意味があると思っています。その根本には、本当にリスキリングは世界を押し上げる、日本だけじゃなくて世界を押し上げる力がある、という思いがあるので、それを本当に大事にして、会社として思いを持って取り組んでいきたいと思っています。
次の世代のためにできること
私には子どもがいるんですが、いますごい暑いじゃないですか。外出たら息できないくらい暑くて、私たちが子どもの頃は夏休みこんなに暑くなかったなと。夏休み外に出られない、暑すぎて部活ができないとか、そういうすごい世界線に入ってきていて、気候変動含め世界的におかしくなってきている。私たちの子どもの世代はどうなっちゃうんだろうと、私は思うんです。そういう世界的におかしなことがいろんなところで起こっていますよね。コロナもそうですし、ウクライナ情勢もそうですし、世界の情勢が非常に不安定になっている。
この間、元自民党で今は引退されている谷垣元総裁が、今こういう時代になって何を思うかというテーマでインタビューに答えている記事を読みました。スペイン風邪が流行したとき世界で何千万人が死亡したと言われている。その本当に世界が危機になった時に、各国は自分たちを守ろうとしてすごいセクショナリズムに走った、その結果第二次世界大戦に続いていった、ということをおっしゃっていました。
そういう世界的な危機があった時、何が大事かと言えば国際協調の方が大事。大きなコミュニティの中で危機が起こったら、やっぱり手を取り合って解決していく方が普通に考えたら大事だと思います。
もちろんいろいろな側面があって誰が悪いという話ではないですが、本当は今の時代、結構危機的なこととか、次の世代、私たちの子どもの世代の世界が悪い方向に行ってしまうんじゃないかというリスク要因がたくさんあると思います。その中で、自分たちの国のことばっかり考えないで、国際協調していこう、グローバルに良くしていこう、という思いを持ちたいと思っています。
Ms.Engineerは「リスキルの力で世界を押し上げる」
うちの会社や私は本当にありんこみたいな小さな存在ですが、グローバルな視点、少しでも世界を良くしていこうという視点は、あるかないかで言えばあった方が良いに決まっています。そういう視点を持って仕事をしたいなと思ったときに、リスキルの力はドメスティックなことだけでなく、本当は女性だけのことでもない。特にデジタルのリスキリングは世界的に求められていることなので、リスキルすることで良くなることって本当にたくさんあると思っています。
リスキルの力は世界を押し上げる。こういう時代だからこそ、最終的にはリスキルの力を世界に浸透させたいですし、それが次の世代のためにもなると思います。
女性を解放していく、ジェンダーギャップを解放していくこともそうですし、デジタルの力を伸ばしていくこともそうです。そしてデジタルには、グローバルにフラットにそれらを繋げていく力がありますから、テクノロジーの力で世界の課題を解決していったり、リスキリングの力で多くの人の力を開放したりできる。いまやっている本当に小さな一歩が、最終的には世界を良くする方向に繋がる。だから、良くしようという思いを持って仕事をする、ということを、根本のビジョンとして私たちの会社は持っていたい。こんなお話を、今日のSUMMITという会社の月初会ではさせていただきました。
こんな感じで、『Ms.Engineerの一歩』という番組では、毎日の仕事さえ正しいか正しくないかわからない手探りの中でも、一歩ずつ一歩ずつ前に進んでいくことで、ビジョンを叶えるための道を、私たちの会社は頑張って歩んでいきます、ということを少しずつお伝えできればなと思っています。耳が空いているとき、時間があるときにふと思い出したら、また聞いていただけたら幸いです。
それでは今日はここでお別れしたいと思います。ありがとうございました。
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