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#6 言葉のアトアジ/「すみません」を「ありがとう」に変えてみた

 言葉には後味がある。

 わたしは、なんとなく咄嗟に「すみません」と言ってしまっていた組の卒業生だ。まだ右足の小指くらいは浸かっているかも。

 これは多分、長年生きてきて身についたクセだ。

 わたしは昔からわりと内気な人(人から言わせると違うらしいが)で、初対面の人とのコミュニケーションがあまり得意ではなかった。気にし過ぎ症候群だったので言葉選びに慎重になるあまり、オールマイティに使えて人に失礼のない言葉を引き出しにいくつか忍ばせて、ロボットのようにこれがきたらこれを出すと決めてた感じのコミュニケーションしかできていなかった。

 引き出しに入れていたとっておきの言葉として、とりあえず何かあれば「すみません」と言っとけば丸く収まるみたいに思ってる節があった。

 誰かがドアを開けて待っていてくれた時とか、レジで液垂れしそうなお肉を袋に入れてもらった時とか、つい「すみません」って言ってしまう。

 でも、いつからか「すみません」と言ったあとになんだかモヤッとすることに気づきはじめた。

 言い放ったあと自分に抗議する。今のは別に謝ることじゃないでしょうよ〜?と。言葉選びが下手なので、いつもの癖で「すみません」を選んでしまっていたけど、もしかしたら見直しの時期かもしれませんよ、と。

 そこに違和感を持ち始めたのは、、きっと、、子どもができてからだ!

 子どもが産まれると「すみません」を言う機会が圧倒的に増えたから。

 子どもが風邪ひいて「すみません」
 ベビーカーで電車乗って「すみません」

 自分が放った自分の言葉に、自分自身が納得できてなかったからだった。

「すみません」という5文字を放つことで、「自分が悪い」と自己暗示をかけてしまっていた。

 自己暗示をかけつつ、あとからその言葉を否定する、完全に自作自演だ。

 いつからか、「もしかしたらこれって言われた相手もあんまりいい気持ちがしないのかも?」と思うようになった。

 というのは、私自身が人の「すみません」が気になるようになってきたから。

 不快というわけではなく、ちょっと引っかかる感覚。全然気にしなくていいよ、っていうフォローの言葉を飲み込んでしまう。わたしみたいにオールマイティカードとして発した言葉ならあえてフォローすると変な感じになるかなと思って。

 というわけで、わたしは意識して「すみません」を「ありがとう」に変えてみることにした。

 そうすると、同じ5文字でも、言葉を放った後に包み込む空気の色が変わるのだ!

 うん、イイカンジ!後味爽快!

 もしくは「すみません」の語尾を上げてみる、それだけでもグンと空気感は変わる。

 自分の言葉を一番よく聞いているのは自分。

 まずは自分がハッピーになる言葉遣いをしようと思う。

今日も最後までお読みくださりありがとうございました。この連載は100記事まで書き溜めて出版することを目指、目論んで書いています。1年プロジェクトです。レペゼン地球みたいに2週間で断念しないことを祈ってくださる方はスキをいただけると嬉しいです。

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