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インター校の「性教育」と「男女交際」事情

マレーシアのインターナショナルスクールに留学する年齢って、小学校低学年~高学年の子どもが多いです。
多くの場合、そこから数年を海外で過ごすことになるので、「第二次成長期を海外で迎える」ケースが実は多いのです。

そこで今回は、「海外のインターの性教育ってどんな感じ?」という情報をシェアしたいと思います。

「学校によって多少事情は異なりますが」という前置きを置いて読んでいただきたいと思いますが、経験談や聞いた話などを総合して、「おおむねこんな感じ」ということを書いていきますね。

1.海外インターで「保健体育」ってあるの?


「保健体育」というだけの教科はないですが、「日本の学校の保健体育で習うような内容を習うとしたらこの時間」という授業があります。学校や学年によっても呼び名は違うのですが、イギリス系の場合、多くは「PSHE」と呼ばれています。

PSHEは、Personal, social, health and economic educationの略です。
いじめ問題やモラルなどの「道徳」っぽい内容、SNSの使い方などの「情報」っぽい内容、メンタルヘルスや性教育に近いような「保健体育」っぽいことなんかを扱います。

その他のバリエーション名としては、Science, Physical and Health Educationという教科でもう少し理科寄りだったり、Health and career educationといってキャリア教育を含んだり、という場合もあります。
おおむね、頭文字に「P(personal/physical)」や「S(social/science)」を含んだアルファベット3~4文字の授業が時間割にあったら、それです。


2.「性教育」は何年生で行うの?


だいたいYear 5、Year5でできなかった学年はYear6で行われる、という感じです。日本でいうと小学校4~5年生なので、大体同じですね。

コロナでロックダウン、オンライン授業だったときは行われていなかった学校が多いと思います。デリケートな話だし、親や異性のきょうだいがみているかも知れないオンラインではちょっとね。

上記の「PSHE」の授業内で行うか、特別授業として「Talk(トーク:お話)」という授業名などで行われることもあります。


3.学校での「性教育」を受けたくない場合は?


家庭によっては、性教育を今のタイミングで/学校で受けさせたくない、という考えを持っていることもあると思います。
多くのインター校では、「このような特別授業を行うので、受けたくない人は担任に連絡して下さい」という親向けのメールが事前に届きます。

絶対に事前連絡があるとも限らないので、もし「我が家は受けさせたくない」という強い希望があれば、Year 4-5のあたりでその旨を学校と確認しておくことをおすすめします。


4.何をどこまで習うの? どんな雰囲気?


保健室の先生(スクールナース)が来てメディカル面を強調する、というものではなく、その学年の先生が担当することが多い感じです。男女に分けられて、話しやすい感じの若手先生や人気の先生が、それぞれ同性のグループを担当します。

真剣にシーンとして聞く授業ではなく、和気あいあいとした雰囲気で双方向のやりとりをしながら授業が進められます。

この年代におこる身体の成長についてオープンに話し合う感じの場で、恋愛のような精神的なことや性行為のことまでは踏み込みません。

男子は、「体のいろいろなところに毛が生えてくるけど、どこに生えてくると思う?」とか、「ひげが生えてきたら何日かに1回ひげをそろう」とか、「体臭が強くなるから、デオドラントを持ってきて体育の授業のあとに使おう」とか、そんなことを習います。「どこに毛が生えてくるか」でわちゃわちゃふざけるのも、男子あるある。

女子は、主に、体の変化や生理について学びます。英語で生理は「Period(期間)」と言います。すでに始まっている子の話を聞いたり、どういうものをどう使うのか、などの具体的な方法などを教えてもらいます。

「水着でかくれるボディパーツはプライベートパーツ。見せても、見せられてもいけない」みたいな話は、低学年のころにPSHEの授業のなどですでに習っていることが多いです。

5.「性教育」の話をうけて、子どもの感想は?


生徒に人気の若手先生と話す気楽な授業。普通に楽しかった(勉強じゃないし)、という感じで、特段変な雰囲気を感じ取ることでもなく、カジュアルな感想です。

男子は、母親には言わないですが、Year 7以上くらいになると、クラスや寮などでだいぶ性的なことも情報交換している雰囲気はありますね。そのへんは、あまり日本と変わらないんじゃないかな、と思います。

女子は、男子よりも確実な身体的変化が訪れるので、もっと詳しく知りたい、となることが多いようです。授業では体のつくりなどにも深く踏み込まず、ちょっとあっさりしている感があるので、子ども自身がもう少し詳しくしりたい(メカニズムとか)と感じる場合などは、家庭での補足説明が必要かな、という気がします。

家庭での性教育的なものをする場合は、極力ニュートラルに、そしてトレンドを取り入れてライトに、子どもが知りたいことを知りたいスタイルで、というのが望ましいスタンスかな、と思います。

参考書としてはこの辺の本がかなりおすすめです。

📖女子小学生向け性教育おすすめ本:めちゃカワ!おしゃれパーフェクトBOOK

おしゃれなJSになりたい! 女の子なら、誰もが思うこと。本書は、ファッションを中心にヘアアレンジ、ネイル、マナー、ボディーのことなど、おしゃれで素敵な女の子にマストな情報をめちゃカワにまとめちゃいました! 毎日のおしゃれに欠かせない、コーデや着まわし術、ヘアアレのワザなど、かわいいイラストで詳しく紹介! おしゃかわガールのバイブルです。

Amazonより

性教育の本に見えないおしゃれムック本の体裁ですが、女の子の体の発達について詳しく、そして可愛く書いてあります。ファッションやヘアアレンジなどの話の続きで体の変化について書いてあるので、ほんとは知りたいけど恥ずかしい・気まずいと思っている子にもおすすめ。娘が自分で探してきて「これ読みたい」といった本です。
ここから無料試し読みできます。

女の子の子育てに関わっておられるパパにもおすすめです。他のファッションや料理、占いなんかの女子向けの本(似ている体裁のシリーズ本がたくさんあります)と一緒に買って渡すか本棚に置いておくか、なんとなくKindleに入れておけばいいと思います。


📖女子中高生向け性教育おすすめ本:はたらく細胞LADY

人気漫画「はたらく細胞」のスピンオフで、女子中高生が飛びつきます。
冷え性→ダイエット→月経、といった流れで、自然に話が進んでいきますので、こちらも「性教育」って感じがしないのが魅力。
期間限定ですが、無料で最後まで読めますので、今のうちにぜひ読んでみてください。自分の時にもこんな感じのがあったらよかったのにな。
言葉が多少難しいですが、本好きで語彙が豊富な子なら小学生でも十分理解できます。

📖親向け・男の子向け:おうち性教育はじめます

こちらは、Amazonの保健体育カテゴリ1位のベストセラー。実際に知り合いでも使っている方が多いです。

本のサブタイトルに「伝え方」とあるように、親から子どもに教える時にどんなスタンスで、どんな言葉で伝えればいいのかがわかる本。使った友人はみんな「うまくいった」と言っています。特に、男の子にどう伝えていいかわからないママにおすすめ。

ゆる~いイラストで読みやすいです。が、書名にばっちりと「性教育」とはいっているのでちょっと本棚に置くのは抵抗あるな~という気も。
家庭によっては敢えて手の届くところに置いておいて子どもが興味を持った時に読めるようにしている、という方もあります。タイトルに「性教育」とあるだけに、性行為のことも扱っていて、3冊の中ではいちばん内容は深いです。
こちらから無料試し読みができます。


おまけ:インター生の男女交際事情は?


Year6までのジュニアスクール時代に彼氏・彼女みたいな真剣な関係は稀だと思います。誰がカッコいいとか好きとか(頻繁に変わる)、相思相愛だとか、ちょっとしたコイバナをする感じですね。(相思相愛の場合をカレカノと言ったりはします)

Year 7以降のセカンダリーになると、仲間内でくっついたり離れたり、決まったメンバーによるターム短めのライトな男女交際があるかな、という印象。寮のある学校では寮生も増えますので、一緒の敷地内に男女が暮らしているわけですから、それなりに、好きだの告るだのなんだのはあるでしょうね。年上の女の子と付き合う男の子がいたり、国際カップルだと日本人と韓国人、日本人とチャイニーズマレーシアン、というケースがありがちかも。

高校生くらいの年齢になると、寮生同士のカップルが、夜の就寝前の自由時間などに寮の外の公共スペースで手をつないで一緒にいたりするのも見かけます。

複数のインター校に通ったことのある高校生の女の子に聞いた話で思わず納得したのが、「A校よりB校の方がカップル率が高い。B校の方が、校舎の配置からいって死角が多いから」ってコメント。
親としては死角でいろいろしないでほしいですけどもね。

ちなみに、男子の寮と女子の寮は当然ながらきっちりわけられていて、簡単に忍び込めるような構造にはなっていないですし、学校によっては家族であっても異性は寮に入れません。他人の(特に異性の)部屋にいるところなんかが見つかったらかなり重いペナルティがあるはずです。学校側もきちんと管理はしていると思います。(でも、携帯電話をこっそり隠し持っていて、夜中にベッドにもぐりこんでLINEしたりとかくらいはあるでしょうね)


まとめ


総じて、インター校の性教育はあっさりめで、カバーしていない範囲も多いです。
しっかりと伝えたいことについては、学校でこんな授業があった、というタイミングをきっかけにして、上で紹介したような本を用いて親として必要だと思う情報を補足してあげるのがいいのではないかな、と思います。

ではでは、また。


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