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銭形平次捕物控211「遠眼鏡の殿様」(1949)+北大路欣也・主演5-6「遠眼鏡の中の女」 紹介と感想


あらすじ

弁慶の小助親分から四谷伊賀町で起きた殺しについて助けを求められた平次。
四谷伊賀町の三千石の旗本・伊賀井大三郎が遠眼鏡で清水屋の娘・お君の笑顔を見たのが事の発端だった。
お君に惚れた大三郎は、焼妬焼の妻・弥生をひと間に押し込め、お君を奉公に上がらせろと、清水屋へ迫っていた。
伊賀井家出入りの植木屋の妻・お滝の協力のもと、金ずく、義理ずく、力ずくで清水屋を説き伏せる。
しかし、ついに明日は伊賀井家に奉公へ上がろうかという晩、お君は家の裏口で、お滝が御仮屋横町の入口で、それぞれ背中から一突きに殺されたのだ。

感想

わがままな旗本を発端に、ドロドロ愛憎模様が事件に発展しました。
平次は、殺され方の違いと、殺人当時の人物出入りから、犯人を推理します。
平次の鋭い着眼と、人情が楽しめる一編です。

ミステリー的に凝った事件ではありませんが、疑えば疑うことができるように記載はされているので良かったです。
また、事件の発端となった旗本達が人の話の中以外では一切登場しないという、少し変わった話ですが、真相を知るとそれもそうだなと思いました。


北大路欣也・主演シリーズ 第5シリーズ 第6話「遠眼鏡の中の女」(1995)

事件の発端は原作通りですが、事件後から変更点が多く別の話になります。
犯人の一途な動機に同情はできませんが、その最後には一筋の悲哀を感じました。原作の映像化という感じではないですが、ドラマも面白かったです。

原作の登場人物から、お滝と辰五郎、弁慶の小助がカットされ、代わりに弥助の後添えとしてお楽が増えています。お菊はお楽の娘になっています。
原作から姉妹の関係を逆になり、姉・お吉、妹・お菊は義理の姉妹です。

あらすじ
上村家の殿様が、清水屋の後添いの娘・お菊に惚れた。
お菊も徐々に乗り気になり、遂に明日は上村家へと思ったその晩、お菊は何者かに首筋を一閃、そのまま息絶える。

凶器は近所の碇床から盗まれた剃刀と目星をつけた万七が、お菊に付きまとっていた徳松を捕まえるが、お吉も妹に嫉妬していたと菊村に捕まる。更に、お吉が捕まった事で、清水屋弥助も自首してくる。

殺人は一件に、容疑者は三人。
藩用人の吉住求馬を使いに上村家から依頼があり、平次が事件に乗り出す。
調べを進めるうちに、本当の凶器や、各自が隠していたことが明らかとなっていく。容疑者全員の容疑を晴らした平次は、悩んだ末に関係者の前で推理を披露する。

ゲスト出演者
   柴田/橋本功
   徳松/松澤一之
 吉住求馬/石田登星
清水屋弥助/花上晃
   お吉/江口ナオ
   上村/峰 蘭太郎

北大路欣也版レギュラーキャスト(当話出演者のみ)

 銭形平次/北大路欣也

  八五郎/三波豊和
   お静/真野あずさ

 三輪万七/伊藤四郎
   清吉/山西道弘
保科源次郎/三浦浩一
 菊村数馬/丹羽貞二

並木籐兵衛/中村梅之助

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