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ささかわの読書感想文(その2)

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「超おもしろかった」本の読書感想文、その2。
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2016年3月の記事一覧

角田光代『人生ベストテン』
40歳間近だが我が人生のベストテンを考えるという自虐的な趣味がやめられない。25年代わり映えのない日々を過ごした鳩子は大きな見栄を背負い中学時代の恋人・岸田に会いに行く…。「いつもと同じ」を変えようとする女性達が登場する5編の短編集。共感ばかりの一冊。

岡尾美代子『Land Land Land 旅するA to Z』
北欧、イギリス、ロシア等、主に北国で出会った風景・建物・雑貨・食べ物・その国の人達をポラロイドカメラにおさめたかわいい旅エッセイ。写真と文章の配置にセンスを感じる。この一冊で北欧おしゃれ旅に出たような気分になれる。

小川洋子『いつも彼らはどこかに』(新潮文庫)
動物たちと人間に共通する「生きている」ということを軸に、「彼ら」とわたしたちをつなぐ、すこし不思議な八編の物語集。
読みながら自分の想像力を試され、そして拡張されていくような感覚があって、それがとても心地よかった。 #読書感想文

よしもとばなな『スウィート・ヒアアフター』(幻冬舎)
自然豊かな京都の街で、アトリエを構え作品創りに没頭する恋人と支え合って生きていくはずだった…。交通事故で最愛の恋人を亡くしてしまった主人公・小夜の「喪の作業」の物語。無理はしない、でも逃げない。命の強さと喜びを噛み締めた一冊。

村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』

村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』

村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』(文春文庫)

作家であり、ランナーでもある著者が「走る」という行為を通じて自分自身を見つめ、それを「正直に」言葉にした一冊。
本書を手に取ったきっかけは、わたし自身も走ることを習慣にしようと思ったからだった。

著者は1982年の秋に走り始め、それから毎年必ずどこかのフル・マラソンの大会に出るほどのベテランランナーだ。週に60キロ、一ヵ月に260

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女がそれを食べるとき

女がそれを食べるとき

楊逸・選/日本ペンクラブ編『女がそれを食べるとき』(幻冬舎文庫)

芥川賞作家の楊逸が選んだ「食と恋」をテーマにした物語集。

ラインナップを見ただけで、即購入を決めた一冊だった。

井上荒野「サモワールの薔薇とオニオングラタン」
江國香織「晴れた空の下で」
岡本かの子「家霊」
小池真理子「贅肉」
幸田文「台所のおと」
河野多恵子「骨の肉」
田辺聖子「たこやき多情」
山田詠美「間食」
よしもとばな

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