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いじめは社会が作るもの?後編

(つづき)
認知症になっても住みやすい街、の特徴については、「認知症とともに生きるまち大賞」(旧:認知症にやさしいまち大賞)など、各地で様々な取り組みが行われておりますので、是非そちらをご覧下さい。

相手に持つ印象と、相手を理解することの順番

ところで、あなたとあまり折り合いの良くない相手がいるとしましょう。理由は様々でしょうが、我々も人間ですから、中には「なんとなく好きになれない」とか「見た目があまり好きじゃない」「以前何気なく言われた言葉に傷ついた」といったような、相手にとっての部分的情報に基づいたケースもあるかもしれません。

このように、相手のことを深く知る前に、相手をタグ付けしている事は、他にもありませんか?ごく一部の情報をもとに相手を判断している事はありませんか?

実際に話してみたら、意外にいい奴だった・・・
ついさっきまで何であんなに(相手を)イヤがってたんだろう・・・
もっと相手の事を知っていれば良かった。

というようなことが、恥ずかしながら私にもありました。


仕組みとして分かり合う事の可能性

効率化のために様々な分野で分業、専門化が進み、ある意味「分断」されがちな社会環境では、関係者についての情報が断片的になりやすい事から、こうした「ギャップ」が生まれやすくなります。つまりシステムとしての問題が多分に含まれていると思うのです。いじめや、差別、国同士の争い、またはそこまで大それたものではない些細なイザコザも、似たような構造が原因の一つかもしれません。

こういったよくある問題の予防のために工夫出来る事は様々あるかと思いますが、もし自然に相手の「人となり」が分かりやすくなるシステムがあったらどうでしょう?
「ギャップ」が減り、さらには人と人のつながりが促進され、人と人が助け合う互助関係にまで発展していく可能性がありそうです。

人と人が自然につながるために、関わる人それぞれの人となりが分かるような仕組み。さりげないアイスブレイクが随所にあるコミュニティがあったらどうでしょう。
名札一つとっても、「超甘党」とか、単純にプライベートが一言追記されていたらどうでしょうか?想像してもらえたらと思います。

 今私がチャレンジしている多世代型シニアホーム『多世代のいえ』では、今後コミュニティを作っていくサポーターの皆さんとともに、色々な工夫を考えていきます🧐もちろん、つながりたい「程度」は人それぞれだろうから、自己開示のレベルはできる範囲でいいし、押し付けでなく、やりたい範囲で。

また、偏見が持たれやすい対象となら、こういった取り組みはもしかしたら尚更効果を発揮するかもしれません。
例えば、様々な障がいを持った人や、認知症の人。

情報が無い事による悪循環

そういった層の方々に関する正しい情報は、社会に正しく伝わっていないものです。当事者自らの発信が少ないのも原因の一つでしょう。するとなんとなくネガティブなイメージが先行し、周りも無意識に遠ざけてしまう。そうすると尚更イメージが悪くなるという悪循環です。
でもそれは単に相手の情報が不足しているだけなのかもしれません。分断されたコミュニティの仕組み、構造の問題でもあるでしょう。

 認知症が最後の最後まで進行した結果、意味のある発語をできなくなったじいや・ばあやが、見えないところに大勢おられます。その方たちの人生、例えばどんなことが好きだったのか?どんなこだわりがあったのか?どんなことを成し遂げてきたのか?はたまた、どんなことが絶対イヤだったのか?

その生き様をリアルに想像することは他人には困難ですが、間違いなく彼等にも輝いた人生の瞬間がありました。分からないからこそ、想像力を働かせる必要があると思います。

相手が何者か、よく分からないまま、心の通ったケアが自信を持ってできるでしょうか。

もし誰にでもできれば、高齢者・障害者虐待などの事件がこれほどまでに起き得ないでしょうが、実際にはそういった事がしばしば起こります。

だからこそ、お互いのために相互理解しやすい仕組み、仕掛けが必要だと思います。人となりが分かりやすくなる仕組みによって、今まで以上に当事者たちが周りから理解されて、結果として、より質の高いケアを受けられる。今までにない、周囲との関わりをも、持てるようになる。その結果、亡くなった後も、人のココロに残っていく。
そんなコミュニティをまずは小規模に実現していきたいと思っています。

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