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歳を重ねること、人に与えること

このお盆休みに、まだ就学前の幼い甥っ子や姪っ子と数日間一緒に過ごした。

自分が子供の頃に楽しく過ごした夏休みの追体験のような数日間だった。
海で遊び、犬を愛で、お昼寝をし、スイカを食べ、夜は花火をする。
小学生の長い長い夏休みは、誰の心にも楽しい思い出を残していて、その後の人生においても、夏が来るともうあの長期休暇がなくてもなんだか心をワクワクさせる。

自分が主役ではない立場として夏休みの気持ちを追体験した数日は、案外悪くなかった。三世代で楽しむこのキラキラした夏の日のことをいつか宝物のように思い出すんだろうなぁと思った。

いつの頃からか、あんなに楽しみにしていたクリスマスに興味や楽しみがなくなった。
そんな頃に「さんざん自分のために時間もお金も使ってきたし、これからは、自分よりも次の世代に還元していく年齢なんだよね」と、友人がぼそりと言った。

友人は個人の空間設計事務所で20代を忙殺した後に転職したばかりで、そろそろ結婚相手を探したい、という流れでそんな話をしたように思う。

自分自身のためではなく、与える側としてクリスマスに参加することを楽しむ、という考え方は結婚もしていなかった30台前半の私には驚きだった。

そういう年齢に差し掛かっているんだ、という驚きもあったけれど、どちらかというと、まだまだ自分のために、お金も時間も使いたいし、頑張りたい。自分にとってはもう十分だからなんて思えない、という方が強かった。

その話をしてからはもう何年も経っていたけど、この夏の数日間の体験は、ようやく下の世代に還元する楽しみの片鱗を見た。

自分が自分が!ばかりではない生き方。与えることで得る楽しみ。歳をとって経験を重ねていくのも悪くない。

#コラム #夏休み #ブログ #平成最後の夏休み #生き方

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