真理

グラフィックデザイナー/アートディレクター。1979年千葉県生まれ。武蔵野美術大学卒業…

真理

グラフィックデザイナー/アートディレクター。1979年千葉県生まれ。武蔵野美術大学卒業。数社のデザインスタジオ勤務を経て2011年からフリーランス。

最近の記事

歳を重ねること、人に与えること

このお盆休みに、まだ就学前の幼い甥っ子や姪っ子と数日間一緒に過ごした。 自分が子供の頃に楽しく過ごした夏休みの追体験のような数日間だった。 海で遊び、犬を愛で、お昼寝をし、スイカを食べ、夜は花火をする。 小学生の長い長い夏休みは、誰の心にも楽しい思い出を残していて、その後の人生においても、夏が来るともうあの長期休暇がなくてもなんだか心をワクワクさせる。 自分が主役ではない立場として夏休みの気持ちを追体験した数日は、案外悪くなかった。三世代で楽しむこのキラキラした夏の日のこ

    • 向いている、向いていない、と才能と。

      誰もに「才能」という隠された宝みたいなものがあって、それを見つけさえすれば、周囲が驚くほど、容易に花開いてしまう、それが才能と呼ばれるものなら、自分のそれを探したい!と、幼い頃よく思っていた。 その考えを前提にすれば、そのわかりやすい「才能」というものに、いつか出会えると思っていた。のですが、そもそも前提が違っていたんだなぁと思う。 私に至ってはデザインの仕事をしている時点で、美術方面の才能があったのでは、と思う人もいるかもしれないけれど、 どこかで見かけた言葉で「誰かよ

      • 誰かに幸せにしてもらおうと思っていた

        自分の実力の限界を感じてしまったとき。心が折れそうになったとき。 「ここから逃げ出したい」「環境を変えたい」 誰しも一度くらいは、そんなことを考えたことがあるのでは。 そう。そんなとき、「結婚」は魅力的に映る。 もし、少しばかり条件がよいお相手(所得が多く、尊敬出来て、見た目も好みだったりして)と結婚できたら、たとえ自分はそのままだったとしても、相手のおかげで、相手の持っている好条件にさらりと乗り変えることが出来る。まるで古い車を乗り捨てるみたいに。 男性に求め

        • 30台になるのが怖かった話

          少し前に「30歳という年齢を迎えることへの漠然とした重圧」をテーマにした SK-Ⅱのキャンペーンが話題になっていた。 例外にもれず、まさに、私も30手前では謎の焦燥感に襲われていたのでありまして。 何者かにならなくては! 何かをなし得なくては! と、気持ちばかりが空回りしていた。 30歳までに結婚した友人たちに、どこか取り残されたように感じて不安になったりもした。 全体的な要因としては「若さ」というものを失うことへの恐れだったのかなと思う。 若さと言っても

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          受け身の世界から能動の世界へ

          先日専門学校で講義をする機会があったのですが、 「自分でテーマを見つけて定着まで落とし込むことが難しい生徒もいる」と聞いて、あぁ私もかつて同じ壁にぶつかったことがあるなあと思った。 私も、美術大学に入って1番戸惑ったのは、 いきなり正解がない世界に放り出されたことだったかもしれない。 それまでの義務教育では、教えられた答えをいかにテストで正解できるか、ということで評価されていたから、どこに向かえばいいか分かっていて、さらに文系科目だったら覚えさえすれば、いわば受け

          受け身の世界から能動の世界へ