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【オト・コク】今夜は「8月15日」ですよ。

こんばんは、しめじです。

今夜は手短に。

今日は、中秋の名月ですね。
惜しいことに満月は明日だそうですが、暦の上では今日が中秋の名月、十五夜です。

旧暦では、1,2,3月が春、4,5,6月が夏、7,8,9月が秋、10,11,12月が冬、とされています。

今日は、旧暦の8月15日。ちょうど秋の真ん中なので、「中秋」なんですね。
と考えると、今の暦と旧暦は、約1か月半の差があることがわかります。

それを理解すると、いくつかの言葉について、面白いことが見えてきます。

六月 水無月

六月は水無月(みなづき)と言います。
「水が無い月」と書くのに、六月。梅雨ですね。水あるじゃん!!!とついつい思ってしまいます。

ですが、しかし、水無月は今でいうところの七月から八月。今年は7月21日から8月18日だそうです

つまり、梅雨は一切関係ありません。
ちなみにこの「無」は、「無い」を意味するものではなく、「~な」の「な」であると考えられています。
「水な月」ってことですね。

田に水を張る月であることからこの名前になった、というのが有力な説です。
10月を「神無月」と言いますが、この「無」も水無月と同じく「~な」です。
ですから、「神の月」ってことになります。

しばしば、出雲大社に全国八百万の神が集まって留守にするから、「神様がいない月」=「神無月」になった、と言われますが、これは後付けで誰かが言い始めた話が広まったものであって、本来の語源とは違うようです。(こういうのを語源俗解とか民間語源っていいます)

ただ、この民間語源のもととなった「国譲り」の神話は結構面白い話なので、またいずれ書いてみようと思います。せっかく10月になったので。
(もし旧暦10月に神様が集まるとすれば、12月とかに集まってるってことなんですかね。寒そうですね)

五月 皐月

五月のことを、「皐月(さつき)」と言います。
ちなみに旧暦五月は、今年だと6月21日から7月20日に該当するそうです。

で、面白いのが「五月晴れ」という言葉。
ブリタニカ百科事典の記述を見てみましょう。

新暦の 4月後半から 5月の,梅雨前に日本列島が大きな移動性高気圧に覆われたときの晴天。発現期間は短い。もともとは旧暦 5月が梅雨にあたることから,梅雨の晴れ間の意味で,梅雨晴れ(つゆばれ)とも呼ばれたが,近年は,一般に新暦 5月の晴天をいう。

というわけで、この言葉、意味が変わってしまった言葉のひとつなんですね。

もともと、旧暦の五月は梅雨でした。今年も、七月になってからかなり雨が降りましたね。
本来は、その合間に見られた晴れ間のことを指していたんだそうです。

ですが、今の暦になって約160年、さすがにそろそろ実感が薄れてきた、ということなのでしょう。
確かに「五月」っていうと、さわやかなイメージです。
「今、その言葉を使っている人の感覚に合わせて、言葉が変わっていった」一つの顕著な例であるように思います。

他にも暦に関する言葉の話をし始めると色々ありますが、今夜はゆっくり本でも読もうと思います。

では、今夜はこの辺で。

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