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『フォースにまつわる共時的な意味連関』

フォースは、スターウォーズで有名になった架空の能力とされていますね。あそこでは、「関係の意識」の超能力として扱われていますが、私はそうは思っていません。それは、ある体験によるところが大となります。

それは、京都御所近くの「合心館道場」と呼ばれる、「合気道」の道場での出来事です。
当時、私の息子を通わせていた関係で、「合心館道場」の道場長である谷本館長の演舞を見学する機会を頂きました。
その演舞の技が、想像を絶する凄いものだったのです。
その模様は、何度かここのブログでも書いたのですが、もう一度、その状況を振り返ってみたいと思います。

「意味分節理論と空海(その十)」
https://note.com/mr_mu/n/nfab6244c59a4
「意味分節理論と空海(最終回)」
https://note.com/mr_mu/n/n0248f9044cd8
「禅と合気」
https://note.com/mr_mu/n/naf61c92695ad

この技の凄いところは、谷本館長自身は、全く力を使っていないところです。どう見ても、相手の大男が勝手に飛んでいくとしか見えないのです。始めは、相手がわざと飛んでいるのではないかと疑ったのですが、どうもそうではないようなのです。相手との腕力の差は歴然としており、失礼ですが、齢70を超えた小柄な谷本館長に勝ち目はありません。
そんな中で、まるで踊りを踊っているかのように相手を投げ飛す姿は、痛快を通り越して、何とも目の錯覚を見ているようであり、反対に屈強の相手が気の毒に思えてくるのです。最後は笑いながら、勘弁してくれと引き下がって行かれました。

その模様は、「全くのバランスした状況から、一歩も踏み出せない」とでも言えば良いのでしょうか。一歩踏み出すと、自らの力によってバランスを崩し、倒れてしまう様子です。踏み出す力が大きければ大きいほど、その力によって、反対に飛ばされてしまうのです。

もともと「合気道」は、演舞と言って、勝ち負けの試合を行いません。
これが仏教の「自他不二」の思想と結びついて、「動く禅」などとも評されています。
実はその時同席していた人物に、駆け出しの禅僧と思しき若者がいました。おそらくは「禅」について勉強して来いと送り出されたのだろうと思います。

体感的に絶妙にバランスした状態を堅持させながら、それを崩そうとする初動に対して、相手の自立を、崩壊させる妙技とも言えそうです。

そしてこの現象が、この本の「0フォース」と、共時的に「意味連関」しているのです。

そうなのです。
まるでスターウォーズのフォースなのですが、「相対する、力と力のぶつかり合い」ではないのです。強いて言葉にするならば、「0フォース」なのです。

俄かには信じがたいとは思いますが、これらは、厳然とした現実なのです。私もこの目で見るまでは、疑っていたのも事実です。

私の身の回りの現実には、こういったちょっと不思議な世界が、集約されているのです。

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