妻の果たせなかったミッション in 沖縄
今回は、ここで書いた話の余談です。
僕の妻が果たせなかったミッションは数しれず。
書くほどもないくらいですが、今回は、前回の記事を書いている途中に、
「僕はなぜ高熱にも関わらず、運転をしたのだろうか?危ないじゃないか。タクシーは?妻は?」
と考えた結果、「ああー、そうだった」と思い出しましたことを書きたいと思います。
病院に行くことを決める
沖縄で高熱を出した僕は、今までとは違った高熱と悪寒に病院に行くことを決意しました。
視線も定まらぬ僕は、見知らぬ土地の見知らぬ病院、しかも夜間にやっているところということで、Web検索を妻に依頼。
しかし、いくら経っても、候補は上がってこない。
まあ、この辺りは、あるあるでしょう。
まだまだ、検索に不慣れな人もいるし、そのときはまだスマホも浸透してきたくらいの頃、妻ができないのも仕方がない。
僕がアドバイスをした結果、そのうち、なんとか候補が何件か見つかり、そのうちの近い1軒に狙いを定め、いざ出発。
出発の手段としては、タクシーか、レンタカーで借りていた車かで、迷ったけれども、「妻が運転する」ということで、車で行くことになりました。
最初の病院
「カーナビのやり方が分からない」
と妻は高熱に沈む僕に訴えるので、僕はやっとの思いで、カーナビに行き先の電話番号を登録し、車はようやく出発しました。
「あとは病院につくまで、ゆっくりできる。」と思っていたけれど、妻は不慣れな道でいちいち大騒ぎするので、「よし、今、行けるよ」「ここはこっちの車線に」というようにアシストを強いられる。
まあ、カーナビを見ながら、見知らぬ道を行く・・・というのは、慣れないと難しいので、これはある意味、想定の範囲内。
そうこうしているうちに、やっと着いたのは、廃墟だった。
高熱の僕に、これはこたえる。
次の病院
次の候補の病院に向かう。
30分くらい走ったかな?
車はぐるぐると同じところを回る。
どう考えても、商店街だった。
「あれー、ここなんだけどな・・・」
「あれー、おかしいな・・・」
妻は何度もそう繰り返す。
同じ道をぐるぐる周り、同じところに到着し、そして、同じセリフを繰り返す。
その言葉を遠くに聞きながら、僕は「これは死んでしまうかもしれないな」と思った。
その時、急に、僕の中からメラメラと何かが湧き上がってくるのを感じた。
今まで、「ああ、病院はどこでもいいよ」「ゆっくりでいいよ」と息も絶え絶えの弱々しい生物だった僕が、憤怒の表情で蘇った。
僕の中の大仏が立ち上がったような、そんな気がした。
この時、僕は、見える人が見れば、超サイヤ人のような感じのオーラを出していたと思う。
妻が着こうとしていた病院
「もういいや、運転変わって!」
そう宣言して、僕は運転を変わった。
どうせ、目的地は目と鼻の先だ。
それに夜で車はほとんど通っていない。
僕が運転しても大丈夫だろう。
僕が運転すると、妻がぐるぐると同じところを周り、着こうとしていた病院に、すぐに到着することができた。
「ほら、ここでしょ」
そう病院に入っていく。
だが、その病院は、完全に閉まっていた。
その次の病院
「もう誰にも頼れない」
僕は妻をいないものと考えることにした。
自ら携帯で病院を探し直し、ある病院に狙いを定めた。
妻に「カーナビに入れて!」と言うが、「やり方が分からない」と返ってきたので、「チッ、そうだったな」といいながら、カーナビも自分で設定する。
病院はやや遠い。
妻には「危ないかもしれないから、一緒に、ちゃんと見ておいて」と簡単なミッションを授ける。
「分かった!」などとほざく妻。
「ああ、やっと運転から解放された〜」と思ってそうな妻を横目に、僕は病院に向かった。
くっ、病院まで保つか?
頼むぞ!
そんな悲壮感を漂わせながら、意識レベルを保つために、憤怒の表情で運転をし続けた。
なんとか病院に到着した。
しかし、駐車場などが分からない。
駐車場や入り口などが整備されていないので、ワケガワカラナイヨ。
「悪いけど、どこに停めるか?とか聞いてきてくれる?」と妻にミッションを授ける。
妻は勢いよく飛び出していったが、見ていると、建物の周りをウロウロしているだけだ。
僕は他の人の出入りから停めていいだろう場所に車を停め、入り口に向かいながら、まだ、遠くでウロウロしている妻に「こっちこい!」と呼びかける。
・・・
こうして、病院に到着したわけですが、妻はいったい、いくつのミッションに失敗したのでしょうか。
僕は「高熱の自分が病院に行く」という単純でも、ちょっと体力的には大変なミッションを達成しようとしただけですが、その過程での数々の妻のミッションの失敗は、このミッションを非常に難易度の高いものにしてしまいました。
前回の記事で、僕が病院についた時に「なぜ、憤怒の表情をしていたのか?」が、これでお分かりいただけたと思います。
そりゃ、血圧計に反抗もしますよ。
そして、そこにめったに出会わない「優しさ」に触れるわけですから、コロッと行ってしまうのもお分かりいただけるでしょう。
まあ、そうして、僕と、その病院の人々のおかげで、大きな危機を乗り越えることができたのですが、妻は自分もやりきった顔で、たこ焼きを食べていましたからね。
どうなんですかね?
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