3月半ばにベルリンに戻ってきてから、新作オペラの稽古漬けであっという間に4月になってしまった。窓のないスタジオに1日篭っていると、自分が季節においてきぼりにされてしまったような感じがする。外に出た瞬間の圧倒的な春の雰囲気にくらくらする。 ベルリンに住み始めたのはちょうど2年前の今頃だ。この2年間で私はとにかく健康になった。理由は単純。よく寝るようになったこと、そのことに罪悪感を感じなくなったこと、それから食べ過ぎたり飲み過ぎたりしなくなったことだ。不思議と物欲もなくなった。
オイルインシャンプーというのを使い始めてから、どうも髪が少し油っぽい。いや、そりゃそうなんだろうけど、油の入ったシャンプーを買ったのは間違いなく自分なんだけど、艶と油っぽさの違いって、蝶と蛾くらい違うと思うんですよ。カブトムシとゴキブリくらい違うと思うんですよー。
最近「オタサーの姫」という言葉を知って、ちょっと指揮科を連想した。でも指揮者になろうなんて女の人は自分も含めて大抵気が強いから、どちらかというと「オタサーの女帝」かもしれない。音大で性別が逆の例は、「フルート科の王子」もしくは「ハープ科の殿」かな。
毎週のオペラ指揮グループレッスンに、ある学生が飼い犬を連れて来た!80歳になる動物好きの教授はこれに大喜びで、終始ご機嫌。時々軽く吠えたりすると、「うんうん、その通り、私も今ちょうどそれを指摘しようと思ってたところだよ。オケと歌手が同じ旋律を持っていたら、ピットじゃなくて必ず舞台を見るんだ!そうだよね、ヨナ(犬の名前)?いやあ、ヨナはよくわかってるなあ。」とこんな調子だった。先生がレッスンを中断したのでどうしたのかと思うと、全員でセルフィーを撮ろうとワクワク顔だ。それを嬉しそ
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます! 2017年の目標はずばり、ヨーロッパで仕事を見つけること。音楽の道に進むと決めた時に、親に30歳くらいまで学生をすることになるかもしれないと言ったその30歳に、今年なろうとしている。これまでに金沢と東京でそれぞれ1年ずつ働いた期間もあったけど、基本的には学生という身分で勉強中心の生活を送ってきた。ベルリンに来てもうすぐ2年、そろそろ次の段階へ踏み出したい。フリーランスの音楽家というげっそりする程不安定な生き方を選んだことを
現代音楽のプロジェクトでお世話になった作曲科の教授に誘われてクリスマスパーティーへ行ってきた。招待メールがやけに詩的だなあと思っていたら、本文にクリスマスソングがいくつ隠されているかを当てるゲームだったようで、正解発表の後みんなで全部歌った。みんな楽譜も見ずに楽しそうに歌ったり綺麗にハモったりしていたけど、私は今年積極的に取り組んだ現代音楽の影響か、(意図せず)前衛的なハモりを試みては、和声学の教授にチラチラ見られたりした。その後ピアノの即興演奏があったり声楽家の友達が歌った
ベルリンフィルの立ち見券が私の2人前で売り切れてしまったので、シュターツオーパーのボエームを観に行ったらなんと、芸大の同級生に5年ぶりくらいにばったり!目が合ってお互い「あれ、もしかして・・・?」ってなってからのスローモーション感が無駄にドラマチックで面白かった。世界は狭いなあ。
生まれて初めて本物のクリスマスツリーを買った。いい匂い。この時期になるとベルリン市内のいろんなところでモミの木が売られていて、小さいものから2メートル以上あるものまであり、選ぶだけでもワクワクする。年が明けるとみんな窓から木を投げるらしい。ベルリンからポーランドを抜けてリトアニアまで車で旅行した時に、森の中で背の低いモミの木が沢山栽培されているのを見た。投げられた木はまた森で育てられるのかなあ。それとも古い木は燃やされて、毎年新しく育てられているのかなあ。 週一で教えて
職業を聞かれて「指揮者です。」と答えた時、「え、指揮って、これ?」と言われる「これ」の仕草を集めた動画を作りたい。「チェロを弾きます。」と言った時の「チェロってこれだっけ?」の「これ」も。4人に1人くらいはチェロ肩に乗せちゃってる。
サー・サイモン・ラトルが学生オーケストラのリハーサルで最後に言ったこと。「明日から練習時間を1時間減らして、その分本を読みなさい。ただし読んだことを鵜呑みにしてはいけません。」さーて、アンパンマンでも読もうかな。
スーパームーンが出る夜、飛行機に乗った。機内も消灯されてうとうとし始めた頃、ふと窓の外を見るとあまりに明るい月があった。その存在感に圧倒され、ああ、こんな月を見られることはもうないかもしれないと感動して眠りに落ちた。目が覚めてもう一度外に目をやると、そこにはやはり月があった。月の模様が見えないほど強く発光していて、なんだか心を見透かされているような気持ちになる。今日もどこかで月に代わってお仕置きしているであろうセーラー戦士に想いを馳せて、普段あまり持ち合わせていない正義感みた
「ドイツ人は熱々のじゃがいもを口に含んで喋ってる」説が証明される日はまだかなあ。
想像してみてほしい。 落ち葉の絨毯の下に何かが隠されているかもしれないことを。 思いを馳せてみてほしい。 秋晴れの朝、清々しい気分で家を出た数分後にその隠された何かを踏んでしまった小さなアジア人に。 持ち帰るとかはもはや期待してないけどさ、ワンさん(ドイツの犬はワンちゃんってガラじゃない)たちよ、せめてもう少し隅の方にしてくれ。
最近受け入れられなかったこと。日本人の友達と話していて、「ドイツ人の彼氏が最近漢字勉強してるんだけど、『もちいる』って字と井戸の『い』って字の見分けがつかないんだって〜あはは」と言われた時に、モチイルの漢字がパッと浮かばなかったこと。だって日常会話で意外と用いないよ、用いないよ!