月を超える

スーパームーンが出る夜、飛行機に乗った。機内も消灯されてうとうとし始めた頃、ふと窓の外を見るとあまりに明るい月があった。その存在感に圧倒され、ああ、こんな月を見られることはもうないかもしれないと感動して眠りに落ちた。目が覚めてもう一度外に目をやると、そこにはやはり月があった。月の模様が見えないほど強く発光していて、なんだか心を見透かされているような気持ちになる。今日もどこかで月に代わってお仕置きしているであろうセーラー戦士に想いを馳せて、普段あまり持ち合わせていない正義感みたいなものが自分の中にもあるような気さえした。月が人間の心身に与えうる影響というのは想像以上に大きいのかもしれない。


まあ、飛行機の翼のライトだったよね。スーパームーンというかなんだ、月を超えた何かであったことは間違いないね。機内食も急にまずいし、月の力を信じて字幕なしで観始めた映画はちんぷんかんぷんだし、私のロマンチック飛行を返せ。

ということで、ただいま日本!恒例のムスカ大佐ごっこ(着陸前の”人がゴミのようだ”からの、空港にて”読める、読めるぞ!”)を済ませて、早速うどんにありつく。月見うどんなんて日本人は洒落た名前つけるよね、ほんと。

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