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✓タルト・タタンの夢

▽あらすじ
カウンター7席、テーブル5つ。
下町の片隅にある
小さなフレンチレストラン、ビストロ・パ・マル
のシェフは、10年以上もフランスの田舎の
オーベルジュやレストランを転々として
修業してきたという変わり者。
無精髭をはやし、長い髪を後ろで束ねた
無口なシェフの料理は、
気取らない、本当のフランス料理が好きな客の
心と舌をつかむものばかり。
そんなシェフが、客たちの巻き込まれた
事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。

▽印象に残ったフレーズ

「それにしても変わってると思いませんか。
この箱、23個入りなんですよ。
ほかにも19個入とか、29個入とか
そんな数の詰め合わせばかりだそうです。
変わった店ですよね。」
「どうしてそんな数なんだろう。
単なる悪戯心なんだろうか、
と思っていましたが、
あなたの話を聞いてわかりました。
これは、あなた方のお母さんのような
人たちのためなんだって。」
「もしかして、もう少なくなったかもしれないけど、
たしかいどこかにはいる、
『わたしはいいから。
あんたたちで食べなさい。』という親のため。
食べる人間が二人であろうと、三人であろうと、
必ず端数が出る数で、
詰め合わせを作ったんじゃないですか。
人数で割り切れず余ったなら、
『わたしはいいから』と言っていた人も
食べてくれるのではないでしょうか。』

▽感想
フランス料理の名前や作り方
どんな特徴やどんな盛り付けなのか
どんな時に食べるものなのか、
小説なのにフランス料理に詳しくなれそう。

どれも謎が食べ物からきていて
構えず、ゆったりと読めるのが凄く良かった。

タルト・タタンの夢/近藤史恵/東京創元社 創元クライムクラブ

↳単行本

↳文庫本
 試し読みもありますので、ぜひ

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