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✓犯人に告ぐ/雫井修介

▽あらすじ
川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、
ついに神奈川県警は、
現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。
白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、
記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった。


▽感想
Audibleで視聴。

巻島のかつての失態がメディアの生々しい姿と一緒に書かれており、
記者に腹が立ったり、巻島の対応にハラハラしたりと、
そんな冒頭から始まる。

そんな中で、児童連続誘拐の名前が付いてしまうほど、
事件は大きくなってしまう。
人前に出るというのは、なかなか厳しい現実を
突きつけられるのだなと思わされた。

失態を犯し、6年後に帰ってきた巻島は
なかなか硬派でダンディになっていた。
ナレーターの演技も相まって
ちょっとやそっとの風じゃ倒れない
頼もしい捜査官になっていた。


劇場型捜査という名前があるのは初めて知った。
警察の縦社会や、裏の顔、様々な思惑が渦巻く中で
巻島や信頼できる仲間と一緒に
弱みをみせるどころか、真っ向から
あの失態を犯した原因ともいえる
メディアを使いこなし犯人をあぶりだしていく。

そんな巻島たちの姿がかっこよかった。
そしてそれからのタイトル。かっこいい。


✓犯人に告ぐ/雫井修介/双葉文庫


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