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Andante Favori WoO 57 L.v.Beethoven
ぼくの好きな曲。
以前からいつか弾きたいなと思っていました。
「お気に入りのアンダンテ」なんてベートーヴェンらしくない、可愛らしいタイトルが付いていて(自らの発案かはわかりませんが)、曲も終始穏やか。特に何かドラマが生まれるわけでもなく淡々と同じメロディが繰り返されます。
でもはじめて弾いたときから「いいなぁ」とぼんやり感じていました。
あとでこの曲があの「ヴァルトシュタイン」ソナタ に組み
居心地の悪い美しさ、2020→1778 モーツァルトのイ短調
ピアノソナタ 第8番 イ短調 KV310
W.A.モーツァルト
中学時代だったか、このソナタに夢中になった。ただただかっこよかった。冒頭の打ち鳴らされる左手はとてもロックだし、その後突然現れる2組の和音の反復進行はとても切なく響く。短調は若者にはセンチメンタルに訴える。
そんな時期も通り過ぎると、ぼくはこのソナタとは距離を感じるようになった。彼の底抜けに明るく楽しい音楽を知ると、このソナタ
フランツ・シューベルト 2014年リサイタルプログラムへの覚書
「フランツ・シューベルト」
次の講義へむかうため、一人廊下を歩いていた。頭に大きなヘッドフォン、鞄にポータブルCDプレイヤーをしのばせて僕は音楽を聴いていた。ずいぶん昔、大学の一年か二年の頃。いつもと変わらない午前のひと時。
しかしある瞬間、僕は立ち止まる。歩くことができなくなる。僕が聴いていたのはシューベルトの交響曲ロ短調、俗に「未完成交響曲」と呼ばれる曲の第一楽章だった。
当時僕は見境なくた