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映画カプリコン1を観た ~火星探査は地球で撮れ!~

どうも初めましての方ははじめまして、こんばんはの方はこんばんは諸星モヨヨだ。
今日は少し古い映画のお話。

皆さんは陰謀と聞くとどんなことを思い浮かべるだろう?

恐いとか、眉唾とか個々人によって感じ方は様々だろうが、私は何処か胸の高揚を覚えてしまうのだ。

前の記事でも書いたと思うが子供の頃の私はUFO大好き少年だった。その影響でオカルト全般に興味関心を持っていた。
(当時、主要科目にオカルトがあったら絶対に評価は良であろう)

オカルトのジャンルの一つに陰謀論と言う物がある。
ケネディの暗殺やフリーメイソンなどリアルな物からぶっ飛んだものまで沢山ある。

中でも少年の僕の心を躍らせたのは『アポロ計画陰謀論』だ。


有名なので知っている方もおられると思うが、早い話が『アポロは月には行ってねぇんだよ!ばーか!』っという陰謀論だ。


お恥ずかしいことに私はこのアポロ月行ってない説を信じていた。


アポロ陰謀論を語る資料に述べられている、月に行っていないという根拠はどれも妙に信憑性があり、小学生の私はとんでもないことに気づいてしまったと、周りの友達や家族へ吹聴するほどだった。

特に疑惑が深い、月面に着陸した映像。
これは全てスタジオで撮影され、しかも撮影したのがスタンリーキューブリックだと言うのだからクソガキは「アメリカ、やりおったな。でもキューブリックはすげぇな」と思っていた。

さて、『カプリコン1』はそんな宇宙開発に関する陰謀を巡る軽快なアクション映画だ。


公開は1977年 監督はピーターハイアムズ。(マックイーンの遺作で有名なハンターの監督 2001年宇宙の旅の続編、2010年の監督をしている)

ストーリーをざっくり説明しよう。

人類初の有人火星探査ロケット『カプリコン1』の発射直前、宇宙飛行士 ブルーベイカー、ウィリス、ウォーカーの3人は突如、ロケットのコックピットから退出を命じられる。
なんと、打ち上げ直前にロケットの不調が見つかり、予算や世間体の関係から打ち上げ断念は出来ないという。
というわけで、3人は国家ぐるみのやらせに参加することになる。
火星着陸撮影(地球スタジオ)や家族との感動的な交信も無事終わり、あとは地球への帰還を残すのみ。
しかし、地球へ帰還するロケットが大気圏で大爆発してしまったからさあ大変。
自分達は死んだ人間になったと気づいた宇宙飛行士たちは撮影していた基地から脱出を図るが……

「面白くなかったら、入場料をお返しします」という売り文句も素晴らしい。
加えて、日本の方がアメリカよりも公開が先だったというのも興味深い。
よほど、自信があったのであろう。

こういう売り文句は大抵期待外れや、肩透かしを食らう事がほぼだが、本作はそんな売り文句も遜色ない出来だ。

地球で撮影してるとバレないよう、様々な作戦と技術がなんとも泣かせてくれる

まず、撮影場所として作られた火星のセットがなんとも火星っぽい。セットを作ったやつはきっと火星マニアだ。

他にもこちら、記念すべき火星に人類が降り立つ瞬間。


火星の重力は地球の3分の1しかない。となると必然的に宇宙飛行士が火星へ降り立つと、ポンポンと地面を跳ねて歩くはず。(アポロの月面着陸映像にも似たようなのがあっただろう?)

しかし、見た目は火星でもここは地球。
さあ、どうするか?
そう、降り立つ瞬間をスローモーションにしちゃえばそれっぽくね?って事でしっかりと遅回しで世紀の瞬間を見せてくれる。

地球にいる家族との感動的な交信も実は地球上同士の会話……
宇宙飛んでまっせと必死に演技する飛行士達もどこか哀しい。


そして、本作の見せ場は宇宙飛行士たちの逃走劇


砂漠のど真ん中に作られた極秘撮影所から逃げ出した三人。


しかし、周りは何もない砂漠
3人は1人でも多く生き残り、真実を世間に公表する為、それぞれバラバラの方向へ逃げて行く。

それを追ってくるのが2機のヘリ。
真っ黒いこのヘリは本当に不気味だ。
操縦席が黒い彩色の為にパイロットが一切見えない。だからなのか、まるでヘリが生きてるような錯覚さえ受ける。(現に鼻っ柱を突き合わせ何やら相談をしているような描写もある)

一見すると荒野はだだっ広い開けた場所のようだが、その実荒野は巨大な密室。
何処逃げ場はないのだ。(この感じはヒッチコックの北北西に進路を取れに似た物を感じる
前半の陰謀論とは対照的に必死の逃亡とアクションが展開される。

そんな緊迫のアクションを展開して行きながら同時に“なにか“に気づき、不正を暴こうとする記者の謎解き的な要素もある。
この二つが見事に混ざり合い、凄まじいテンポの良さでストーリーは展開して行く。

加えて言っておくなら、宇宙飛行士の一人は元妻殺害事件で色々と話題のO.Jシンプソンだ。(彼、この時期の映画に幾らか出ているのでそちらも確認されたし

そして、なんといっても最大の見どころは例のヘリと複葉機のチェイスだ。
こればっかりは言葉では全くその凄さを説明できないのが歯がゆい。

嘘みたいな複葉機とヘリの空中戦はどう考えてもCGにしか見えないが……むろんこの時代にCGなど存在するはずもない。
つまり、この空中チェイスはすべて実際に撮影された物なのだ!

そして、映画のラストは一度見ると忘れられない展開が用意されている。

そんなこの作品には、こんないわくも残っている。
当初、この映画の撮影にはNASAが関わっていたというのだが、映画の内容が陰謀めいたものだと知るや否や突如、非協力的になったというのだ。(これには結構諸説あるみたいです)


こ、これはもしや!


やはりNASAは月に行ってなかったのかぁッ!



PS:古い映画だと嫌悪せずにぜひ見てもらいたい一本。ほんと息をもつかせない展開の連続なので。
ニンジャチアリーダーという映画を借りたのでそのうち感想書きます。




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