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リモート英会話(弟)と塾英語(姉)

小学校高学年から英語の授業が始まるのに備えて、娘が4年生になる前の2月頃から学習塾で英語を習わせることにしました。
我が家では自宅学習で基礎的な学習能力を育むをことを志向していましたので、これまで通信教育や勉強系の習い事はしてきませんでした。
私が教員免許を取得した当時、英語は小学校全科に含まれていなかったため、どう向き合っていいのか分からなかったこともあり、一度、プロのやり方を見てみようと考えました。

なぜ英会話ではなく塾英語なのか

英語の能力としては、読む(Reading)、書く(Writing)、聞く(Listening)、話す(Speaking)がありますが、どこから始めるかには、発達段階と個々の性格、一人一人のキャリアイメージが重要と考えています。
現在4年生の娘は、以下のような性格です。

・リスクに敏感でよく考えてから慎重に行動する
・失敗の可能性のある新しいことよりも、確実に結果が出る慣れたものを好む
・たくさん記憶するのは得意ではないが法則を見つけて応用して解くのは得意
・絵や手紙は好きだけど瞬発的なコミュニケーションはちょっと苦手
・本を読むのが好き

発達段階としても、日本語とカタカナ英語の響きの中で生活し、日本的なコミュニケーション様式の中に日々生活しているので、既にしっかりと英語との間に壁が形成されていました。

従来型の手順でOK

その上で、まず娘に期待したのは、英語が分かることによる知識や技術の広がりを感じて欲しいということでした。それは街中で見かける英文の意味が分かったり、パソコンでローマ字入力が出来るようになったりといった喜びや感動のことです。
従来の受験英語の手順:読む(Reading)→書く(Writing)→聞く(Listening)→話す(Speaking)で構わないので、英語に親しみを持つところから始めて欲しいと思いました。

よく日本の英語教育は使えないと批判されますが、実際、一般の人が社会生活において、聞く(Listening)、話す(Speaking)が必要とされるシーンは1年に一度あるかないかではないかと思います。書く(Writing)ことも単語程度で、文章を書くことはほとんどありません。日常生活の中では、なんだかんだと読む(Reading)スキルの需要が一番大きく、価値があると感じています。
ですので、読む(Reading)を重視して学習を進めることはそんなに否定されることではないのかなと考え、娘にはそういったアプローチで英語に取り組んでもらうことにしました。

比較検討の結果、塾として選んだのは、馬渕教室です。

読み書き重視だから進学塾でいいんです

関西地区では進学系の塾として拠点が多く、あの「今でしょ!」の林先生でお馴染みの東進衛生予備校も同じグループで知名度も抜群です。優秀な生徒を集め、有名な学校に送り込むことに力を入れており、入塾説明会も終始受験を意識した内容でした。今後、受験対応能力ではなく、一人一人の生きる力が必要な時代になってくるであろうことは分かりますが、同時にそういった変化は世間で騒がれるほど早くないということも身にしみて分かっているので、現実的には、現状の試験制度に適応することが重要という説明自体は違和感無く受け入れられました。むしろ子どもの自主性、多様性を活かすというコンセプトの割に、進学系の塾の批判を一方的にしていた学習塾もあり、そちらの方が話に矛盾を感じました。
進学塾は「国語・算数」が基本なので、入塾に際しては「国語・算数も」と強く言われましたが、それらはまだしばらく家庭学習でいいかなと思ったので、英語だけにしました。
実際に選択したコースはこちらです。


馬渕教室「高校受験コース(小学英会話)」というもので、小学校4年生から始まるコースです。
週1回1時間程度でひと月なんだかんだと6,000円前後払っています。
※正式な金額は直接問い合わせて下さい
金額の費用対効果については、後半にリモート英会話と合わせて記載します。

ざっくりと私の印象をまとめると以下の通りです。

・店舗が多いので身近にあり、通学負担が少ない。
・英語専属の講師(日本人)が付き、CDやテキストが充実している。
・定期的に一斉テスト(国語、算数だが英語飲みの生徒も受験可)があり、
 結果(全体の中での順位)がフィードバックしてもらえる。
・宿題も出るので、子どもは少し忙しい。
・宿題の成果を確認する上でも小テストがある(緊張感あり)。
・保護者への連絡がしっかりしている。
・オンラインコンテンツも充実しており、自主学習を支援してくれる。
・コロナ禍ですぐにZoomに対応するなど、時代の変化に敏感。
・小学校の段階では英語はあくまで国語、算数のオプション的扱い。
・発音、リスニングも意識したカリキュラムになっている。

資本が大きいことによる安心感があり、組織として体型だったものを感じます。
コロナ禍の連絡、対応、対策もしっかりしていました。
授業自体は受験を意識しているので、会話を楽しんで終わりというわけではなく、必ず読み書きもセットになった通常授業に近いものです。

英会話コースから入らないと少し辛いかも

しばらく通わせて様子を見ていると、娘が授業が分からないと言い出しました。よくよく聞いていくと、会話のやり取りの前に、単語の発音のところでつまづいているようでした。
塾では母音の発音(a,i,u,e,o)と子音の発音(k,s,t,b,…)を組み合わせてkickやsingと言った英単語を発音する練習を行います。日本語的発音の癖を作らないためにも正しいアプローチだと思うのですが、ローマ字も読めない状況で、母音と子音それぞれの音を耳で記憶して、それを組み合わせ発音するというのは、既に日本語耳になっている娘にとっては、ハードルが高かったようです。
特にコロナ禍では講師もマスクをしているので口元の動きが分からずイメージがしにくいということもありました。
ですので、発音を補足する意味でローマ字読みが出来るように家庭で補完してあげることにしました。例えば、暗号クイズのように家庭内の伝言などをローマ字で記載してみたりして、平仮名→ローマ字→英語読みという順でアルファベットの音を記憶する練習をしました。
そうすることで英単語を見た時に分からず真っ白になるのではなく、なんとなくローマ字読みからヒントを得られるようになりました。
すっかり前時代的な教え方になってしまいましたが、塾のカリキュラム自体がそれまでに英会話等のコースを選んでいることが前提にあるようで、小学校4年生からスタートして、いきなり発音とリスニングを重視したやり方に追いつくには、少し仕方が無いかったかなという気もしました。

とはいえ、今のところは順調に進んでおり、単語を覚えることにもやりがいを感じるようになり、テストで点が取れるのを本人も喜んでいます。
先行して、塾でやっていることで、学校の英語の授業では既視感があるようで、塾で出遅れても学校では先行して進めていけるのも良かったのではないかと思います。

あなたは誰ですか?私はケンジです。

塾でもカリキュラムの進行は、発音系のメニューが増え、ローマ字が無くなったこと以外は、我々は学生の頃に学んだ順番とあまり変わりません。
どこから来たとか、何歳だとかそう言ったことから順に1人称、否定形、疑問形と進みます。文法が難易度に沿って進行していくのが特徴的です。
かなり単語の記憶に力を入れているのが、学校の授業ではない塾としての特徴かもしれません。

息子は海外とのリモート英会話で真逆のアプローチ

ここまでは、娘について書いてきましたが、実は同じくらいのタイミングで、今年から幼稚園の年長になる息子に関しては、海外のネイティブとリモートで繋いで行う英会話を実験的に行っています。先に書いた娘のアプローチとコントラストが効いていて面白かったので、参考に記載します。

まず、現在幼稚園年長の息子の性格は以下の通りです。

・考えるよりも先に行動する
・人見知りをせず、知らない相手でも積極的に話しかける
・話を聞いてロジックを理解するのは苦手だが、記憶力とノリで我流で身につける
・書くよりも話す方が好き
・落ち着きがなく、動いていないと死ぬタイプ

簡単にいうと娘とは真逆のタイプです。
発達段階としては、一通り、ひらがなもカタカナも読めますが、まだ情報の入力を眼と耳に頼っているので、耳の感度が高いです。
大人のように新しい言葉を書き言葉にして記憶するのではなく、音のまま格納しているようです。
なんとなく性格というかノリがラテンなので、英語を覚えるというよりは、英語圏の感覚に親和性があるのではと思い、ネイティブによる英会話環境が提供出来ないかと考えました。

リモート英会話がちょうどいい

ネイティブに教えてもらえる環境となると、かなりロケーションが絞られます。
比較的都市に住んでいるので、市内にそう言ったスクールもありますが、通うのに大変だったり、高価だったりしてなかなか良い選択肢がありませんでした。
訪日している外国人と直接契約するサイトもあり、そこには比較的たくさんの方が登録していましたが、当たり外れが大きそうで、話をする場所も毎回カフェ等でやるわけにもいかず、採用にいたりませんでした。
そんな中、リモート英会話という選択肢を見つけ、以下のサイトにたどり着きました。

ハッチリンクジュニアは、スカイプを使ってフィリピンの講師と英会話を行うサービスです。リモート英会話のサービスはいくつかありますが、子どもに焦点を当てているのが特徴的です。
コースと料金は以下のようになっており、ひと月あたりの回数で金額が決まります。我が家はエンジョイコースです。(※金額は記事掲載時のものです)

・エンジョイコース:4回/月 2,760円 週1回
・習い事コース:8回/月 3,686円 週2回
・しっかり学習コース:12回/月 5,370円 週3回
・上級者への道コース:16回/月 7,222円 週4回
・ネイティブへの道コース: 20回/月 8,797円 週5回
・プレミアムコース:30回/月 11,111円 週6回以上

決済は、クレジットでPay Palを通じて支払います。
毎月決済で、決済されるたびに、ポイントが付与され、そのポイントを使って1ヶ月先までの講師の予約ができます。
講師のスケジュールの空きを見て、自分の都合が良い時間にレッスンを入れるイメージです。1回のレッスンは25分です。

講師選びが重要

このサービスで重要な点は講師選びです。
人気の講師ほど、予約がすぐ埋まります。
幸いたくさんの講師が登録されているので、予約自体はなんとかできますが、1ヶ月先までしか予約ができず、毎月予約作業を繰り返すのは、結構手間に感じます。
気に入った講師に出会うと、ずっと予約を入れたい気持ちに駆られます。
選ぶ際には、簡単なプロフィールや授業を受けた方のコメントなどがあるので、慣れてくるとなんとなく傾向が見えてきます。
日本との休日が異なっていたり、隙間時間を生かして参加している講師も多いことから講師と生徒の日程が合わないことが多いです。
うちはまだ幼稚園児なので、帰宅時間も早いことから平日に利用でき、時間に融通が効きますが、休日しか時間がない人は、講師も時間帯もかなり制約されると思います。

お家でできて、家族も参加できる

このサービスの非常に良いところは、兄弟や家族で参加しても良いということです。後で説明しますが、子ども一人で参加することは想定されておらず、保護者と一緒に参加することを前提としているため、接続先の参加人数に関しては、比較的おおらかです。
私が参加することもあれば、妻が参加することもあります。
息子だけでなく、上の娘が一緒に参加することもあり、娘は塾で英文法を、家では英会話を学ぶことが出来、兄弟で参加すると費用対効果が高いです。
我が家ではiPadにスカイプのアプリを入れて、繋いでいます。
事前に予約した時間になる少し前にアプリを立ち上げておき、時間になると講師から接続に来るという流れです。
初めての講師の場合は、10分前くらいに承認依頼の通知がスカイプ上にありますので、そこで承認しておく必要があります。
家の中ですぐにできるので、お迎え等の手間がなく、ギリギリまで家事などができるため、時間を有効に使う事ができます。
特にここ数ヶ月は新型コロナの影響で店舗型は臨時対応を余儀なくされましたが、ハッチリンクジュニアは通常通り利用する事ができ、大変助かりました。

いきなり通常会話

ハッチリンクジュニアの講師のほとんどが日本語を話しません。
繋がった瞬間から英語での日常会話が始まります。
聞き取りやすいスピードで難しい表現は使わないように気を使ってくれていますが、WhyやWhatはもちろん、CouldやWouldを使った表現や過去完了も繋がった瞬間からどんどん飛び出します。
日常会話においては、文法の簡単な順に話すのではなく、コミュニケーションとして確認が必要なことから話す訳ですので当たり前ですが、文法中心の英語学習と英会話との違いを感じさせられました。
もちろん、息子も何を聞かれているかは分からないので、最初は保護者が聞き取って通話をする必要があります。ですので、保護者にも中学校卒業レベルの文法知識とヒアリング能力が求められます。
もっとも会話が全て聞き取れなくとも"how Old〜""what Day〜""〜favorite Food〜"といった具合に、大事なところを強調して話してくれるので、求められていることは大体分かります。子供も慣れてくるとキーとなる単語を聞き取って答えられるようになってきます。
保護者の方で最初やりとりに不安がある時には、日本人の講師を選択することもできます(ただし、外国人講師2回分のポイントを消費します)。

お調子者と相性がバッチリ

息子の実際の反応としては、最初はちょっと緊張していましたが、早々に慣れ、会話を楽しむようになりました。最近では自ら質問もするようになり、講師との距離もどんどん縮まっています。
毎回、「何してた?」「何食べた?」みたいな会話から単語ではなく、きちんと文として回答が出来るよう優しく教えてくれます。例えば"How old are you?"と聞かれて"6(six)"と答えると"Good!"と褒めた上で、"I'm six years old"と言ってみようという感じで根気よく繰り返すことで定着するよう進めてくれます。
途中で先生が変わってもそのあたりは進捗を引き継いでくれる仕組みになっています。
講師によって、この辺りの文法をきちんとやらせるタイプと、ノリでどんどん会話を盛り上げてくれる講師がおり、我が家ではとにかく楽しくを大事にして、息子と波長が合うノリ重視の講師を選択しています。
講師それぞれに子どもを楽しませるメソッドを持っており、スカイプの画面共有機能を使って絵で楽しませる講師や、お菓子やおもちゃなど子供が興味のあるものを持ち込み、それを使って授業をする講師などもいます。
全体的に砕けた普段使いの英語なので”yummy!”みたいなスラングっぽい単語もいくつか出てきます。

子どもだけでなく家族で英会話

我が家では、子どもたちが英語学習を始めたタイミングで家族でも英語で話す機会を増やし、英語でのコミュケーションが日常になるよう努めています。
まず、外国の方との会話を前提にしたものではなく、もっと普段子どもと話していることを英語に置き換えられないかと色々調べて見ました。その中で、以下の本を見つけました。

「トイレ行った?」「手伝おうか?」「朝ご飯できたよ。」「お茶ちょうだい!」といった会話がシーンごとに掲載されており、CDも付属しています。

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我が家では、息子と毎日数ページCDを聴きながら読む習慣にしていますが、大人のパートを覚える前に息子の方がどんどん子どもパートを覚えて使うようにありました。
こちらが日本語で話しかけても、"I'm still sleepy."とかご飯を食べ終わったら"I'm done."と言って席を立ちます。先日、外出先で後ろから脅かした時には、反射的に"Who are you!"と言われてこちらが驚きました。
とにかく息子は英会話との相性がよく、スラング的なものからどんどん覚えて積極的に使ってきます。ですので、こちらがそれに英語で答えるのに必死です。
私も妻も英語が得意な訳ではないのですが、おはようとおやすみ、行ってきます。と言ったやりとりぐらいは最低限英語で行うようにして、少しづつ家の中で英語で会話する機会を増やすように心掛けています。

音で記憶する時期、頭で整理しながら理解する時期

子ども二人を見て思うことは、ListeningやSpeakingがメインの英会話は、日本語の会話が単語ではなく、文として話す事ができるようになる4〜6歳くらいまで始めると、文字がなくてもそのまま音として記憶して、扱う事ができるので、抵抗なく始められるのではないかということ。反対にそれ以降となると、全ての情報が文字に置き換わって(特にカタカナに変換されて)届くようになるため、英語独特の発音をそのまま受け取る事が難しくなるのではと感じます。
では、英会話の先にReadingやWritingが可能にあるステージがあるのかというと、それはまだ今のところ分かりませんし、別のアプローチが必要な気がしています。

子どもが英語でコミュニケーションできるようになるには

ただ、子どもが英語を話したり、書いたり、読んだり、聞いて理解したり出来るようにするためには、何が必要かについては、ここ数ヶ月で明確な答えが出ました。
それは、

大人がまず英語を使ってコミュニケーションができるようになる事です。

私も受験英語はやりましたし、キャリア開発のためにTOEICの勉強をした時期もありました。もう少しうまく話せるようになりたいと、発音に関して本を買ったりしてトレーニングしたりもしました。
でも、セサミストリートでエルモがなんて言っているか分かりませんし、フルハウスさえ吹き替えでなければストーリーが追えません。
ただ、なんとなく、もっと普段使いするところからやっていけば、とりあえず家族の中だけで進めていけば、間違えても気にする相手もいませんし、使う機会も多いので、記憶力がどんどん衰えていっている私でも少しは身につくものがあります。
そんな感じで、 Googleなんかで検索しながら日常会話を一つづつ英語に置き換えていく事で子どもたちが自然と英語に親しむ環境が作れたらと思います。
先日も、「今やろうと思ったのに!」という表現をどう言えば良いか調べて、"I was just about to start!"という表現を見つけました。良い表現だなと思ったのですが、こんな表現を調べている暇があったらもっと"Just do it!"でなければならないなと思った今日この頃です。


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