見出し画像

子どもの興味を学習に利用する

我が家では、子どもの興味に着目して、それを自然な形で学習に反映できないかと日々試行錯誤しています。
今回はその活動の一端をご紹介します。

子どもの興味と親の意向のギャップ

子どもの興味を学習に反映するという活動は、特に珍しいものではなく、皆さんのご家庭でもごくごく普通に取り組んでおられると思います。
列車が好きな子にトーマスのパズルを買ったり、アンパンマンが好きな子にそのブロックを買ったりということが既にそういうことです。
3歳ぐらいまでは、目新しささえあれば与えたもので遊んでくれるのでそんなに難しくはありません。

問題は4歳ぐらいからです。この頃になると好き嫌いが明確になり、子どもの欲しいものと大人が与えたいものにギャップが出てくる頃です。
男の子は仮面ライダー、ヒーロー戦隊。女の子はプリキュアやアイカツなど。
おもちゃから知育要素が消えていくのもこの頃です。。
ベルトを買って、キャクターごとのカートリッジやカードを買って…という具合に商業的要素が増していく中でバンダイさんに多額のお布施をしてきたのは我が家だけではないと思います。

教材臭さに子どもは敏感

この時期、もう少し知育要素のあるものを子どもに提供できないかと探すと、「ドラえもんと学ぼう」とか「ディズニーキャラクターと一緒に」といったタブレットやパソコンの形をしたおもちゃが販売されています。

ただ、もうこの頃になると、一度現代文化に触れてしまった先住民族のように、子どもも興奮やスリルの無い「教材にキャラクターのデザインが付いたもの」には反応しなくなります。
物珍しくて遊ぶ事はあっても長続きしません。

興味をとにかく膨らまし、学習まで持っていく

では、どうしたら良いのか?
我が家では、知育要素のあるモノの中から、子どもの興味を引くものを探すのをやめて、知育要素につながるところまで、子どもの興味を膨らませてみることにしました。

具体的には、その時子どもが観たいと思っているアニメやテレビをガンガン観せます。ここでポイントは2つ。

・世界観が広がるよう出来るだけいろんなシリーズを観せる
・大人も大体どんなものか把握できるレベルで目を通す

例えば、娘が小さい時にはプリキュアにハマっていましたので、過去の放送を見せたり、プリキュアオールスターズという過去のキャラクターがたくさん登場する映画も観に行きました。
息子は仮面ライダーやヒーロー戦隊が好きだったので、最新ライダーだけでなく、平成昭和のライダーも観せました。

動画見放題サービスを使い倒す

画像1

ただ、たくさん見せようと思うと、コンテンツの購入費用が馬鹿になりません…。

そんな時、役に立つのがAmazon primeビデオです。

いちいちDVDを買っていては追いつかないので、Amazon prime ビデオのような動画見放題サービスを活用して、コンテンツの幅を広げます。
別にNETFLIXやHuluでも構いません。

ちなみに我が家は、Amazon fire stickとApple TVを使って、リビングのTVにいろんな動画コンテンツを集約できるようにしているので、テレビを観るのと同じ感覚で映像コンテンツが提供できます。

※この辺りの環境設定については、以下の記事にまとめています。

少し、話が逸れましたが、とにかくたくさんのシリーズやキャラクターを観せることでどういう効果があったかというと、キャラクターの名前や技をたくさん覚えるようになります。

そうなってきたらその後はキャラクター図鑑の出番です。

子供にとってキャラクター図鑑はカタログギフト

大人になって、めくるだけでも楽しいと思える本って何かありますか?
確かに素敵な写真や美味しそうな食べ物が載っていたら眺めるだけでも楽しいかもしれませんね。
でも、子供にとってのキャラクター図鑑って、もっと興奮するアイテムだと思うんです。
カタログギフトや回転寿司、デザートバイキングなど、欲しいものが手の届く位置にある興奮がそこにはあるんじゃないかと思います。
「テレビで観て覚えたキャラクター以外にも、こんなに登場人物がいるなんて」と、広がる世界の大きさに心地良い敗北感すらあるのでは無いかと思います。
我が家ではこの興奮を最大化して、たくさんの言葉を覚えること、そして、たくさんの言葉を覚えることで生まれる新たな疑問に向き合っていくプロセスが上質な学習体験に繋がっていくと考えています。

分かりやすい例でいうと、キュウレンジャーという戦隊ものがあります。
キュウレンジャーは9つの星座を模したキャラクターになっており、覚えていくことで星座に関する興味も出てきます。「僕は何座なの?」「じゃーお母さんは?」といった形でキャラクター以外の世界に広がっていきます。

ここまでくると、今後は「しりとり」や「いくつ言えるかゲーム」で知識バトルです。

子どもがパパやママに勝つ経験

図鑑を読み込むようになると、子どもの知識が一気に膨らみます。
そんな時効果的なのが、キャラクターに因んだ「しりとり」や「いくつ言えるかゲーム」です。
ドライブ中、買い物の待ち時間など、退屈しのぎに気軽にやってみることをお薦めします。我が家はおやつタイムや食後によく子どもが勝負を挑んできます。

ポイントは、上手に子どもに勝たせてあげることです。

普段の生活で、子どもが大人に勝てる機会ってなかなか無いんじゃないかと思います。弱すぎてもダメなので、子供と一緒にテレビや図鑑を観たりして、一緒になって覚えることも大事です。
そんな大人に自分の好きなものを観て、それを本で覚えて、知識で勝てたら、きっと良い成功体験になると思います。

上手に負けて博士と呼んであげて下さい。

ここまでくると、興味から知識を広げる感覚、習慣が身に付き、その過程でひらがなやカタカナを覚えるといった副産物もあります。

我が家でこのプロセスが一番機能したのがポケモンです。

ポケモンGOから始まったマルチメディア学習

画像2

きっかけは、2016年のポケモンGOフィーバーです。
私自身は幼少期ポケモンで遊んでおらず、キャラクターの名前もピカチュウぐらいしか知らない状態でした。ただ、テック系の流行には敏感で、twitterやfacebookも日本でローカライズされる前から使っていたりしました。
ポケモンGOもそのプロトタイプとも言えるIngressをインストールして遊び始めていて、ポケモン版が出るという情報を事前に把握していたので、リリース初日からインストールして使い始めました。

ポケモンGOで娘とカタカナ学習&体力づくり

ARとGPSをうまくゲームに融合していることに感心しながら遊んでいると、当時、幼稚園の年長だった娘が関心を示してきました。
早速、その週の週末に二人でポケモンを探しに近所に散歩に行くことにしました。
娘はインドア派で、普段、家で遊びたがるのですが、ポケモン探しであれば外に行くというので、これは体力づくりにも役立って一石二鳥だと感じました。
実際に、近所だけでなく、珍しいポケモンを求めて、二人で大型の公園などに出かけたりもしました。

当時は娘は、ひらがなは読めるものの、カタカナはちょっと自信がない状態でした。なので、ポケモンを捕まえても、最初はその名前を読んでくれと言ってきました。ただ、新しいポケモンが見つかる度に、早く見たい、早く知りたいという欲求の方が上回って、自分で読み始めるようなりました。

カタカナのドリルをやらせたり、トイレやお風呂にアイウエオ表を貼っても、積極的に読もうとしなかった娘が、スマホアプリで遊ばせているだけで、一生懸命キャラクターの名前を読もうとする姿に、不思議な感覚を覚えました。

娘はポケモンGOのおかげでカタカナを全て覚えたものの、私のポケモンGO熱の低下の影響を受け、しばらくポケモンからは離れていました。

第二次ポケモンGOブーム

下の息子が幼稚園の年中くらいになった時に、上の子の仮説を検証すべく、ポケモンGOを再開してみました。
下の子は、チャレンジスタンプの効果が的面で、学習意欲が高いこともあり、その頃にはひらがなは一通り読めるようになっていました。
ただ、カタカナについてはもう一つだったため、ポケモンGO散歩を息子と再開してみることにしました。

しばらくやらないうちに、捕まえられるポケモンの種類も2倍3倍に増えており、ゲーム性も上がっていることから、早々に息子もハマり、カタカナはあっさり習得しました。興味、関心はそれで収まることがなく、地上波で放送している最新のアニメシリーズでは次回までの放送が待てないため、Amazon prime ビデオで過去のシリーズを漁るようになりました。
姉が既に知っているので、二人で会話ができることも大きかったように思います。

ボロボロになるポケモン図鑑

アニメも見て、一通りわかってきた頃に、本屋でポケモン図鑑に出会います。
というかさり気なく書店に立ち寄り、気付かせます。
早速欲しいと言い出すので、チャレンジスタンプの報酬に設定することにしました。お手伝いやドリルをこなして、手に入れたポケモン図鑑は、宝物となり、時間を見つけては開いて、「○○が△△に進化するんだよ!」と教えに来てくれるようになります。
テレビを観ては、知らないポケモンが出てきたら調べる。
そんな日々がしばらく続きます。
その頃には、上の子と比べ、あまり絵を描かなかあった下の息子が、
ポケモンの絵を描き始めます。

NINTENDO SWITCH 第一号のソフトはポケモン

下の子のポケモン熱がピークを迎えたところに、ゲームという最大の燃料が投下されます。
NINTENDO SWITCHでポケモンのゲームが発売されるらしい。さらにそれは、ポケモンGOで集めたポケモン達も使えるらしい。という情報が子どもたちの耳にも入ったようで、なんとか手に入れたいという熱気が少しづつ高まってきました。
流石に、NINTENDO SWITCH自体は、チャレンジスタンプで買うには高過ぎたので、娘=チャレンジスタンプ1枚+特別チャレンジメニュー、息子=チャレンジスタンプ1枚を達成条件として、SWITCH本体とポケモンのソフト「Let'sGo イーブイ」を購入することになりました。

私も久々に据え置き型ゲームをしましたが、お金を掛けたソフトは、やっぱりよく出来ていて、アニメやスマホゲームでは、味わえない没入感があり、ちゃんとその世界に浸ることが出来るようになっています。
さらにポケモンは属性ごとの相性(水と火など)が大胆に調整されているため、強い敵に勝つためには、コツコツとレベルを上げないといけないゲームと違い、使うポケモンを戦略的に選ぶことで勝ち抜いていけるシステムであることがよく分かりました。
その辺が娘にはハマったようで、属性の相性を考えながら真剣な顔で遊んでいました。

ポケモンしりとり無双とポケモンでも友達づくり

こうなると、ポケモン以外にも技の名前やトレーナーの名前など、知識が圧倒的になり、「ポケモンしりとり」でもとても敵いません。
ですので、最近は、どうしても答えられない時は、スマホを見ても良いというハンデをもらっています。

想定外の効果としては、下の子がポケモンを通じて、よく友達を作ってきます。
もともと人見知りしない子なのですが、共通言語としてのポケモンを手に入れることで、きっかけを作りやすくなったようで、年上の子でもゲーム談義を仕掛けていきます。

学習への応用

ここまで十分に温まったポケモン熱を学習に使わない手は無いということで、我が家では専用プリントを作成して、ひらがなを書く練習をさせています。

画像3

ほぼほぼ知っているポケモンを選んで作成しているのですが、知らないものを織り交ぜておくことで、クイズ的な要素が加味され、通常のひらがなドリルより前向きに取り組んでもらえます。

まとめ

以上が、我が家の取り組み事例です。
「なんだ、メーカーに踊らされているだけじゃないか。」と言われれば、確かにそうなんですが、それでも「踊らされているだけじゃなく、その流れをうまく利用する」ことで得られるものもあるのではないかと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?