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「他人の子どもなんて可愛くない」


このセリフがテレビ越しに聞こえてきたとき、身体が不意に揺れたのを覚えている。


不倫をしているドラマの中の女性が相手に向かって放った言葉である。


私は、常に心のどこかで自分の感情を消化できない限り一生子どもを愛せないのかもしれない、と思っている。


子どもが嫌いな訳ではない。

誰の子どもだろうが、

人並に、「可愛い」と感じる。



しかし、やはり他人の子どもなのだ。



このように、負の感情を持つ若者は実際多いのかもしれない。

それが反映されたのが今の少子化問題とも言える。



様々な理由から、家庭を持つことを諦める人、

自分の育ってきた環境から結婚したくないと思う人、

結婚して子どもを育てる自身がない人、


たくさんいる。


でも、




「親になったら分かるよ」


そうやって、あたかも家族を作ることが正義のように語る大人によって、私達の声は遠くまで届かない。




親になれば変わる?

守るものが出来たら強くなれる?

子どもが産まれたら幸せ?




何度も聞いてきた。



そんな助言で、覚悟を決めることが出来るのならば、とっくに私の未来予想図に、「家族」が必要不可欠となっているだろう。




人間は脆い。



脆いが故に、助けを求める。

そして、本能的に「家族」を作る。


確かに、その行動によって、その人の人生が変わることもあるのかもしれない。

「強くなれた」

「愛することができた」

と自信を持つことができるようになるのかもしれない。





しかし、本当に思慮深く生きなければならないのは、

自分が一番幸せな状態の時ではないのだろうか。



幸せな時に、不幸せな人のことを考えろということではなく、


幸せな時、何事も自分側に正義が存在していると思い込んでいないか、考える必要があるということだ。




答えが一つだと信じることはとても怖い。



しかし、目の前に幸せが転がっていると、他人に対してもたった一つの選択肢しか与えなくなってしまう。



其々の家族の成り方を理解し、

其々の家族の在り方を理解し、

其々の家族の形を理解し、



そしてまた、


其々の家族を作らない生き方にも、目を向けて欲しい。



そう、思う。









p.s


このドラマもう何年前になるんだろ。波留さんが出てたということとこのセリフしか記憶にないです。




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