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なぜ学生たちは差別に反対する声を上げ始めたのか?|MBH座談会 #001

 あらゆる差別の根絶を目指す学生団体Moving Beyond Hateはどのような経緯で生まれ、どのようなメンバーが参加しているのか?よりMBHを知ってもらうため、メンバーによる座談会を開催しました。初回にあたる今回は、団体を立ち上げたきっかけやメンバーの自己紹介をお届けします!(編集:ピエール🦄)

・今回登場する人
トミー長谷川🦒 Moving Beyond Hate代表
ハル🐟 広報担当メンバー
あかとんぼ🦊 リサーチ担当メンバー
Y・K🦉 メンバー
(司会:Han🐭)

長谷川🦒
 とりあえず今日はnoteの第1回座談会ということで、団体に参加したきっかけや今後やっていきたいことについて、メンバーで話したいと思います。

長谷川🦒
 僕は去年の2019年の11月に団体を立ち上げました。なぜ立ち上げたかというと、そもそも僕はイギリス出身なんですけれども、日本に来て、あまりにも周りで差別に反対する人が少ないということにまず驚愕しました。在日外国人に対する差別だったり、ミックス※の人が受ける差別だったり、とにかくそれに誰も反対しないということに危機感を覚え、この団体を立ち上げることになりました。
※編集による注:「ハーフ」が半分を意味するhalfからきていることから、「ダブル」や「ミックス」という呼称が広まりつつある。

長谷川🦒
 立ち上げてからは、当初にイベントをいくつかやっていて、その後は定期的に情報発信だったり、ゲストを呼んだイベントをしたり大学生向けに活動しています。あと最近では、日大の差別事件に取り組んでいます。

Han🐭:自己紹介と、Moving Beyond Hateへの参加動機や経緯を聞かせてください。

ハル🐟
 大学2年生です。入ったきっかけですが、初めて向き合った社会問題がヘイトスピーチだったというのが大きいです。ただ、ヘイトスピーチに抗議したり考えを共有したりする機会は今までなくて。そんな時、[MBHの]イベントに参加して。はじめて同世代と差別について自分の意見を共有したり、勉強ができたんです。それが充実した時間だと思えて、ぜひ入りたいなと思いました。
 MBHって画期的な学生団体だと思ってます。明確に差別に反対している団体は今のところ[日本では]この団体だけなんじゃないかな。[読者に向けて]メンバーを募集しておりますので、みなさんぜひよろしくお願いします。

Han🐭:日本のヘイトスピーチ問題に向き合うようになったきっかけについて、詳しく教えてもらえますか?

ハル🐟
 高校生のときの経験だけど、日本第一党[日本の極右政治団体]の桜井誠が、「お散歩」とかいう新大久保でのヘイトデモの動画をTwitterにアップしていた。それが結構拡散されいて。その時は自分のクラスでもわりと「あいつ[桜井誠]やばいね」、みたいな感じがあった。
 ただクラスメイトのなかには「やばいけど言っていることは正しいよね」と言うやつもいた。だけど、クラス内には在日コリアンの生徒がいたので。ヘイトスピーチをした生徒は在日コリアンの子と普段は仲が良いから、なんでそういうことをするのか、理解できなかった。

ハル🐟
 他にもあって、小学5年生くらいの時。あるクラスメイトが在日コリアンの生徒に向かって「お父さんが在日コリアンだと悪いやつ。でもA君はいい子だよね。」と言った。その子の目の前で。そんなことを言われて、いい気がするわけない。[言われたマイノリティの]差別に対する怒りはすごく大きいものだと思う。自分も「差別だ」と思ったけど、深く考えてなかった。その場で、その発言だめだよねと言えなかったことは後悔してる。

あかとんぼ🦊
 団体への参加動機は、私の過去の学校生活にあります。私は今まで、教員が言葉の暴力を用いて学生の人格否定をする姿を何度か見てきました。また、クラスで嫌がらせを受けている友人の相談を聞いて、同調圧力の強い社会での生きづらさを痛感したこともありました。現状を変えるために何とかしたいのに、なにも出来ないことに悔しさを感じていました。
 窮屈な学校生活で感じたことが、私の差別に対する問題意識に繋がっています。
そこから、「次世代の人々には、自分達と同じ辛さを味わってほしくない」と考えるようになりました。
 その後、大学生として生活するなかで、差別問題に積極的に取り組む同世代の方々のことを知り、その人達と一緒に、社会問題を少しずつなくしていきたいと決意しました。また、私自身子どもと触れ合うことが好きで、実際にボランティア活動等に取り組んだ経験があるので、いつか子どもが差別問題に関心を持てる本を製作したいと考えています。

Y・K🦉
 今年の4月から大学生になった、メンバーのY・Kと申します。私がこの団体に所属したきっかけは、マジョリティが差別に対して声を上げない社会を変えたいと思ったからです。
 私はマイノリティーの分類に入るんですけど、自分自身が経験したこととしてはもちろん、それを差別とは思ってないし、こちら側からにすると差別とまでは思わないにしてもちょっと「?」が浮かんでしまうようなことを言われたことがある。例えば、バイトで初対面の人に自分の名前を伝えると「日本語で大丈夫?」と言われたことがよくあります。相手は気を遣ってると思うんですけど。やっぱり[マイノリティに対する]理解というのがあんまりないのかな、と考えてしまいます。

 →今回はMBH座談会#001ということで、メンバーの自己紹介やMoving Beyond Hateに参加しようと思ったきっかけについてお届けしました。続く次回は、メンバーの関心をより深く、そして実現したい夢!?についても語ってもらおうと思います!

(画像:Pixabay

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