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ホラー映画2本感想「X エックス」「残穢 -住んではいけない部屋-」

配信で「X エックス」と「残穢 -住んではいけない部屋-」を鑑賞しました。
で、感想を書いてみようと思います。
(※ネタバレ含んでます。お気を付けください)

そういえば、今年の初夢は巨大なヒルに足首の血を吸われるという、ホラーチックなものでした。
今年はまさかのホラー年なのか。。。

X エックス

2022年 アメリカ
監督 タイ・ウエスト

史上最高齢の殺人鬼夫婦が住む屋敷に足を踏み入れてしまった3組のカップルの運命を描いたホラー。
1979年、テキサス。女優マキシーンとマネージャーのウェイン、ブロンド女優のボビー・リンと俳優ジャクソン、自主映画監督の学生RJとその恋人で録音担当のロレインら6人の男女は、新作映画「農場の娘たち」を撮影するために借りた農場を訪れる。6人を迎え入れたみすぼらしい身なりの老人ハワードは、宿泊場所となる納屋へ彼らを案内する。マキシーンは、母家の窓ガラスからこちらをじっと見つめる老婆と目が合ってしまい……。
映画.comより


この作品は、前半はドラマパート・後半はホラーパートと前後半ですっぱり内容を分けていました。
で、その構成が効果的だったかと問われると、そうでもなかった。。。

ポルノ映画の撮影にきた若者たちが、ロケ場所の老夫婦に襲われるというのが大まかな筋なのですが、前半の男女含めた若者たちの野心(ポルノ映画で一旗あげてやるぜ)の描き方がよかった分、後半のジャンル映画ぶりに白けてしまった。

ホラー映画の「お約束」とでも言うべき、「誰から殺されるか(誰が生き残るか)」「どうやって殺されるか」みたいなものはあると思うし、そういうものを楽しみにしているファンの方もいると思うけど、自分は前後半の落差に戸惑ってしまいました。

あと、この作品は「襲う人」と「襲われる人」を同じ俳優が演じているという、今までありそうでなかった仕掛けがあります。
これ、面白そうですよね。
でもこれもあんまり効いてない。。。
ふーん、で終わってしまった。なんでだろう?

さらにもうひとつ、この作品は性(若者も老人も)の問題が含まれているのだけど、それも頭で考えた上辺だけの印象。切実さが感じられなかった。

全体的な雰囲気は良いのだけど、ホラーというジャンルにとらわれすぎてる気がするなあ。
もちろんジャンルを意識することの良点もあると思うのだけど、「この辺で」とあたりをつけてる感じが物足りない。
ホラーファン向けの作品なのかなあ。

あ、続編あるらしいです。

総合評価 ☆☆☆

☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆  →まあまあ。
☆☆   →う~ん、ちょっと。。。
☆    →ガーン!

残穢 -住んではいけない部屋-

2016年 日本
監督 中村義洋

ミステリー小説家である私に、読者の女子大生・久保さんから自分が住んでいる部屋で変な音がするという手紙が届く。早速二人で調べてみると、そのマンションに以前住んでいた人々が自殺や心中、殺人などの事件を起こしていたことが判明。久保さんの部屋で生じる音の正体、そして一連の事件の謎について調査していくうちに、予想だにしなかった事実がわかり……。
シネマトゥデイより


こちらは、どこにでもあるマンションの一室の怪奇現象の謎(穢れ)を追っていくお話。
一つ目の「エックス」のような殺人鬼が出てくるものではなく、「昔ここでこんな(悲惨な)事件がありました」というものをどんどん遡っていくと、最後に元凶のような事件にぶち当たり…といったあらすじ。
ストーリー的にも演出的にもツッコミどころはあるけど、どうなるんだろうと引き込まれました。

この映画もホラーというジャンルを意識している印象。
ラストの一番の恐怖シーンも「リング」をほうふつとさせられました。

ただなあ、それがもったいない。
もちろんあえてそうしているのだろうし、そこには良かれと思うサービス精神的なものも含まれてるのだろうけど、この作品でしか表現できない怖さが他にあった気がする。

この作品の穢れは、「話を聞いただけでも読んだだけでもその人にふりかかる」という「リング」を超えた最恐のもの。
「リング」は一週間以内に呪いのビデオを見せれば貞子さんから免れるというルールでしたよね。
でもこの作品の穢れは、ちょっとでも関わったらその人にふりかかる。
もう逃げ場がない。うつすとかもできないし。

これって、めちゃくちゃ怖いですよね。
なのでそこをもっと突き詰めて欲しかった。
原作(未読)あるものなので兼ね合いがあるのかもしれませんが。

詰まるところ、ジャンルへのリスペクトはあっていいし、商品としてちゃんとしたものを作りますっていうのも分かるのだけど、枠からはみだす部分があってもいいんじゃないかなあ。

総合評価 ☆☆☆

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