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【映画感想】「21ブリッジ」と「事故物件 恐い間取り」

「21ブリッジ」と「事故物件 恐い間取り」を配信で鑑賞しました。
で、感想を書いてみようと思います。

結論から言うと、両作とも☆2つ。
「う~ん、ちょっと」という感じでした。

総合評価 ☆☆

☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆  →まあまあ。
☆☆   →う~ん、ちょっと。。。
☆    →ガーン!

21ブリッジ(2021年公開 アメリカ)

チャドウィック・ボーズマンさん主演のNY刑事もの。
チャドウィックさんのスター性が存分に感じられる映画です。
華があってみんなの共感を得られる、スターですよね。
刑事役がよく似合ってました。
これからハリウッドのど真ん中で活躍するはずであろう方が亡くなられてしまったのはつらいです。

映画の内容としては、タイトルのミスリードがひっかかりました。
NYで麻薬の強盗殺人事件(数名の警官が殺害される)が起きて、マンハッタン島にかかる21の橋を序盤に封鎖するのですが、それがほぼ台詞で説明されているだけで、もう橋はおしまい。
あとは街の空撮で映るぐらいで、その後ストーリーに関係してこない。

犯人たちがどの橋から逃げるかとか、橋に爆弾をしかけてそれはいったいどの橋なんだとか、そういったものは一切ありません。
このミスリードはちょっとずるいかなあ。

じゃあ一体何の話かというと、「刑事」のお話です。
主人公の父親も刑事で、主人公が幼い頃に殉職しています。
また麻薬の強盗殺人に実は分署が絡んでいて、まあそれはよくあるパターンの話ではあるのですが、よくあるパターンの話をしちゃいけないってこともないので、そこは自分は気になりませんでした。

むしろ分署の警官たちが犯罪に手を染める理由が今風にアップデートされていたので、新味はありました。(犯人たちの経歴がアフガン帰還兵というところにも新味があった)

なので、タイトルにきちんと「刑事」という言葉を入れた方がストレートでよかったかなと思います。(興行戦略的には厳しいのかもしれないけど)

映画の構成としては、事件が起きた一夜の出来事を追うもので、いわゆるワンナイトもの。
その構成も含めて面白くなりそうな要素をたくさん取り込もうとした結果、芯にあるものが隠れてしまった印象です。

「現代社会で命をかけてまで人を守るとはどういうことなのか」というところでは考えさせられる部分もあったので、そこをもう少し押し出した方がよかったんじゃないかなと思いました。

事故物件 恐い間取り(2020年 日本)

「リング」の中田秀夫監督のホラー。
とはいうものの、純粋なホラーとはちょっと違うかな。
青春恋愛ものの要素が多分にあります。
100%のホラーを望んでいる人からすると物足りないかなと思うけど、自分はそうじゃなかったので、そこは気になりませんでした。

むしろ、自分はホラー映画のホラー演出一辺倒だと疲れちゃうので、メリハリというか、恐いところとそうじゃないところと両方ある方が好みです。

この映画の特徴は、良くも悪くも「スポーツ漫画」の構成だと思います。
物語の中で、売れない芸人の主人公が4件の事故物件に住みます。
で、それぞれその部屋で亡くなった幽霊が出てくるのですが、それぞれ殺されたり(その中でまた殺害方法が違ったり)、自殺したりということで、幽霊たちが「キャラ分け」されてるんですよね。
で、最後ラスボス的な幽霊が出てきます。

これがちょっとどうなんだろうというところではありました。
「キャラ分け」されていることで飽きないという良点はあるんだけど、「ここはこういう幽霊です。で、こっちはこういう幽霊です」って感じで理屈が通っていて、理性的な印象を受けちゃいました。

例えるなら、スポーツ漫画で、大会を1回戦から勝ち上がっていく感じ。
1回戦の対戦相手はこういうキャラ、次の相手はこう。
で、最後「ラスボスと対決」となるのですが、これが唐突でよく分からない。
そもそも幽霊のラスボスっていうのがよく分からない。(スポーツ漫画ならOKなのだけど)
そもそも幽霊って倒さなくちゃいけないのかもよくわからない。(そういう意味では「リング」の「うつす」って発想は発見でしたよね)

ただ、今までのホラー映画にありがちな、ひとりの幽霊を少しずつ少しずついろんな方向から出していって最後バーン、みたいなものとは違うものを作りたいんだ、という制作意図は伝わりました。
でも、まだ試行錯誤の段階かな、という印象です。

最後に

両作とも人が主人公ではあるのですが、「NYの街」だったり「(事故物件の)部屋」だったりが陰の主役で、そういうのはキライじゃないです。

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