アンナチュラル5話【死の報復】 〜雪の演出〜
アンナチュラル5話の考察です。この回はアンナチュラルの中で最も演出が素晴らしかったと思います。塚原さんの演出するドラマは毎回素晴らしいですよね。また5話は中堂の過去や考え方を知るターニングポイントになっていますね。
1.中堂というキャラ
「中堂」
ここでは中堂のセリフによって提示された【永遠の問】について考察していきたい。
このセリフから、中堂自身が過去に起こった永遠の問の答えを見つけることができていない状態であることがわかる。またそれを救うのが法医学の仕事ではないのか?と考えている。
ミコトもその考えに同意している。【残された人が生きていくためにも】ここで考えが一致した中堂とミコトの理不尽な死に立ち向かう仲間としての距離は縮まっていく。
しかし2人の考えはある点において違った。
中堂にとって、永遠の問に答えを出した先にあるものは【死の報復】である。
一方ミコトにとって、永遠の問に答えを出すとは、【残された人々がこれからの人生を前を向いて歩ける】ようになるということだ。この対比によって、よりミコトの「生きる」「未来のため」という考えが際立つ。
葬式のシーンで2人の考え方が違うことに気づく。
そして最後にミコトのセリフからは中堂に前を向いて歩けるようになってほしいと願っているのか?そうすると同情しないという言葉はどのような意味なのか。気になる…。
2.雪の演出
「雪」
雪の演出は、本当に素晴らしかった。
中堂が雪の中佇んでいるシーンもとても絵になっていた。
葬式のシーンではわざわざ雪を降らせている。ということは、雪に何かしら意味があるはず。どのような意図があったのか。雪の演出がある他の作品を探してみた。
【3度目の殺人】では加害者側の人間だけ雪の上で十字架の形で寝転がせるという演出があった。また白い雪は赤い血との対比になりやすいので、憎しみや悲しみの象徴として使われる。
アンナチュラルでは周りが傘をさしている中、相手に「死」を求める中堂と彼女のことを殺した女を刺している鈴木のみ傘をささず雪に降られている。
それがスローモーションでうつされる。ミコトに腕を掴まれることによって中堂のみスローモーションの演出が終わる。腕を掴んだミコトの服には「血」一方中堂には「雪」が積もっている。ここにも「生」と「死」の対比が描かれている。またこのシーンからは中堂はミコトによって中堂のみスローモーションの演出が終わる。このシーンからは中堂はミコトによって【死の報復】という考えから抜け出すことが出来るという伏線かもしれない。
UDIのメンバーが道具を持って次々と中堂の家に訪れるシーンが微笑ましかったですね。
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