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1922 映画の感想

はじめに一言:全体的に重い。一人でしんみりしたい時に見る映画。

媒体:Netflix

内容:とあるホテルの一室で初老の男ウィルフレッドがペンを取り、過去に自らが犯した罪について書き記しているところから物語は始まる。

遡ること数年前の1922年、ウィルフレッドは妻アルレットと14歳の息子ヘンリーとネブラスカ州の片田舎で広大な農場を経営していた。だが、田舎が嫌で都会暮らしに憧れていたアルレットは、自分が権利を持っている農場と家を売って都会に行くと言い出す。ウィルフレッドはこの地を離れる気はなく、また隣の家の娘シャノンと恋愛していたヘンリーも、やはり離れる気はなかった。

ウィルフレッドはヘンリーを引き込み、2人でアルレットを殺害、死体を井戸に棄て、彼女が失踪したかのように偽装工作を行う。しかし、次第に罪の意識に耐えられなくなった2人は精神的にも肉体的にも追い詰められていき、やがて破滅の時を迎える。(wiki)

感想:
この映画はスティーブン・キングの原作、Full Dark( No Stars所収)を映像化したものです。スティーブン・キングの映画で好きなのはミスト。得体の知れない恐怖や、人間の恐怖を上手く映像化されていて、見る人・見るタイミングによって感想が変わる映画で、何回も見ています。

私自身、ホラー映画、人間の葛藤は好きです。1922を見たのはやっぱりスティーブンキングの原作だ、ということで見ました。

今回、この映画の配給会社はNetflixで、その特徴として登場人物の少なさ、収録現場があまり変わらない、映画であることが多いです。ただ、今回この映画では、それらは気にならず、映画の中に入っていけました。

映画の内容はというと、夫が、息子を誘導しともに、妻を殺してします。まず、夫の妻と暮らしている時の演技がキザ。妻を尊重している雰囲気もなく、農業は好きで、常に自分以外の環境に羨望の目を向けている妬ましさが表情や雰囲気からプンプンしていて、こんな男はいやだ。となります。

それと対極にいるのが、息子。ヘンリー・ジェームズ:ディラン・シュミットの演技がめちゃんこ好き。表情も好き。まだ荒削りな青年でそれを上手く表現できていたと思いました。

父親を尊敬していること、母親の発言に嫌悪感を抱きつつも愛があること、それが演技、脚本に出ていました。あの当時の青年が絶対的な父親に指示を出されたら、反対することはできない。でも自分の中にある倫理観に反している。そんなことが表現に出ていて、胸が苦しくなりました。

この映画自体、視点が夫にあり、夫が自分が犯した罪に対して破滅に向かっていく様子を描かれています。

私がこの映画を見て感じたことは、愛について、です。夫と妻の関係性についてあまり説明がないものの、妻が「納屋でやってもいいけど、中に入れるなよ。私たちみたいに。」的な発言がありました。妻の目線から見たとき、この結婚は勢い、そして望まない田舎での生活。だったと思います。

夫の視点から考えると、農業に打ち込んでいるものの、妻のつれない様子、田舎の妻とは夫に服従的であるという姿勢が感じられないことへの怒り、でも息子がいることへの思い、があり、妻への愛はないものの、息子への思い、仕事への思いが強いことを感じ取れました。

多くの夫婦は熱々のカップルを終え、どこかいやなことがありつつも夫婦で過ごしていくんだと思います。でももし、相手を殺したら、?

そんなことを考えさせる映画でした。


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