見出し画像

「CUBE 一度入ったら、最後」鑑賞記録

 先日CUBEを見て参りました。菅田将暉と岡田将生という組み合わせが個人的に気になって、どちらかというとキャスト目当てで行った感じです。

 物語に関しては、オリジナル版と比べると割かし説明があったのかなという印象です。ただオリジナル版の記憶が薄れているので確実なことは言えません…でも今回のリメイク版ならではの解釈や設定があったのは確かだと思います。このCUBEというものに与えられた意味やここに集められた人間たちの背景なんかがオリジナル版よりも描かれているような気がします。

 また忘れてましたが、ちゃんとグロもありました。そうだ、この映画そういうやつだった、という感じで初っ端からなかなか「うぉ」となる映像が…グロが苦手な人は少し注意してください。映像が綺麗だし、映らなくても音がリアルなシーンもあります。

 CUBEに集められたのは全部で6人。菅田将暉演じる29歳エンジニアの後藤。杏演じる37歳団体職員の甲斐。岡田将生演じる31歳フリーターの越智。田代輝演じる13歳中学生の宇野。斎藤工演じる41歳整備士の井手。吉田鋼太郎演じる61歳広告代理店役員の安東。

CUBE人物

 オリジナル版とは異なる点として13歳の宇野の存在は大きいと思います。今回は10代、20代、30代、40代、60代という幅広い年齢層の様々な思想を持った人間たちが集まっています。生き残りをかけた特殊な環境下で各々の本性が暴かれていくのはよくある話ですが、ただの娯楽映画で終わらなかったのはこの映画の中に「若者」が今の世の中で「生きる」ということを描こうとしたからではないかと思います。井手や安東が「生きる」ことへの執着を見せる一方で若者たちは「生きる」ことに罪悪感や諦めなんかを抱き、ためらいを見せていました。そういう若者たちが自分と向き合わざるとえない状況になり、どういう行動を取るのかが見どころかと思います。

 観ていて驚いたのですが、こういったデスゲームの類を昔は何の感情も抱かずに観れていたのに今観ると苦しくて苦しくて…人が死ぬということの重さが年を重ねるにつれて実体を伴い始めたのか…とにかく観ているのが辛いシーンもありました。そういう趣旨の映画なんだからそりゃそうだろ、と思うんですけど、これほどまでに死が重く感じられたのは恐らくそれほどに人物描写が丁寧だったからかもしれません。

 気になっていた菅田将暉と岡田将生の共演ですが、あまり特筆するほどのことはなかったです。ドライブマイカーを見てから岡田将生という役者が気になって仕方がないのですが、私が期待していたものはきっと人間ドラマじゃないと観れないものだったんだろうな…もっと折り重なった層としての人間同士でのやりとりが見たかったです。

 まとめとしては、娯楽映画としても人間ドラマとしても振り切ってはいなくて、それをよく言えばバランスがよくて悪く言えば中途半端。おすすめというわけではないのですが、今回は鑑賞記録として残したく、書きました。それではこの辺で!







 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?