見出し画像

クライマーの彼女の手は開けない。

10年以上来てくださるクライアントさん、Kさんはプロのクライマーで、
落ちたら絶対やばいところを登っている。汗
安全を確保するために器具は使えど、登るのも、断崖絶壁で落ちないように支えているのも、彼女の身体一つ。


さぞ強靭な身体を持っていると、思うでしょう?


実は彼女、初めて会ったときは身体が痛くて痛くて、クライミングが出来なくなりそうだったの!


クライミングで頼っている筋肉はムキムキで、短くて、
そうじゃない筋肉を引っ張っているような、
なんともアンバランスな身体になっていたんだよ。


命がけで登っている彼女の身体は、生き延びるために
使える強さを総動員しているのだから、
「バランスよく身体を使おう」なんて大した優先順位がないわけ。

「登る」というゴールを生きて達成するために、
身体はできることをしているだけ。


だから、地上でシンプルな動きをしようとすると
彼女はぎこちなく、上手く出来ない。

手を開くというシンプルなことが
指か肘を曲げていないと出来ないのも
そのせいで、

岩を掴んだまま固まった
指や手のひらの力みは、
腕や首にまで影響していく。

あちこち痛くて
強いと弱いがごっちゃになってた彼女が、
痛みから解放されるために
私たちが取り組んできたのは、

もっぱらバランスを整えること。


步く、走る、登る、降りる、屈む、立つ、伸びる…

日常生活の動き、そしてクライミングの動き、
どんな動きをしても、その負荷に耐えられるような強い身体は、
素晴らしいオーケストラのようにバランスが良い。


強さってなんだろう?

どんなにムキムキかでもない。
どんなに腹が割れているかでもない。
どこか一個の筋肉が硬いかでもない。

ボディービルダーの人は
腕の筋肉縮められるけど
伸ばそうとすると怪我するかも。


強さって、
やろうとするタスクが達成できることもあるけど


どんなタスクが来ても
ダメージが一箇所に集中しないような、
身体のチームワークがスンバラしいことも
そうじゃないかなー。

産前産後の身体もおんなじで
身体に色んな動きを経験させてあげて
動くことでバランスを整えることはとても良い。
(もちろん時期によって、避けた方がいい動きはあるけれど)


力を発揮するには
伸びる、縮むどちらも大事で、

バランスを整えてあげると
ダメージが圧倒的に少ないのだ❤︎
(妊娠中、お産、育児からくるダメージ全部ね)

ダメージが少なければ
やろうとすること(子どもの世話、家のこと、趣味のこと、仕事のこと、なんでも!)が、余裕を持ってできるしね。


アスリートは身体をケアするのが当たり前。
続けていくには、それが絶対条件。


命を育むことに関しても、
「痛みも不快感も当たり前」
「我慢するのが当たり前」
じゃなくていいよね。


私たちは命がけで登らなくても、
日頃偏った使い方をしているのは同じで、

痛みなし、トラブルなしでいきたければ
バランスを整える機会は素晴らしく必要だと思うよん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?