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選挙結果振り返り(那覇市長選&那覇市議補選)


 さて、本来でしたら昨日(月曜日)に掲載するべきものを怠けてしまったため出せなかった振り返り記事。 一日遅れですが、載せてみます。 既に結果を御存知かとは存じますが、もし宜しければご覧いただきたく・・・


◆那覇市長選&那覇市議補選

 まずは最も注目された那覇市長選と、同時に行われた那覇市議補選から。

 自公推薦の知念候補がオール沖縄が擁立した翁長候補を1万票の差をつけて勝利しました。

 地元紙による勝因・敗因の解説はコチラ。

●金城ガンヂ的、見立て

 選挙紹介の際に見立てた内容と、大体同じ展開になりました。
 県知事選でデニー知事が圧勝したのは知事個人の人気の高さと対抗馬の佐喜真氏自身の人気の低さが大きな要因であり、那覇市長選の前哨戦として行われた豊見城市長選ではオール沖縄側の現職が、2期目に挑むという現職が最も有利なハズの中で敗北。 これにより知事選のアドバンテージは完全に失い、更に城間市長が知念候補を支持したコトで流れは決定的になり、当初は役所の人間というコトで知名度が低かった知念候補がドンドン重厚感を増し、逆に支持者が減っていった翁長候補はドンドン軽く見られてしまったのでしょう。
 翁長候補については「セクハラ発言」が取り上げられたコトもあり、それが更に自身の “軽さ” に拍車をかけた形になってしまったものだと思われます。

 更に、頼みの投票率が47.05%と全く伸びず、期待していた60%台に遠く及ばなかったため、組織票の強い知念候補に有利に働き、翁長候補は票を伸ばせなかったと思われます。 ただし、この投票率でこの票差だとするならば、投票率が上がっても結果を覆すまでには至らなかったかもしれません。

 そして、沖縄人特有の、党派性にこだわらず投票先を “散らす” コトで自らの立ち位置を確保するという投票行動が、同日に投開票された那覇市議補選に表れて、

 そちらでは逆に、オール沖縄が擁立した候補が当選しています。「バランスを取る」という沖縄の投票行動が、皮肉にも同日に行われた那覇市議補選でおこなわれ、

「市長選は自公、市議補選はオール沖縄」

 という形になったものと私は見ています。

 なお、知念候補には参政党と下地幹郎氏の支持も入っています。 参政党の票は約5千票と見られるため、それだけが知念候補を勝利に導いたとは言い難く、下地氏は明確に知念候補支持を表明したワケではない(日課としている交差点の演説で表明したのみ)ので、下地票がどれほど流れたかは不明、且つ県知事選の結果を見る限り、下地支持層の多くは知念候補支持層と重なるため、下地氏の支持は大勢に影響は無かったと思われます。

 それと、例の「ひろゆき発言」が影響を及ぼしたとする声が、ひろゆき好きな人たちの間で広まっていますが、30代の7割が知念候補に投票したという結果がそれを表しているのかもしれないと思う一方、基地問題が投票先を決める政策だと挙げた人は16%と、経済振興、教育子育て、医療福祉に次ぐ4番目となっており、票差を広げた一因にはなっているかもしれませんが、それが勝敗を決定づけたものになったとは言えないと私は考えていますが、こればっかりは現地の空気感を感じていないので何とも言えません・・・

 さて、ドンドン弱体化していくオール沖縄。 もはやその定義すら怪しくなり、かつての「革新統一」と似た形にまでなってしまい、私はいっそのコトその形に戻すべきだとも考えていますが、そうなったらイニシアティブをとるのは共産党になり、それに立憲が乗るとは思えないので、より多くの政党の支持を得るためには現在の枠組みを崩すワケにはいかないのでしょう。

 現在の枠組みにおいて中心、というか、共産と立憲の “接着剤” 的な役割を果たしているのが、地域政党の社会大衆党(社大党)だと思いますが、オール沖縄の弱体化の一因になっているのも社大党でありまして、

 2019年の参院選の時に、現職で社大党所属の糸数慶子氏を社大党が「世代交代だ」と無理矢理引退させたせいで糸数氏と社大党が決裂。 知事選などで糸数氏は共同代表としてオール沖縄入りしているものの、自身及び御子様の立候補には社大党が障害となってオール沖縄から出られないという状況を生んでいます。 御子様の糸数未希氏は将来を担える有望な「カード」なハズなのに、それが使えなくなっているため更にオール沖縄の「カード」は減り、その結果として、「翁長雄治」というオール沖縄が持つ「最強のカード」をこの段階で出さざるを得ない状況に追い込まれています。

 そもそもですが、オール沖縄側はそこまでして今回の那覇市長選で勝つ必要が有ったのでしょうか? 辺野古基地建設を巡る争いは今後数十年に渡って続きますし、それこそ今後数十年先を見据えるならば「翁長雄治」というカードを大切に育て上げ、未だ35歳と若い翁長氏を20年後に知事にしようというプランを作っておくべきでした。 それが目先の勝利を求めるあまり、翁長氏という「最強のカード」を早くも “キズモノ” にしてしまいました。
 この影響は時が経てば経つほど大きくなってくるものと思われますし、キズモノにした責任を誰が取るのか、見ていかなければならないでしょう。


 以上が、那覇市長選と那覇市議補選の振り返りです。

 それ以外の選挙についても振り返らなければならないですが、文章が長くなったので、それは次の記事に載せるコトにします。





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