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「頑張る」を数値化してみる


 東京都知事選の余波が、収まりそうにありません。
 世間もそうですが、私自身の中で。

 取材に行かない、且つ私には扱えない規模の選挙なので触れるつもりはなかったのですが、“ゼロ打ち” で選挙結果が出た瞬間から黙っていられなくなり想ったコトを書き綴り、

以降も都知事選に関する話題が溢れる中で私も考え続けています。 例えば、

・人は何故「第三極」に魅かれるのか
・石丸伸二とは何か

などについて。 これらについては今後何らかの形で記事化しようと思っています。 どうやら9月までは取材に行ける選挙が少なそうなので(※「選挙出まくりマン」対応を除く)その間に溜まっている記事を書くコトと同時に、新しい試み(←構想中)を用いて形に出来ればと思っています。

 で、今日は『「頑張る」を数値化してみる』というお題で書いてみようかと。




◆石丸氏と蓮舫氏が都知事選に与えた “好影響”

  今回の選挙で1人の勝者と55人の敗者が誕生する中、特に100万票台に載せた石丸氏蓮舫氏にフォーカスすると、敗因の事情はそれぞれ有れど両候補がもたらした好影響は明らかに有りました。 それは「投票率」

 前回から5.62ポイントプラスという数字は言い方を替えれば、投票率が前回より「1割」「10%」上がったというコトであり、有権者数に対する投票率でザっと出した投票者数で比べれば、前回から約67万人も投票者が増えたというのが事実です。
 選挙期間中や最終投票率が出るまでの間、ネット上では「なんでこんなにも投票率が低いんだ」なんて呟いているものを多く見ましたが、投票率が6割に乗せたと報じられるとそれらの声がピタリと止んだのは笑ってしまいました。 東京って、国政選挙や都知事選では全国平均より高い投票率を叩き出している自治体です。 投票率の低さを(フライング気味に)嘆いた人は地元の投票率を見て下さいな。

 同日に行われた鹿児島知事選の投票率は、44.76%

 昨年の大阪府知事選の投票率は46.98%

 2年前の沖縄県知事選でも57.92%ですよ。 (もし都民じゃない人がそう言っているとするならば)まずは地元の投票率の低さについて想いを馳せていただきたいものです。

 話を戻しますが、今回の都知事選における投票率押し上げに貢献したのは政治に無関心だった層を掘り起こした石丸氏と、「ひとり街宣」などに見られる支持者の高い熱量を生み出した蓮舫氏の両候補であるコトは間違いないでしょう。
 ただ、逆に言えばあれだけの支持者や熱量を生み出しても勝てなかったとも言えるワケで。 きっと両候補の支持者には「あんなに頑張ったのに、勝てなかった・・・」絶望している人も多いかと思います。 そんな方のために「今回の頑張りはどれだけのものだったか」「次はどれだけ頑張ればいいのか」というコトを過去の選挙を例に数値化してみます。

「石丸氏と蓮舫氏の二人(及びその支持者)を横一列に論じるな!」と思われる方がいるかもしれませんが、主張や思想ではなく「投票率」を基準にした話なので、そこは御了承下さい・・・


◆「投票率が上がるのは良いコトなのか問題」についての私見

 その前に私のスタンスを明確にしておきますが、私は投票率が上がるのはその要因が如何なる理由で有ろうと良いコトだ! と考えています。

 よく言われるコトとして国政与党系は投票率が下がれば自分たちの組織票の割合が強まるので喜ぶという話が有りますが当然ながらそんなのは論外であり、今回の都知事選で言えば投票率が上がると石丸氏に多くの票が流れると見られる中で蓮舫氏支持者の一部からも投票率上昇を危惧する声が聞かれましたが、それは戦略上のロジックに過ぎず、例え雰囲気に流されて深く検討しないまま投票する人が増えたせいで投票率が上がって “しまった” としても、より多くの人が投票によって意思表示したものは尊重されるべきで、それによって政治が、社会が堕落したとしても投票行為の責任として受け入れて反省するコトで次回に生かすという「トライ&エラー」を繰り返さなければ、既に堕落してしまったと言える政治や社会が良くなるコトは無いと考えています。

 ・・・という私のスタンスを御了承のうえで以下を読み進めていただけると嬉しいです(※もちろん私の考え方を押しつけるつもりは有りません)。


◆「投票率前回比10%アップ」とは

 先述の通り、今回の都知事選は「55.0%」から「60.62%」と、「5.62ポイント」上昇。 前回投票率をベースに見れば「10.21%」上昇しています(以下「上昇率」)。 この上昇を招いた最大の要因が石丸氏と蓮舫氏の支持者だとするならば、今回両候補の支持者が一生懸命頑張ったコトを数値化すると「前回比10%プラス」「前の選挙より1割多く頑張った」と言えるかと私は考えます。

 これを読んで「オイオイ、私の頑張りはたった1割なのかよ!!」って怒る方もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。「1割増」の頑張りってスゴいコトですよ。 イヤミでも何でもなく、本当に

 例えば、投票率が1割上昇、支持者が前回より1割頑張ったコトで選挙結果が変わったものを挙げると、

 2021年衆院神奈川13区。 選挙時自民党幹事長だった甘利明氏が「日本には甘利明がある。」なんてクソすべったポスターを貼って地元を放っておいて、幹事長として全国の自民候補応援に回っていた隙をつき、2017年の衆院選ではダブルスコアで甘利氏に敗れた立憲の太栄志氏が激しく追い上げた末に競り勝った選挙が、2017年の「50.62%」に対し2021年が「55.77%」。 前回比5.15ポイントプラス上昇率10.17%でした。 甘利氏は比例復活したものの現幹事長が小選挙区で落選するというジャイアントキリングを達成した選挙だったり、

 同じく2021年の衆院選東京8区。 それまで10期務めて無敵を誇っていた石原伸晃氏を立憲新人の吉田晴美氏が倒した選挙(3位に沈んだが約4万票獲った維新候補も石原氏落選に貢献した点も付け加えます)が、2017年が「55.42%」に対し2021年が「61.03%」で、前回比5.61ポイントプラス上昇率10.12%で石原氏を比例復活できないほどに落選させたものもそうでした。 1割多く頑張るコトで選挙結果は大きく変わるコトが有るのです。


◆「10%アップ」でも届かなかった支持者が目指すべき、次の目標

 とはいえ今回の都知事選は石丸氏と蓮舫氏の支持者が1割多く頑張っても届かなかったワケですが、それはそれだけ現職が強かったというコトで支持者の頑張りが無駄だったワケでは決してありません。 では、次はどれだけ頑張ればイイのかというのを過去の選挙から探してみると、有りました

 2022年の杉並区長選で現職に批判的な市民が選挙2か月前に擁立した岸本聡子氏を擁立し、4期目を目指す現職に競り勝ち奇跡の当選を成し遂げた選挙が、2018年「32.02%」に対し2022年が「37.52%」で、前回比5.5ポイントプラス上昇率17.17%でした。

 と、いうコトで次は今回から更に5%プラスして頑張っていけば望むべき結果が出る、かもしれません。 勿論、全ての支持者がすべからくそうすべきと言っているワケではなく、今回の「プラス10%」の頑張りが精いっぱいならそれを続ければイイし、今回の結果で何もしなかったコトを後悔している人は次は少しだけでも動き出せば、「0」から始められた人の頑張りは何よりも尊いもの。 そして中には今回の結果を経て更にヤル気を増した人が更に10%、15%と頑張るコトで総量として今回から更に5%プラス出来れば良いのかなぁと、私は思うのです。

 それと当然ながら頑張り方も人それぞれで、ひとり街宣出来る人はそれをやれれば最高だし、それをやるのは怖いと思う人はネットを使って動画作成や文章(blog、note)、またはtwitter-Xといった自分が頑張れるフィールドで自分が潰れない程度に頑張るコトが大事かと。


 イロイロ偉そうに書き連ねてしまいましたが、とにかく大切なのは諦めずに続けるコトで、それに勝るものは有りません。 そして、2019年の参院選でれいわ新選組の選挙運動をしたものの望んでいた結果が出なかったらそこで諦めて取材する側にまわった私からすれば、候補者を当選させるべく頑張っている皆様は眩しくて、リスペクトしかありません。 だから私はココで頑張りますので各々が各々の立ち位置で、続けるコトを続けて行きませんか?

やはり、Keep ON “Keeping ON” で、やってみましょうよ。



最後までご覧いただき有難う御座いました


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