2050の予測

2050年予測

これから約30年先の2050年までに人類にどのような危機が訪れるかを想像してみた。

世界的食糧難―気候変動により干ばつと水害が繰り返すなで農作物の収穫が減り、海水温の変化で漁獲量も減少する。大きな人口を抱える中国・インドの工業化で農村が疲弊する。さらにはロシアや中国を中心とした帝国主義により世界のブロック化が進み食糧の流通が滞り、食糧生産国は食糧難対策として備蓄の積み増しや輸出制限を強めるので自給率の低い国は深刻な食糧難に陥る。

皇帝の交代―皇帝というのは“裸の王様”になる運命を背負っており、裸の王様となった時は峠を降り始める時である。ロシアのプーチン氏も中国の習近平氏もすでに裸の王様状態であり先は長くない。しかし、これらの巨大な国を収めるには民主主義ではなく帝国主義・専制主義が必要なのかもしれない。だとすれば現在の皇帝が去った後も似たような人物が現れるのだろう。そして帝国主義は続く。

戦争の継続―現在のウクライナ戦争は当分の間継続するだろう。ウクライナのゼレンスキー大統領はクリミア半島まで含めて奪還するまでは戦争をやめないと言っている。ロシアもまたロシアとの連絡通路であり黒海の制海権に影響するクリミア半島を手放すことは出来ない。どちらも譲れないのがクリミア半島だ。ウクライナは西側の援助を受けているので勝つことがなくとも負けることもないだろう。ロシアも又核を保有している以上絶対的な負け、後退はあり得ない。こう考えるとかなり長期の戦争となるだろう。

もっと厄介なのが台湾問題だ。台湾の政権はもともと中国を代表する政権だった。それが毛沢東の長征に敗れて台湾に逃げ込んだ。このような歴史の事実、同一民族である事を考えれば台湾が中国に統一されるのは理に適っている。問題は武力侵攻である。米国をはじめとする西側諸国の多くは“一つの中国”政策に合意している。しかしながら台湾は独自の軍隊を持ち、米国はここでも兵器を供給している。2020年代の半ばには中国による武力侵攻が現実のものとなるだろう。ここでは中国と米国が譲れない戦争に突入し、日本はそれに巻き込まれる。どちらも核兵器を持つ大国である。ある意味で地球を分断しかねない世界第三次、大惨事大戦となり長期にわたる混乱が続くだろう。

中国の衰退:中国は現在順調に経済を伸ばし、グラフの線を単純に伸ばせばもう時期米国を抜いて世界第一の経済大国となりそうだ。しかしながら世界一になれないかもしれないし、なっても直に落ちる可能性が高い。それは中国がかつて進めた“一人っ子政策”のツケが回ってきたからだ。2022年の人口は既に減少している。今後は日本よりも深刻な少子高齢化が進むと予測されている。これにより労働人口は減り、世界の工場としての地位は崩れるだろう。農村の疲弊で食料生産が不足し、工業生産も落ち込めば中国の経済はあっという間に減速する。この経済衰退が台湾をめぐる米中戦争の終結に影響を与えるだろう。

停滞する巨人:このような中でインド・ブラジルの動きが気になるところである。どちらも世界の政治・経済で重要な役割を担うと期待されているが国情は安定していない。特にブラジルはまともな政治家が出ていない。さらに両国とも気候温暖化の影響を受け、干ばつ・水害・山火事などの自然災害に苦しめられている。単なる理想だがインドはパキスタンやバングラディッシュと一緒に連邦国家を作り多民族・多宗教がいかに共存するかの手本となり世界平和に貢献してほしい。この連邦が出来れば中華帝国を牽制する意味で大変意味のある存在となるだろう。

以上のイベントがどのような順序で発生するか、どのように重なるのかは見えない。しかし人類が第二次世界大戦以後の最も深刻な時代を迎えることになるのは明らかだ。